吉岡実言及書名・作品名索引〔解題付〕(小林一郎 編)

最終更新日 2021年5月31日

自宅・書架前での吉岡実(《現代詩読本――特装版 吉岡実》思潮社、1991、二八九ページ〔部分〕)
自宅・書架前での吉岡実(《現代詩読本――特装版 吉岡実》、思潮社、1991、二八九ページ〔部分〕)


目次

吉岡実が読んだ本――断章ふうに

 吉岡実言及書名・作品名索引 凡例

 吉岡実簡略書誌

吉岡実言及書名・作品名索引

吉岡実言及書名・作品名索引 解題

 〔2006年4月30日付記〕

 〔2021年5月31日付記〕


吉岡実が読んだ本――断章ふうに

  1. 吉岡実は詩人であり、それ以前に永らく出版社の社員であり、なによりもまず読書人だった。一九七六年刊の詩集《サフラン摘み》以降、詩句には書物からの引用が登場しはじめたが、随想などの散文ではそれ以前から自他の作品や書物への言及が夥しい。
  2. 散文を集成した書物が〈随想集〉と冠されたのは後からであって、はじめ「単に「散文集」として刊行されることを、望んだ」(《「死児」という絵》の〈あとがき〉)という逸話は興味深い。散文とつりあうのは詩だけであって、俳句や短歌などの韻文ではなかった。
  3. 詩人として立ったころの文章に自作への言及が多いのは異とするに足りないが、終生「詩の始まり」を語って倦まなかったことには、自作の解説なり擁護なりとはまったく別のなにかが働いている。それを人は「詩への献身」と呼んだ。
  4. 今日、吉岡実の散文に登場する数数の書名・作品名を索引の形で一覧することは、吉岡の詩を鑑賞・読解する点からも有効だと思われる。自作との距離の取り方は本来こうしたものではないが、本索引では吉岡実も一人の作者として扱う。
  5. 先に全二八一篇から成る《吉岡実全詩篇標題索引〔改訂第2版〕》を編んだ際、詩篇の前後の詞書・献辞・題辞、注記などを載録したが、吉岡実詩の謎に迫るためには「吉岡実言及作品索引」が不可欠だと確信するに至った。
  6. 企図はよいにしても、資料が広く役立つことは明白でありながらも、なかなか形にならなかったのには理由がある。使用法が固まらないと方向性が定まらず、それは資料をある程度使いこまないと見えてこないからである。
  7. 書名や作品名を挙げるときに、吉岡実は《 》や〈 〉を使うことが多かったが、《「死児」という絵〔増補版〕》の増補部分では『 』や「 」に統一されている。一九八〇年を境に散文での標題符号はふつうのカギに変わり、別途《薬玉》の詩篇が書きつがれた。
  8. 吉岡実詩篇と引用符号の関係は別に論考を要するが、散文におけるそれが「 」か――で前後を括るオーソドックスなものであるのに対して、詩篇におけるそれは( )や〔 〕のほか数種類にもわたっていて、それらの間の差異はわかりにくい。
  9. 本索引に挙げた書名・文学作品名は、おおよそ次の四つに大別できる。一、古代から現代までの短歌・俳句そして詩。二、近現代の内外の小説・戯曲。三、文学以外の美術書や研究書。四、吉岡自身が制作に関わった仕事上の本。
  10. 別の見方をすると、まず吉岡自身の著作がある。編集者や装丁者として制作に関わった本がある。友人知人や未知の読者からの献本がある。そして読者として購読した書物がある(後二者は別途《吉岡実蔵書目録》を要求している)。
  11. 本索引で今日あまり見かけない書名は、筑摩書房以前の吉岡の勤め先、すなわち南山堂書店や西村書店、香柏書房で手がけた本に多い。所在の確認、刊本の入手ともに困難で、書誌的に未詳のものがほとんどなのは残念である。
  12. 吉岡実の読書の傾向に、ある出版社や叢書が気に入ると集注的に読む、というのがある。北原白秋や斎藤茂吉など、戦前の「現代歌人」をそろえた改造文庫、翻訳小説を擁する岩波文庫、さらに戦後の創元選書の詩歌集、俳句評論社の句集、などがそれだ。
  13. 吉岡は一九五〇年代、白水社が刊行する戯曲をいくつも読んでいて、そこからは詩集《僧侶》の諸作への影響が見られるようだ。そして同時期の発禁本の数数もまた。吉岡実の「いかがわしさ」への親近は、ひとつにはこのあたりが淵源か。
  14. 画集は想ったほど登場しないが、画家に対する知識や好みは瀧口修造や澁澤龍彦からの影響が大きい。「半具象」とは吉岡実自身の詩法を端的に表わした言葉だが、それは「リアリズムではない具象」という絵画の好みにもあてはまるようだ。
  15. 一九八〇年以降の吉岡実の机上には、岩波書店版《日本古典文学大系》が置かれることが多かったのではあるまいか。ただし本索引には《古事記》《日本霊異記》以外ほとんど登場せず、もっぱら詩集《薬玉》の詩句に残響がうかがえるだけだ。
  16. 本索引に掲載されていない本の例を挙げよう。〈吉岡実アルバム1919〜1990〉(《現代詩読本――特装版 吉岡実》)には、飯島耕一や大岡信の著書と並んでナボコフ《ロリータ》(新潮文庫)やフォークナー《響きと怒り》(講談社文庫)が見える。
  17. 吉岡実の蔵書全体では、当然のことながら現代詩の単行詩集が最も多いはずだ。そのあたりは未刊行散文において多く言及されている。吉岡実の詩の工房のいちばん奥の書架に蔵されていたのがこれらの詩書だ、と言っていいだろう。
  18. 本索引以外にも吉岡実が愛読した書物は数知れない。ときに、載録した短歌・俳句は連作を最小のレベルとして、個個の作品(一首/一句)は対象としなかった。引用・言及の双方を含む《吉岡実言及歌俳索引》の必要性は高く、これも他日を期したい。
  19. 最後に吉岡陽子夫人からうかがった想い出話を記せば、吉岡実さんは亡くなる少しまえに私の《吉岡実著作目録1940-1990初出篇》をご覧になってこう言ったそうである。――小林一郎が吉岡実詩の全出典を探索するであろう――と。

(初稿 1995年12月、改稿 2004年11月)


吉岡実言及書名・作品名索引 凡例

総則

  1. 〈吉岡実言及書名・作品名索引〉には、吉岡実が執筆した詩篇・散文に登場する自他の作品(図書を「言及書」、個個の作品を「言及作品」と呼ぶ)を、後述する底本における吉岡の記載を項目として五十音順に――その際、目視による検索の便を考えて、「定本」「新版」などの冠称はないものとして、原本に続けて――並べ、底本の略記号・掲載ノンブルを掲げた。読者はこの索引をたどることで、吉岡実の原文に遡ることができる。
  2. 〈吉岡実言及書名・作品名索引〉の「言及書名」と「言及作品名」にリンクを張って該当図書を解題したのが、後半の〈吉岡実言及書名・作品名索引 解題〉である。本体の〈索引〉と区別するために、小字で表示した。編者の責任で資料を特定した「言及書名」と「言及作品名」を収録した書名は太字で表示した。また、未詳・未見・存疑などの理由で特定できなかった資料は、その旨を註記した。読者はこの解題をたどることで、吉岡実が実際に手にし、目にした(であろう)図書や作品に触れることができる。

細則

  1. 対象:〈吉岡実言及書名・作品名索引〉は、吉岡実が執筆した全詩篇と散文著書・未刊行散文等で言及した書名・文学作品名を対象とした。また、吉岡が引用した文中に現われる書名や作品名も同列に扱った。
  2. 底本:各詩篇・散文の底本を次に掲げる。出典の表示の仕方だが、掲載ノンブル前の資料名は、次項〈吉岡実簡略書誌〉行頭の数字・アルファベットで略記した。すなわち「〈宮沢賢治全集〉……S63」は「〈宮沢賢治全集〉」が《「死児」という絵》の六三ページに記載されていることを表わし、「〈葉〉〔198〕……S45, Se27, YS21」は吉岡実の詩篇〈葉〉(〔 〕内に拙編《吉岡実全詩篇標題索引〔改訂第2版〕》(文藝空間、2000)の詩篇番号を付記した)の標題が《「死児」という絵》の四五ページ、《「死児」という絵〔増補版〕》の二七ページ、《吉岡実散文抄》の二一ページに記載されていることを表す。なお、底本の詳細な書誌は《吉岡実書誌》を参照されたい。
    1. 詩篇の底本
      (8)《吉岡実全詩集》(筑摩書房、1996年3月25日)
    2. 散文著書等の底本
      S 《「死児」という絵》(思潮社、1980年7月1日)
      H 《土方巽頌》(筑摩書房、1987年9月30日)
      Se 《「死児」という絵〔増補版〕》(筑摩書房、1988年9月25日)
      U 《うまやはし日記》(書肆山田、1990年4月15日)
      YS 《吉岡実散文抄》(思潮社、2006年3月1日)
    3. 上記2. の散文著書等以外で本索引の対象とした文章の底本
      小林一郎編《吉岡実未刊行散文集》掲載のもの〔未刊。略記号はM
  3. 表記: 項目見出しに吉岡実の記述のまま(引用符も含めて)採ったため、今日では見なれない表記もあるが、校訂しなかった(引用符の《 》は『 』と、〈 〉は「 」と同一とみなし、項目見出しでもそのように扱った)。ただし、明らかな誤記・誤植と思われる箇所は訂正し、その旨を註記した。同じ書名や作品名で作者が異なる場合は、( )内に作者名を補記した。
  4. 参考図書:吉岡実が手にした刊本(さらにはその版や刷)は、一部の限定版などを除くと、底本の記述からだけでは特定できないものがほとんどである。刊本を実見できなかった場合は、国立国会図書館(NDL)の書誌情報NDL-OPAC(当時)をはじめ、各種の出版目録・所蔵目録・関連書誌・文学辞典および各作者の全集等に依って記載したが、煩瑣を避けるため個個の典拠は表示しない。
  5. 作者名:〈吉岡実言及書名・作品名索引 解題〉には、索引の対象となった書物・作品の作者名を見出しに立てて、その下に書名を五十音順に並べた。作者名は標準的と思われる表記で掲げ、併せてその読み(カタカナ表記の人名は欧文綴り)と生歿年を付記した。古典その他で作者名を立項できない場合は、書名・文学作品名を見出しとして立てた。
  6. 書名:書名はNDL-OPACと照合して、NDL所蔵の図書は原則、それを記載し、〔 〕内にその請求記号を掲げた。前掲の「〈宮沢賢治全集〉」の解題を例にとれば、NDL-OPACに一部ならって《校本宮沢賢治全集〔全14巻〕》が本来の表記だが、本サイトの他ページにおける編者のそれに合わせて《校本 宮澤賢治全集〔全14巻〕》などと表示したものがある。
  7. 冠称:冠称はジャンルを中心に付記したが、吉岡実執筆の本文から採択したものも多い。

吉岡実簡略書誌

再刊や特装版は除いて、発行順に略記号・書名(《吉岡実書誌》の〈T 著書目録〉と〈U 編纂書目録〉が参照できるよう、リンクを張った)・発行年月日・発行所名を掲げた。2006年3月末現在、オリジナルな資料は著書・被翻訳書が33タイトル、編纂書が7タイトルである。

著書・被翻訳書

@ 昏睡季節 1940年10月10日 草蝉舎
A 液体 1941年12月10日 草蝉舎
B 静物 1955年8月20日 私家版
C 僧侶 1958年11月20日 書肆ユリイカ
G 魚藍 1959年5月9日 私家版
(1) 吉岡實詩集 1959年8月10日 書肆ユリイカ
D 紡錘形 1962年9月9日 草蝉舎
(2) 吉岡実詩集 1967年10月1日 思潮社
E 静かな家 1968年7月23日 思潮社
(3) 吉岡実詩集 1968年9月1日 思潮社
I 異霊祭 1974年4月25日 書肆山田
F 神秘的な時代の詩 1974年10月20日 湯川書房
L Lilac Garden 1976年〔春か〕 Chicago Review Press
G サフラン摘み 1976年9月30日 青土社
(4) 新選吉岡実詩集 1978年6月15日 思潮社
H 夏の宴 1979年10月30日 青土社
I ポール・クレーの食卓 1980年5月9日 書肆山田
S 「死児」という絵 1980年7月1日 思潮社
J 薬玉 1983年10月20日 書肆山田
(5) 吉岡実 1984年1月20日 中央公論社
C Celebration In Darkness 1985年〔1月か〕 Oakland University
H 土方巽頌 1987年9月30日 筑摩書房
Se 「死児」という絵〔増補版〕 1988年9月25日 筑摩書房
K ムーンドロップ 1988年11月25日 書肆山田
U うまやはし日記 1990年4月15日 書肆山田
(6) 現代詩読本・吉岡実 1991年4月15日 思潮社
Ku Kusudama 1991年〔12月1日か〕 FACT International
(7) 続・吉岡実詩集 1995年6月10日 思潮社
(8) 吉岡実全詩集 1996年3月25日 筑摩書房
W 私のうしろを犬が歩いていた 1996年11月30日 書肆山田
L 赤鴉 2002年5月31日 弧木洞
Y 奴草 2003年4月15日 書肆山田
YS 吉岡実散文抄 2006年3月1日 思潮社

編纂書

K 耕衣百句 1976年6月21日 コーベブックス
Ha 花狩〔共編〕 1976年10月25日 コーベブックス
GZ 現代俳句全集〔共編〕 1977年9月-1978年3月 立風書房
KG 鑑賞現代俳句全集〔共編〕 1980年5月-1981年4月 立風書房
GA 現代俳句案内〔共編〕 1985年2月10日 立風書房
T 高柳重信全集〔共編〕 1985年7月-8月 立風書房
B 美貌の青空〔共編〕 1987年1月21日 筑摩書房


〔2006年4月30日付記〕

《吉岡実言及書名・作品名索引〔解題付〕》は、調査・執筆・制作(動作確認)に相当の作業時間を要するため、完成した状態で一気にアップロードすることができない。作業の進捗状況を示すべく、以下に現時点で索引化が終了して掲載ずみの各底本を略号とともに掲げる。今後改稿すべき〈解題〉の記述(★印等)も散見するが、順次調査・究明していくのでご了解いただきたい。
〈解題〉中の「☆未見」は、覆刻版などの複製で閲覧したため「原本は未見」であることを表す。


〔2021年5月31日付記〕

《吉岡実言及書名・作品名索引〔解題付〕》は常時、メンテナンスしているわけではない。このため、近年亡くなった作者の歿年が記されていなかったり、参照すべき記事のリンクが張られていなかったり、図録をめぐる記載が正確でなかったり、といった点が目立つようになった。2021年3月、たまたま入手したジョルジュ・サンドの田園小説《笛師のむれ》を読んだのは、このページの同書の解題に「★未見」とあったからだ(〈ジョルジュ・サンドの田園小説《笛師のむれ》のこと〉参照)。つまり、《吉岡実言及書名・作品名索引〔解題付〕》のその項の解題を改めるために、同書を読んだようなものである。これを奇貨として、解題部分を大大的に見直したのが今回の作業だが、あいかわらず「★未見」が数多く残っている。未読本がこれだけあるということは、これから読むべき本には困らない、ということでもある。金井美恵子は「吉岡さんとはその後もずっと親交がありましたが、詩や小説の話をすることはほとんどなくて、どんな展覧会を最近見たとか、唐十郎の芝居のこととか、そんな話ばかりでしたね。吉岡さんはあまり本を読まない人でしたが、〔……〕。」(インタビュー記事〈私の実在を保証してくれた吉岡実――私が出会った文豪たち〉、《文學界》2021年2月〔創刊一〇〇〇号記念特大号〕、四四ページ)と語っているが、どうしてどうして、私からすれば気が遠くなるほどたくさんの本を読んだ詩人・装丁家だった。

2021年4月から5月にかけての修正で用いた途中ゲラ(た行のページ) 2021年4月から5月にかけての修正作業で用いた途中ゲラ(た行のページ)
2021年4月から5月にかけての修正作業で用いた途中ゲラ(た行のページ)。赤字やマーカーでの記入、修正部分の切り貼り、さらなる加筆が見られる。〔図は高解像度版(左)と低解像度版(右)〕

〔2006年4月30日付記〕にあるとおり、吉岡実が刊行したすべての詩篇と散文(随想・評伝・日記)の索引化は2006年の時点で完了している。だが、〈凡例〉の「細則2. 3.」に挙げた「小林一郎編《吉岡実未刊行散文集》掲載のもの〔未刊。略記号はM〕」の索引化が未着手だ。これは、底本になるべき資料がいまだに印刷物として公刊されていないため、編者が作業を見あわせているからである(同資料が《吉岡実未刊行散文集》もしくは《吉岡実全集》の〈未刊行散文〉として公刊される日を待ちたい)。書名や作品名はともかく、掲載ノンブルを特定することができない。もちろん、ノンブルを挙げずに《吉岡実言及書名・作品名索引〔解題付〕》を増補するという手もあり得るが――しかし、掲載ページを挙げない「索引」など存在するものか――、解題部分を大幅に手直しする必要が生じるだけに、残念ながら軽軽にはなしえない(どうせなら、前出〈吉岡実アルバム1919〜1990〉に見えるナボコフ《ロリータ》(新潮文庫)やフォークナー《響きと怒り》(講談社文庫)も、別枠で入れたい)。他日を期すことにしよう。

いい機会だから、解題にすでにある「ナボコフ」の項に《ロリータ》を書きたして、後日に備えておく。ただし、本索引〔解題付〕の対象外の書名・作品名を扱ったダミー記事だから、索引のリンクもダミーである(並字が索引、小字が解題)。

ロリータ……(6)〔モノクロ口絵〕〈吉岡実アルバム〉〔1〕

ナボコフ(Nabokov, Vladimir Vladimirovich、1899-1977)
  1. 《ボルヘス ナボコフ〔筑摩世界文學大系〕》(筑摩書房、1984年7月5日)
    ウラジーミル・ナボコフの長篇小説《青白い炎》(富士川義之訳)、〈ナボコフ年譜〉ほかを収める。吉岡は〈ムーンドロップ〉(K・10)で「*題名と若干の章句をナボコフ『青白い炎』(富士川義之訳)から借用。」と書いている。吉岡の歿後だが、富士川義之訳《青白い炎〔ちくま文庫〕》(筑摩書房、2003年11月10日)〔KS165-H11〕がある。(〈吉岡実とナボコフ〉参照)
  2. 《ロリータ〔新潮文庫〕》(新潮社、1980年4月25日)
    ウラジーミル・ナボコフの長篇小説。大久保康雄(1905-1987)訳。本書には訳者〈解説〉のあと丸丸1ページを使って「この作品は昭和三十四年二月河出書房新社より刊行された。」とクレジットがあるが、諸資料に拠れば新潮文庫版は河出書房新社版(「大久保工房」の別人が訳した)の大久保本人による全面的な改訳である。金井美恵子は〈吉岡実とあう――人・語・物〉で吉岡の発言として「ナボコフ? ああ、『ロリータ』ね。前に一度読みかけたけれど、あれは訳文がとんでもない悪文だろ?」(《吉岡実〔現代の詩人1〕》、中央公論社、1984年1月20日、二一七ページ)と書いている。訳文に対する吉岡の評価には河出書房新社版を批判した丸谷才一の見解が影響しているかもしれない。(〈吉岡実とナボコフ〉参照)


吉岡実言及書名・作品名索引

アルファベット

                            

                        

アルファベット

《Ambarvalia》……S318, S319, Se222, Se223, YS130, YS131
〈Fishing〉……S272, Se192
《next》……S297, Se211
〈NUL〉……S118〔全文引用〕, Se78〔全文引用〕, YS60〔全文引用〕
『O氏の肖像』の記念冊子……H32
『O嬢の物語』……Se357, Se358
《S・ベケット》……S125〔部分引用〕, Se84〔部分引用〕, YS77〔部分引用〕
〈VIN〉……S118〔全文引用〕, Se78〔全文引用〕, YS60〔全文引用〕

「哀歌」〔3〕……Se297〔部分引用〕, YS73〔部分引用〕
『愛日遺藁』……Se258, U39
〈愛の生活〉……S273, S274, S277, Se193, Se194, Se196
青い柱はどこにあるか?〔4〕……H3〔全文引用〕, H6
『青い花』……U103
『青白い炎』……(8)673
『青彌撒』……Se316〔2句引用〕, YS121〔2句引用〕
『暁の寺』……H45
《赤土の家》……S305
『赤と黒』……Se257, U39, U135, U137
〈秋〉〔6〕……S123〔全文引用〕, Se82〔全文引用〕, YS65〔全文引用〕
〈秋〉(リルケ)……S127〔全文引用〕, Se85〔全文引用〕
『阿Q正伝』……Se273
『悪霊』……S151〔8句引用〕, S158, Se102〔8句引用〕, Se108, Se311〔1句引用〕, YS105〔8句引用〕, YS112
『槿』……Se347
『仇ごころ』……U36
《新しい地理教室》……S299, Se212, YS125
「あとがき」(大岡信)……S294〔部分引用〕, Se208〔部分引用〕
「あとがき」(木下夕爾)……S312, Se216
「あとがき」(吉岡実)……Se369〔全文引用〕
『アドルフ』……U47
阿部青鞋句集……S23, Se12
〈あまがつ頌〉〔17〕……S178〔1句引用〕, Se123〔1句引用〕, H88〔全文引用〕
『あむばるわりあ』……S26, S88, S318, S319, Se14, Se57, Se222, Se223, YS35, YS130, YS131
《あらたま》……S103〔3首引用〕, Se67〔3首引用〕, YS44〔3首引用〕
アラビアンナイト……S79, Se49, YS27
〈アリス詩篇〉〔20、276ほか〕……S124, Se83, YS76
「或る朝」……S87, Se56, YS34
「暗星系」……S308
『アンドレ・ワルテルの手記及詩』……Se264, U72
『あんま』……H29, YS169
『暗夜行路』……U38
「アンリの扉」……S258

『十六夜日記』……U80
『石川啄木』……S208〔8首引用〕, Se146〔8首引用〕, YS97〔8首引用〕
〈石と魚〉=猟人日記=……S309〔部分引用〕
《一握の砂》……S208, S209, Se146, YS97
『一青年の告白』……U80
《一葉全集》……S248, S250, Se176, Se177
『一葉の日記』……S250, Se177
《一路》……S218, Se153
「一路平安」……S258
『一茶俳句集』……Se252, Se257, U19, U37
『一寸法師』……S86, Se55, YS33
「五浦行」……S292〔部分引用〕, S294, Se207〔部分引用〕, Se208
〈田舎の食卓〉……S313〔全文引用〕, Se217〔全文引用〕
《田舎の食卓》……S312, Se217
『犬の静脈に嫉妬することから』……H102, H153
「衣鉢」〔27〕……S106, Se70, YS49
『陰獣』……S86, Se55, YS33

『魚河岸ものがたり』……H210
「唄入り神化論」……Se327〔部分引用〕, Se329
〈うたげと孤心〉……S297, Se211
《烏宙論》……S185〔16句引用〕, Se129〔16句引用〕, Se130
《美しい日々》……S230, Se162, Se163
《馬・春の絵》……S203
『うまやはし日記』……U143
《生れた家》……S312, S314, Se217, Se219
《海の聖母》……S306, S307
「海彦山彦」……S87, Se56, YS34

《液体》……S90, S103, S110, S112, S115, S116, S121, S122, S199, S344, Se58, Se68, Se72, Se73, Se74, Se76, Se77, Se81, Se140, Se284, Se285, Se287, Se369, YS37, YS46, YS52, YS54, YS56, YS57, YS58, YS64, YS66, YS67
『液体』(復刻版)……H102
《えくとぷらすま》……S280, Se198, Se327
《えてるにたす》……S340〔部分引用〕, Se238〔部分引用〕, YS151〔部分引用〕
〈遠耳父母〉……S183〔2句引用〕, Se127〔2句引用〕
『円錐詩集』……S118, Se79, YS60
《遠星》……S165, Se113
《エンゼル・アワー》……S231, Se163
《炎晝》……S165, Se113
「円筒の内側」〔41〕……Se286〔部分引用〕, YS69〔部分引用〕
《閻浮提考》……S190〔5句引用〕, Se133〔5句引用〕
《遠雷》……S312, Se216

『追つめられた男』……U20
『黄金仮面』……S86, Se55, YS33
《大岡信詩集》……S291, Se206
《岡井隆歌集》……S204〔14首引用〕, Se143〔14首引用〕
《岡倉天心》……S293, S294, Se208
「おかめ笹」……S87, Se56, Se260, U53, YS34
『男ごころ』……U92
《思ひ出》……S101, Se66, YS44
〈終り始めるところから始まる〉……S270, Se190
『婦系図』……Se269
『女の学校』……U76
『女の学校・ロベエル』……U86

《蛾》……S304
解説(衛藤駿)〔出典不詳〕……Se344〔部分引用〕
解説(大岡信)……Se332〔部分引用〕
解説(鍵谷幸信)……Se301〔部分引用〕
解説(五島茂)……S217〔部分引用〕, Se152〔部分引用〕
解説(佐藤春夫)……Se273〔部分引用〕
解説(鈴木豊)……Se358〔部分引用〕
解説(山本健吉)……S208〔部分引用〕, Se146〔部分引用〕, YS97〔部分引用〕
〈回想の俳句〉……S311, Se216
「回転する記号」……Se367
「飼鳥の本」……S53, Se34
『貝類学の手引』……(8)379
〈鏡の国のアリス〉……(8)340
「赤黄男の沖」……S162〔部分引用〕, Se110〔部分引用〕, YS115〔部分引用〕
『加古』……S153, Se104, YS107
〈過去〉〔50〕……S167〔部分引用〕, S301〔部分引用〕, Se114〔部分引用〕, Se213〔部分引用〕, YS127〔部分引用〕
『風立ちぬ』……U53
葛飾閑吟集……S100, S101〔3首引用〕, Se66, Se67〔3首引用〕, Se301〔3首引用〕, YS43, YS44〔3首引用〕
『河童』……U30
『装飾楽句』……Se340〔4首引用〕
《悲しき玩具》……S208, S209, Se146, Se271〔1首引用〕, YS97, YS98
『仮名手本忠臣蔵』……U55
『蟹工船』……Se252, U16
《彼女の薫る肉体》……S291, Se206, H102
『鎌鼬』……H14, H15
『ガミアニ』……Se355
(神々の黄昏)……Se246〔部分引用〕, YS161〔部分引用〕
『神々は渇く』……Se260, U55
『仮面の告白』……H45
「鴨」……S258
「鴎」……S258
「雁」……S87, Se56, Se271, YS34
『閑吟集』……U80
「鹹湖」……S258
『鹹湖』……S258, S298, Se212, YS124
『カンデード』……Se261, U59

『記憶の絵』……Se350
「機械」……S87, Se56, U53, YS34
「帰還」……S289, Se205
『危機に立つ肉体』……H239, YS179
「喜劇」〔64〕……S106, Se70, YS49
『北原白秋詩歌集』……Se304
『北原白秋詩集』……Se300, Se304
『北ホテル』……U27
《木下利玄全歌集》……S217〔15首引用〕, Se152〔15首引用〕
『奇妙な幕間狂言』……Se261
『きもの』……U20
《球體感覺》……S280, Se198, Se327
旧約聖書『レビ記』……H42
《魚歌》(斎藤史)……S224〔8首引用〕, S225, Se157〔8首引用〕, Se158, Se159
〈魚歌〉(吉田一穂)……S308〔全文引用〕, S309
『歔欷』……U103
『魚藍』……S87, S98〔14首引用〕, S112, S121, S344, Se57, Se64〔14首引用〕, Se74, Se81, Se302〔2首引用〕, Se369, YS34, YS41〔14首引用〕, YS54, YS63
《雲母集》……S100, S101〔4首引用〕, Se66, Se67〔4首引用〕, YS43, YS44〔4首引用〕
《桐の花》……S100, S101〔5首引用〕, S217, Se66〔5首引用〕, Se302〔3首引用〕, YS43, YS44〔5首引用〕
《銀》……S216, Se152
『金槐和歌集』……U95
「金柑譚」〔73〕……H111〔部分引用〕
『金枝篇』……Se305, (8)619
〈金属の縞のある少年と手術室の黄色い環〉……S118〔全文引用〕, Se78〔全文引用〕, YS60〔全文引用〕
『近代劇十二講』……U39
(近代の寓話)……Se240〔部分引用〕, YS154〔部分引用〕
《近代の寓話》……S327, Se229, YS139

〈苦力〉〔75〕……S134〔全文引用〕, S136, S137, Se90〔全文引用〕, Se92, YS82〔全文引用〕, YS85, YS86
《草野心平全集》……S336, Se235, YS147
『孔雀船』……U53
『薬玉』……Se295, Se297, Se299, Se305, Se347, H159, H162, H166, (8)729, YS70, YS73, YS75
私家用本『薬玉』……H173
『靴の音』……Se348
《暗い流れ》……S247, S252, Se174, Se179
『クレーヴの奥方』……U25
《くれなゐ》……S220〔8首引用〕, S224, Se155〔8首引用〕, Se158, Se340〔1首引用〕
《クレランバール》……S125, Se83, YS77
『クロイドン発十二時三十分』……Se350
『黒い福音』……Se275
《黒彌撒》……S300, S301, Se213, Se315, Se316, Se317, Se322, YS120, YS122, YS126

《形而情学》……S226, Se160, H8, YS163
《激浪》……S165, Se113
『月下の一群』……Se255
『乾坤』……Se324
「献辞」……Se324〔部分引用〕
『原生林』……Se257
《現代詩講座》……S301, Se213, YS127
『現代俳句全集』……Se125, Se338
《献呈詩集》……S291, Se206

《古泉千樫歌集》……S214〔5首引用〕, Se150〔5首引用〕
『耕衣百句』……S153〔部分引用〕, S154, Se104〔部分引用〕, Se105, YS107〔部分引用〕, YS108
《黄旗》……S165, Se113
《紅玉》……S217, Se153
『講談全集』……S85, Se55, YS32
『高野聖』……Se269
『降霊館死学』……H130
「声」……S289, Se205
「故園の書」……S308
《故園の書》……S306, S308, S309, S310
《こがね蟲》……S305
「告白」〔89〕……S106, Se70, YS49
「心」……S87, Se56, U20, YS34
『古事記』……Se305
『古事記』(益田勝実)……H166
『虎嘯記』……Se324〔3句引用〕
《胡蝶夢》……S223, Se157
『孤島の鬼』……S86, Se55, YS33
《ゴドーを待ちながら》……S124, S125, Se83, Se84, YS76, YS77
〈この海〉……S270〔部分引用〕, Se191〔部分引用〕
《ゴヤのファースト・ネームは》……S70, Se42, Se279, Se280
『コンゴー紀行』……Se254, U25
『金色夜叉』……U41
『今昔』……Se339
〈昏睡季節2〉〔99〕……S115〔全文引用〕, Se76〔全文引用〕, YS57〔全文引用〕
《昏睡季節》……S112, S113, S115, S121, S122, S314, S344, Se74, Se75, Se76, Se81, Se218, Se284〔2首引用〕, Se285, Se286, Se369, YS54, YS55, YS57, YS63, YS66〔2首引用〕, YS67, YS68
『昆虫放談』……S28, Se16
〈今日の詩人双書〉(大岡信)……S290, Se206
〈今日の詩人叢書〉(吉岡実)……S298, Se211, YS124
《今晩は荒模様》……S265, S269, Se187, Se190

〈菜園の妖術〉……S341〔部分引用〕, Se238〔部分引用〕, YS151〔部分引用〕
『歳華集』……Se332
「最終講義」……Se300〔部分引用〕
〈罪囚植民地〉……S181〔1句引用〕, S182〔1句引用〕, Se126〔2句引用〕
《斎藤史全歌集》……S224, Se158
サイレント・あるいは鮭〔103〕……H79〔全文引用〕
「坂崎出羽守」……S87, Se56, YS34
《佐川ちか詩集》……S102
《左川ちか詩集》……Se67, Se262, U62, YS45
《作家たち》……S248, Se176
『殺祖』……Se312〔1句引用、部分引用〕
『殺佛』……S158, Se108, Se312〔2句引用〕, YS112
《佐藤春夫詩鈔》……S100, Se66, YS43
「サフラン摘み」〔105〕……Se281〔部分引用〕
《サフラン摘み》……S178, S231, S345, Se123, Se163, Se280, Se292, Se369
《鮫》……S304
「さわる」……S289, S290〔部分引用〕, Se205〔部分引用〕
『山家集』……U84, U85, U87

《詩学》……S329, Se230, (8)614, YS141
『志賀直哉集』……S86, Se56, YS33
『時間と永遠』……H77
『指揮官夫人と其娘達』……Se355
「重信と弟子」……H193
『地獄の一季節』……U56
『地獄の季節』……S122, Se81, YS64
「仕事」〔111〕……S106, Se70, YS49
「死児」〔112〕……S106, S107, S108〔部分引用〕, S109, S111, Se69, Se70, Se71〔部分引用〕, Se72, Se73, YS49, YS50, YS51〔部分引用〕, YS53
『「死児」という絵』……Se245, Se369, YS159
使者〔113〕……H97〔全文引用〕
「詩集・ノオト」……S298〔部分引用〕, Se211〔部分引用〕, YS124〔部分引用〕
《詩人たち―ユリイカ抄》……S105, Se69, YS48
「詩人の死」……S289, Se205
「静かな家」〔114〕……H74〔部分引用〕
『静かな家』……H21, H22
《七曜》……S165, Se113
「自伝抄」……S240, Se170
「死に関する詩的デッサンの試み」……S289, Se205
「死にたまふ母」……Se311
『脂肪の塊』……U34
「島」〔118〕……S106, Se70, YS49
《邪宗門》……S101, Se66, YS44
《赤光》……S103〔1首引用〕, S217, Se67〔1首引用〕, Se152, YS45〔1首引用〕
「上海のための習作二つ」……S258
《囚人》……S285, Se201, H36
「醜聞」……S258
『終末領』……Se327
「呪婚歌」〔122〕……S106, Se70, YS49
『ジュリアンの青春』……Se355
「春琴抄」……S87, Se56, YS34
《じゅんさいとすずき》……S327, Se229, YS139
「序 五浦行」……S294, Se208
(穣歌U)…………Se244〔部分引用〕, YS159〔部分引用〕
《壌歌》……S330, Se231, Se242, Se244, YS141, YS156, YS159
『小学生全集』(興文社)……S85, Se55, YS32
《小学生全集》(筑摩書房)……S248, Se175
「少女」〔129〕……Se333〔部分引用〕
〈少年〉……S307〔全文引用〕, S308
〈少年思慕調〉……S307
〈ジョオの想い出〉……S272, Se192
『女教師の記録』……U134
《植物祭》……S221, Se155, Se156
序文……S185〔部分引用〕, Se129〔部分引用〕
『白鷺』……Se269
「白」……Se367
《白のアルバム》……S102, S119, Se67, Se79, YS45, YS61
『城の中のイギリス人』……Se358〔部分引用〕
『箴言集』……Se256, U34, U56
『新心理主義文学』……U42
「神秘的な時代の詩」〔137〕……H24, YS166
《神秘的な時代の詩》……S337, S344, Se236, Se280, Se332, Se369, YS148
『真風』……S151, Se103, YS105
「深夜」……S215, Se151
《人類》……S340, S341, Se238, Se239, Se242, YS151, YS152, YS156
『親和力』……S88, S143, Se57, Se97, Se287, YS35, YS37, YS90

《水勢》……S304
『水葬物語』……Se340, Se341
《水墨集》……S101, Se66, YS44
『吹毛集』…… S89〔1句引用〕, S148〔10句引用〕, S149, S155〔5句引用〕, S158〔2句引用〕, Se58〔1句引用〕, Se100〔10句引用〕, Se106〔5句引用〕, Se107〔2句引用〕, Se310〔3句引用〕, YS36〔1句引用〕, YS102〔10句引用〕, YS103, YS109〔5句引用〕, YS111〔2句引用〕
『水妖詞館』……Se320
〈蜾蠃鈔〉……S121, Se81, YS63
『蜾蠃抄』……U74
《雀の卵》……S100, S101, Se66, Se67, YS43, YS44

聖あんま語彙篇〔142〕……H63〔全文引用〕, H214
「聖あんま断腸詩篇」〔143〕……H215, H217〔全文引用〕, H239, YS178
『聖家族』……U69
〈青幻記〉……S277, Se196
《青女》……S165, Se113
『齋唱』……Se341
「聖少女」〔147〕……Se359〔部分引用〕
「聖童子譚」〔150〕……H174
〈聖なる淫者の季節〉……S272, Se192, Se364〔部分引用〕
『青年経』……Se324
〈静物〉〔151〕……S117〔全文引用〕, Se78〔全文引用〕, YS59〔全文引用〕
(静物)〔153〕……Se289〔全文引用〕, YS40〔全文引用〕
《静物》……S74, S90, S92, S103, S106, S110, S111, S149, S248, S298, S301, S329, Se45, Se58, Se60, Se68, Se70, Se73, Se101, Se176, Se212, Se213, Se230, Se288, YS11, YS39, YS46, YS49, YS52, YS53, YS103, YS124, YS127, YS140
『世界映画名作全史―戦前篇』……S30, Se17
「絶対への接吻」……H138
『窄き門』……Se260, U54
「蝉」……U37
《山海集》……S179〔2句引用〕, S183〔1句引用〕, S184〔2句引用〕, Se124〔2句引用〕, Se127〔1句引用〕, Se128〔2句引用〕, Se322〔1句引用〕
『1954・5詩集』……H102
全詩集上下二巻……S297, Se211
『千夜一夜物語』……S86, Se56, YS33
《前略十年》……S175〔5句引用〕, Se121〔5句引用〕, Se319〔8句引用〕

『僧の婚礼』……Se258, U40
《走馬燈》……S201, Se142
「僧侶」〔160〕……S106, S111, S179, Se69, Se70, Se73, Se124, H78, YS49, YS53
《僧侶》……S90, S94, S103, S111, S150, S226, S287, S315, Se58, Se62, Se68, Se73, Se102, Se160, Se203, Se219, Se322, H8, YS46, YS53, YS104, YS163
『その妹』……U30
ゾンネンシュターン〔……〕展覧会目録……(8)399

《大腐爛頌》……S305
《瀧口修造全集》……S317, Se221
「啄木かるた」……U76
《田尻春夢全句集》……S201〔9句引用〕, Se141〔9句引用〕
〈他人の空〉……S300〔全文引用〕, Se213〔全文引用〕, YS126〔全文引用〕
《他人の空》……S299, S300, S301, Se212, Se213, Se315, YS120, YS125, YS126
『旅人かへらず』……S26, S88, S318, S319, Se14, Se57, Se222, YS35, YS130, YS131
《卵のふる町》……S272, Se192
『樽』……Se350
〈誕生〉〔169〕……S116〔全文引用〕, Se77〔全文引用〕, YS58〔全文引用〕

『地上』……U36
『父の帽子』……Se348
『稚年記』……Se331〔4句引用〕
『地平の彼方』……U65
《地名論》……S291, Se206
〈中央アジア探検記より〉……(8)740
『長濤』……Se336

《月に吠える》……S222, Se156
『椿姫』……U110

「手紙にかへて」……S112〔全文引用〕, Se74〔全文引用〕, YS54〔全文引用〕
『弟子』(ブールジェ)……U51
〈弟子〉〔177〕……S337, Se236, YS148
《手づくり諺集》……S317, Se221
『田園交響楽』……Se252, U19
〈天国の夏〉……S323〔部分引用〕, Se226〔部分引用〕, Se247〔部分引用〕, YS135〔部分引用〕, YS162〔部分引用〕
「伝説」……S258
「転調するラヴ・ソング」……S289, Se205
《天の狼》……S161, Se110, Se322, YS114
改訂版《天の狼》……S161, Se110, YS114

『陶淵明集』……U80
『闘牛鑑』……H42
《凍港》……S165, S167, Se113, Se115
『骰子一擲』……Se367
《透視図法――夏のための》……S291, Se206
『唐詩選』……U80
「同志の人々」……S87, Se56, YS34
『動と静のリズム』……H126〔埴谷雄高自身が部分引用〕
『遠野物語』……Se305
『童謡集』……U97
《戸隠の絵本》……S224, Se158
溶ける花〔184〕……S90〔全文引用〕, Se59〔全文引用〕
《土地よ、痛みを負え》……S204, Se143, Se340, Se341〔4首引用〕
『トパース』……Se253, U22
「富岡鉄斎展」図録……H195
富澤赤黄男の全句集……S171, Se118
《富田木歩全集》……S194〔2句引用〕, Se135〔2句引用〕
『ドミニック』……Se253, Se273, U22
《虎の遊戯》……S272, Se192
『ドリアン・グレイの画像』……Se260, U55
『トルー・ラブ』……Se355
『ドルヂェル伯の舞踏会』……U36
《泥棒たちの舞踏会》……S124, Se83, YS76
《十和田湖》……S248, Se176
「どん底」……S100, Se66, YS43
『鈍翁・益田孝』……Se344

《内科書》全三巻本……S65, Se39
『永田耕衣句集』……S151, Se103, YS105
『長塚節歌集』……U91, U93
《流灌頂》……S191〔6句引用〕, Se134〔6句引用〕
〈夏〉〔188〕……S120〔全文引用〕, Se80〔全文引用〕, YS62〔全文引用〕
〔189〕……S95〔部分引用〕, Se62〔部分引用〕
〈夏の宴〉〔192〕……S338, S339〔部分引用〕, Se236, Se237〔部分引用〕, Se285〔部分引用〕, YS67〔部分引用〕, YS148, YS150〔部分引用〕
《夏の宴》……S209, S342, Se147, Se239, Se240, Se285, Se286, Se292, YS67, YS68, YS98, YS152, YS153
『夏の淵』……H161
『ナナ』……Se258, U40, U41
「波」……S87, Se56, U68, YS34
「波よ永遠に止れ」〔194〕……S106, Se70, YS49
『南北戦争』……Se355, Se357

《西脇順三郎詩集》……S318, Se222, YS130
《西脇順三郎全詩集》……S319, Se223, YS131
『定本西脇順三郎全詩集』……Se242, YS155
「贋金つくり」……S88, Se253, U20
『日輪』……U60
『日記』……Se281
〈にぶい心〉……S263, Se186
『日本海軍』……Se315〔1句引用〕, YS119〔1句引用〕
「日本海軍・補遺」(その三)……Se318〔1句引用〕, YS123〔1句引用〕
『日本語のカタログ』……Se347
『日本霊異記』……H177, H222, (8)679
「雞」〔195〕……Se297, YS73
『人形愛』……H197
『人形写真集』……H54
『人形の家』……Se254, U24
《人間》……S340, Se238, YS151
《人間の悲劇》……S304

〈ねじ式〉……S230, Se162, H43
〈鯰笑図〉……S156〔全句引用〕, Se106〔全句引用〕, YS110〔全句引用〕

〈野〉……S315〔全文引用〕, Se219〔全文引用〕
『野づかさ』……Se257, U35
『野原の郭公』……Se256, U31
「野原の夢」……Se301〔部分引用〕
『蚤の浮かれ噺』……Se355

〈葉〉〔198〕……S45, Se27, YS21
『梅華』……Se311
『俳諧七部集』……U53
俳句歳時記……Se258, U47
《稗子伝》
……S308
『背徳者』……U74
《萩原朔太郎》……S334, Se234, YS145
《伯爵領》……S174〔3句引用〕, Se120〔3句引用〕
『白秋小唄集』……U68
『白秋詩抄』……Se304
『白秋抒情詩抄』……Se304
〈白昼消息〉〔201〕……S121〔全文引用〕, Se80〔全文引用〕, YS63〔全文引用〕
〈白鳥〉……S309
《白鳳》……S221, Se155, Se156
「薄荷」〔202〕……H179
〈ハドソン川のそば〉……S265〔部分引用〕, S272, Se187〔部分引用〕, Se192
『花樫』……S87, S100, S103, S143〔15首引用〕, S146, Se56, Se66, Se68, Se97〔15首引用〕, Se99, Se256, U31, YS34, YS43, YS46, YS90〔15首引用〕, YS93
《花狩》……S179, Se124
《花の宴》……S224, Se158
「花のノートルダム」……H127
『母』……U37
《バラの刺青》……S124, Se83, YS76
「薔薇篇」……S308
〈春〉〔207〕……S120〔全文引用〕, Se79〔全文引用〕, YS62〔全文引用〕
『春夫詩鈔』……S87, Se56, U47, YS34
『バルカン戦争』……Se355
『春の岬』……Se257, Se303, U35, U37
『パルムの僧院』……Se273
《晩刻》……S165, Se113
燔祭……H42
『半七捕物帳』……S86, Se55, YS33
『氾人』……Se324
「ハンス・ベルメール断章」……Se359〔部分引用〕
〈坂東〉……S179, Se124
〈ハンプティに語りかける言葉についての思いめぐらし〉……S274〔全文引用〕, Se194〔全文引用〕

「稗の穂」……S216, Se151
《悲歌と祝祷》……S291, Se206
『土方巽写真集』……H214
『土方巽頌』……H241, YS180
《非情》……S304
〈飛騨〉……S179, Se124
《ひたくれなゐ》……S223, S224, Se157, Se158
『海星・河童』……H113
「日々の憩い」……Se348
〈微風〉〔220〕……S117〔全文引用〕, Se77〔全文引用〕, YS59〔全文引用〕
《非佛》……S158, Se108, YS112
『美貌の青空』……H240, YS179, YS180
『百戸の谿』……Se339〔2句引用〕
「百人一首」……H187
『昼顔』……Se258, U42

「プアプア詩篇」……Se363〔部分引用〕
〈風景画〉……S172, Se118
『笛師のむれ』……Se273, U74
《笛を吹くひと》……S315, Se219
《鱶沈む》……S305
《蕗子》……S170〔3句引用〕, S173〔1句引用〕, S181〔3句引用〕, Se117〔3句引用〕, Se119〔1句引用〕, Se125〔3句引用〕
『浮生六記』……Se273, Se274
新版『浮生六記』……Se274
『蕪村俳句集』……S87, Se56, Se254, U24, YS34
「二つのからだ」……Se365〔全文引用〕
『物質』……Se313〔4句引用〕, H167
〈冬〉〔232〕……S123〔全文引用〕, Se82〔全文引用〕, YS65〔全文引用〕
《冬鏡》……S202〔6句引用〕, Se142〔6句引用〕
冬の歌〔233〕……S92〔部分引用〕, Se60〔部分引用〕
〈冬のシャンソン〉……Se243〔全文引用〕, YS157〔全文引用〕
『フランクと私』……Se357
『プロヷンス随筆』……S26, S27〔部分引用〕, Se14, Se15〔部分引用〕

《蛇の笛》……S160, S163, S171〔3句引用〕, Se109, Se111, Se118〔3句引用〕, YS113, YS115
『ベラミ』……U87

『ボヴァリー夫人』……Se256, U34, U37
『豊饒の女神』……Se300
《紡錘形》……S167, S344, Se114, Se369
『鳳仙花』……Se347
「蓬莱」〔240〕……H142
ポール・クレーの食卓〔242〕……S111, Se73, YS53
『ポール・クレーの食卓』……Se245, YS159
『牧水歌集』……Se263
「牡丹」……S218, Se153
「牧歌」〔244〕……S106, Se70, YS49
『北海道の口碑と伝説』……U132
『骨餓身峠死人葛』……H44
『ほるとかる文』……U67
〈梵〉……S279〔部分引用〕, S280, Se198〔部分引用〕

《迷子の独楽》……S233, Se165
『舞姫タイス』……Se253, U20
『貧しき人々』……Se255, U28
『マノン・レスコー』……Se254, U23
『魔法の家』……S25, Se14
『まぼろしの鱶』……Se335〔4句引用〕
〈真夜中のユリシーズ〉……S270, Se190
「マリリン」……S291, Se206
『マルテの手記』……Se287, YS37
「曼珠沙華の歌」……S219, Se154
『マンスフィールド短篇集』……U101
万葉集……S103, S143, Se68, Se97, Se253, Se305, U21, YS46, YS90

《みかんの木》……S219, Se154
《ミクロコスモス》……S302, S303, Se215, YS128, YS129
「岬」……S218, Se153
〈水の磁石は〉……S302〔全文引用〕, Se215〔全文引用〕, YS128〔全文引用〕
《水の流浪》……S305
《み霊祀り》……S194〔8句引用〕, Se136〔8句引用〕
《密》……S189〔11句引用〕, Se132〔11句引用〕
《緑の思想》……S264, Se186
《緑の牝馬》……S125, Se83, YS77
「水上」……Se305〔部分引用〕
〈宮沢賢治全集〉……S63
「雅」……Se344
「弥勒」……Se331〔部分引用〕
ミロとの詩画集……H115
『民生教育の立場から』……U134, U136

〈蒙塵〉……S182〔2句引用〕, Se126〔2句引用〕
《もうそれ以上おそくやってきてはいけない》……S272, Se192
《黙示》……S160, S162, S163〔12句引用〕, S172〔4句引用〕, Se109, Se110, Se111〔12句引用〕, Se118〔4句引用〕, YS113, YS115〔12句引用〕
『木母集』……U66
『木歩句集』……Se260, U52
『桃太郎の母』……Se305
『桃の雫』……U33
『モントリオール』……U56

《山羊の歌》……S74, Se45, YS11
『奴草』……U87
「藪の中」……S87, Se56, YS34
〈山川蝉夫句抄〉……S184〔6句引用〕, Se128〔6句引用〕
《山口誓子句集》……S165, S166, Se113
『山鴫』……U135
《大和》……S221, Se155
『山の影』……Se338〔8句引用〕
『山の木』……Se339
〈山の暦(イン・メモーリアム)〉……S327〔部分引用〕, Se229〔部分引用〕, YS139〔部分引用〕
『山本有三集』……S86, Se56, YS33
『闇の力』……Se253, U20
「病める舞姫」……H117, H153
『病める舞姫』……H140, H142, H146, H149, H153

『幽霊』……U135
「雪」〔264〕……H39〔部分引用〕, H40
〈雪女〉……S252, Se179
「雪国」……S87, Se56, YS34
『弓と竪琴』……Se365
『ユモレスク』……Se321〔5首引用〕
《ユリイカ抄》……S105, Se69, YS48
『ユリシイズ』……U42

「吉岡実異聞」……S105, Se69, YS48
「吉岡実論」……H146
〈ヨシキリ〉……S320〔全文引用〕, S337, Se223〔全文引用〕, Se236, YS132〔全文引用〕, YS148
《吉田一穂詩集》……S307, S308
『與奪鈔』……S149〔10句引用〕, S150, S153, Se101, Se102〔10句引用〕, Se104, Se310, YS103〔10句引用〕, YS107
『夜の歌』……Se263, U27
『夜の桃』……S23, Se12
『夜ひらく・夜とざす』……Se259, U49
《夜への長い旅路》……S124, Se83, YS76
『夜を夢想する小太陽の独言』……H156
《四千の日と夜》……S259, S260, Se183

『禮記』……S88, Se57, Se242, YS35, YS156
ライラック・ガーデン〔269〕……S111, Se73, YS53
『ライラック・ガーデン』……Se297, YS73
「楽園」〔270〕……Se292〔部分引用〕
裸子植物〔272〕……H106〔全文引用〕
《羅甸薔薇》……S306
『闌位』……S152, S158, Se103, Se108, Se311〔1句引用〕, YS106, YS112

《離愁記》……S248, Se176
《李青集》……S219, Se154
『略説虐殺された詩人』……H102
『猟常記』……Se325〔4句引用〕, Se326
《猟人日記》……S309, U74
『リルケ詩集』……S88, S127, Se57, Se85, Se259, U50, U61, U83, YS34

〈ルイス・キャロルを探す方法〉〔276〕……S45, Se27, YS21

『冷位』……S158, Se108, Se311〔1句引用〕, YS112
〈冷房装置の中のラプソディ〉……S269〔部分引用〕, Se190〔部分引用〕

《老薔薇園》……S305
「蘆雁」……Se304〔全文引用〕
『鹿鳴集』……Se306〔11首引用〕, Se309
《鹿門》……S320, S337, S341, Se223, Se236, Se239, Se242, YS132, YS148, YS152, YS156
『ロシヤ宮廷の踊子』……Se356
『ロダン』……S88, S103, S143, Se57, Se68, Se97, Se287, Se288〔部分引用〕, YS35, YS37, YS38〔部分引用〕, YS46, YS90
《路傍の愛人》……S305
『驢鳴集』……S154, S155, Se104, YS107
『ロワッシイへ帰る』……Se358

『ワーヅワース詩集』……Se254, U24
「和解」……S87, Se56, Se258, U40, U67, YS34
『わが愛しの妖精フランク』……Se357〔部分引用〕
『若いヹルテルの悩み』……U97
《若い人》……S91, Se60, Se270
《わが詩と真実》……S291, Se206
《わが母音》……S302, Se215, YS128
『若山牧水歌集』……U56
「わたしと大佐」……S289, Se205
『私の写真』……S85, Se55, YS32
《和服》……S167, Se115

「ん」……S258


吉岡実言及書名・作品名索引 解題

アルファベット

                            

                      

アルファベット

E・D(★)

  1. 辻好夫訳《ロシヤ宮廷の踊子――ロシヤ踊子の回想 全訳》(東京書院、1951年11月15日)
    E・Dの小説。丸木砂土《世界艶笑芸術》に依れば、E・Dの本名はヂュムウランとされている。標題に「全訳」とあるものの、翻訳は公刊の都合上省略された箇所があり、吉岡は「完訳本が待たれる」と書いている。

詩画集《O氏の肖像――アレキサンドリア局留便》(アパッシュ館、1969年〔月日の記載なし〕)
本書は〈大野一雄を肖像した長野千秋展〉のリーフレット形式の目録でもある(映画《O氏の肖像》完成に際して)。大野一雄へのオマージュ作品は土方巽〈シビレット夫人〉・加藤郁乎〈ある日のキリスト氏〉・三好豊一郎〈オナンの如く〉・飯島耕一〈O氏の運動〉・合田成男〈O氏の肖像へ〉・鈴木志郎康〈いとしいとしの眞空充肉充血皮袋ちゃん!〉・中西夏之〈顔を吊るす双曲線〉・谷川晃一〈OHONO-FARMAN TYPE-PIPE BIPLANE〉・吉岡実〈内密な意識の個人的な秘儀〉(吉岡は「『O氏の肖像』の記念冊子を作るというので、私は一文を寄せている」と書いたあと、全文を引用している)・澁澤龍彦〈泳ぐ悲劇役者〉。限定100部。

会津八一(アイズ, ヤイチ、1881-1956)

  1. 歌集《鹿鳴集》(創元社、1940年5月22日)〔798-89〕
    秋艸道人会津八一の歌集。表紙・扉文字:著者。装丁意匠:青山二郎。吉岡は「私は『鹿鳴集』の平仮名の連綿とつらなる歌を愛誦してきたので、引用歌は初版本を使ったことを、付記して置く」と書いている。

会田綱雄(アイダ, ツナオ、1914-1990)

  1. 詩集《鹹湖》(緑書房、1957年〔月日の記載なし〕)〔911.56-A245k〕
    会田綱雄の第一詩集。上製・角背・クロス装。29篇を収録。挿画:島崎蓊助、装丁:高橋錦吉。吉岡は本詩集の出版記念会で収録詩〈アンリの扉〉を朗読している。裏表紙に吉岡の文を掲載した《会田綱雄詩集〔現代詩文庫60〕》(思潮社、1975年1月20日)〔KH42-22〕に全篇収録されている。

赤尾兜子(アカオ, トウシ、1925-1981)

  1. 句集《歳華集》(角川書店、1975年6月10日)〔KH47-66〕
    赤尾兜子の第三句集。500句収録。巻末に大岡信の解説〈赤尾兜子の世界〉。
  2. 句集《稚年記》(湯川書房、1977年10月★日)〔KH47-121〕
    〈雪影裡〉と〈征前裸吟〉の2冊の句稿を合わせた赤尾兜子の初期句集。

芥川龍之介(アクタガワ, リュウノスケ、1892-1927)

  1. 小説《河童〔岩波文庫〕》(岩波書店、1933年3月5日)〔569-14〕
    芥川龍之介の小説。★未見。
  2. 《地獄変・邪宗門・好色・藪の中 : 他7篇〔岩波文庫〕》(岩波書店、1956年1月9日)〔913.6-A414z3〕
    芥川龍之介の短篇小説集。吉岡が〈藪の中〉を読んだのはこれより前の版か。★未見。

《新しい地理教室――日本のいとなみ〔全4巻〕》(筑摩書房、1957年)〔児291.08-I496a〕
入江敏夫・北野道彦編。《1 北海道・東北》(1957年4月25日)、《2 関東・中部(T)》(1957年6月10日)、《3 中部(U)・近畿》(1957年7月30日)、《4 中国・四国・九州》(1957年12月20日)の全4巻。各地域の生産的生活を自然的諸条件と歴史的・社会的背景から立体的に浮き彫りし、日本の姿を捉える。★未見。

ジャン・アヌイ(Anouilh, Jean、1910-1987)

  1. 鈴木力衛訳《泥棒たちの舞踏会〔現代海外戯曲〕》(白水社、1955年12月20日)〔952-cA61d-S〕
    ジャン・アヌイの戯曲(コメディ・バレエ)。〔現代海外戯曲〕はB6判フランス装、別刷写真入りの共通仕様。なお、〔現代海外戯曲〕には、ジョルジュ・ソリヤ《恐怖》、リリアン・ヘルマン《秋の園》、チャールズ・モーガン《太陽レンズ》、ジャン・アヌイ《泥棒たちの舞踏会》、ゴーゴリ《死せる魂》、ピイター・ユスティノフ《四人の隊長の恋》、アルベール・ユツソン《俺たちは天使じやない》、テネシー・ウィリアムス《バラの刺青》、ロバート・アンダースン《お茶と同情》、ギュンター・ヴァイゼンボルン《天使が二人天降る》、サミユエル・ベケット《ゴドーを待ちながら》ユージン・オニール《夜への長い旅路》、メエリイ・チェーズ《バーナーディーン》、アーサー・ローレンツ《旅情》、マルセル・エーメ《クレランバール》などがある。

阿仏尼(アブツニ、1209-1283)

  1. 玉井幸助校訂《十六夜日記〔岩波文庫〕》(岩波書店、1934年3月25日)〔569-14〕
    阿仏尼の旅日記。★未見。

阿部青鞋(アベ, セイアイ、1914-1989)

  1. 《阿部青鞋集〔私版・短詩型文学全書〕》(八幡船社、1966年2月1日)〔911.36-A155a〕
    阿部青鞋の句集。〈老薔薇〉21章、〈樹皮抄〉10章から成る。

詩画集《土方巽舞踏展 あんま》(アスベスト館、1968年12月1日)
土方巽公演〈土方巽と日本人――肉体の叛乱〉の一カ月半後に刊行された限定50部のオリジナル豪華詩画集(編集:アスベスト館)。38×57cmの大型本。本文用紙:BFKリーブ、一葉ごとに独立。二重函入。ブックデザイン:田中一光。土方巽へのオマージュ作品の作者は、〈目録〉記載の五十音順に、飯島耕一・池田満寿夫・加藤郁乎・加納光於・澁澤龍彦・瀧口修造・田中一光・中西夏之・中村宏・野中ユリ・三木富雄・三好豊一郎・吉岡実(〈目録〉の表記は「吉岡實」)。吉岡の詩篇〈青い柱はどこにあるか?〉(F・6)は再録で、詩句は初刊掲載形と異同なし(ただし「暁」と「娩」の2字は旧漢字使用)。土方巽と13人のオマージュ作品の作者全員の署名入り。吉岡は1968年11月24日の日記に「正午近く、大きく重い『あんま』一冊を抱えて帰る」と書いている。(〈「暗黒の祝祭」――吉岡実詩集《神秘的な時代の詩》評釈(1)――〈青い柱はどこにあるか?〉〉の「T 詩で書いた暗黒舞踏」に再録詩篇の葉と〈目録〉の葉を掲げた。)

飯島耕一(イイジマ, コウイチ、1930-2013)

  1. 詩集《next〔叢書・同時代の詩〕》(河出書房新社、1977年12月20日)〔KH176-104〕
    飯島耕一の詩集。
  2. 《飯島耕一詩集. 1》(小沢書店、1978年1月15日)〔KH176-105〕と《飯島耕一詩集. 2》(小沢書店、1978年2月20日)〔KH176-105〕
    飯島耕一の当時の全詩集。
  3. 詩集《ゴヤのファースト・ネームは》(青土社、1974年5月5日)〔KH176-46〕
    飯島耕一の詩集。装丁:安藤元雄。第5回高見順賞受賞。《(続)飯島耕一詩集〔現代詩文庫74〕》(思潮社、1981年2月1日)〔911.56-I188i-s〕に全篇収録されている。
  4. 《1954・5詩集〔叢書溶ける魚〕》(湯川書房、1976年9月10日)
    飯島耕一の詩集。限定300部、署名入り。フランス装、洋風帙。本書は叢書の第5回配本。〈樹木〉など全9篇を収録。〈あとがき〉に「主として当時もメンバーの一人だった「今日」に発表した。」とある。
  5. 詩集《他人の空》(書肆ユリイカ、1953年12月15日)〔911.56-I188t〕
    飯島耕一の第一詩集。22篇を収録。限定250部。
  6. 評論《萩原朔太郎》(角川書店、1975年5月10日)〔KG528-13〕
    飯島耕一の萩原朔太郎論。吉岡編集の《ちくま》第53号(1973年9月号)掲載の〈キートンと萩原朔太郎〉などを収録。吉岡は「耕一は重そうな黒のショルダーバッグから、見本として出来たばかりの《萩原朔太郎》を取り出して見せてくれた。それは四六判五六〇頁の部厚い黒い本だった」と書いている。
  7. 詩画集《ミクロコスモス》(書肆ユリイカ、1957年11月30日)
    詩:飯島耕一、画:伊原通夫の詩画集。吉岡は「書肆ユリイカにとっては、画期的出版であり、当時の出版界にも稀な美しい本であった。部数は百部で、頒価千円という高価なもの故、その売れ行きを伊達得夫も飯島耕一も心配していた。二人は知己、友人にそれとなく買ってくれるように、すすめて歩いたらしい」と書いている。★未見。
  8. 詩集《夜を夢想する小太陽の独言》(思潮社、1982年5月1日)〔KH176-174〕
    飯島耕一の詩集。長詩〈夜を夢想する小太陽の独言〉を含む3部構成。第1回現代詩人賞受賞。
  9. 詩集《わが母音》(書肆ユリイカ、1955年10月15日)〔911.56-I188w〕
    飯島耕一の第二詩集。16篇を収録。表紙:伊原通夫。

飯田龍太(イイダ, リュウタ、1920-2007)

  1. 句集《今昔》(立風書房、1981年11月25日)〔KH176-170〕
    飯田龍太の第八句集。232句収録。題簽:飯田龍太、篆刻:寺西健、装丁:前川直。
  2. 句集《百戸の谿〔昭和俳句叢書〕》(書林新甲鳥、1954年8月25日)〔911.36-I168h〕
    飯田龍太の第一句集。256句収録。表紙装画:武者小路実篤。
  3. 句集《山の影》(立風書房、1985年7月15日)〔KH176-280〕
    飯田龍太の第九句集。397句収録。題字:飯田龍太、装丁:前川直。
  4. 句集《山の木》(立風書房、1975年4月30日)〔KH176-52〕
    飯田龍太の第六句集。420句収録。装丁:前川直。

石川啄木(イシカワ, タクボク、1885-1912)

  1. 歌集《一握の砂》(東雲堂書店、1910年12月1日)〔YDM85609(マイクロフィッシュ)〕
    石川啄木の第一歌集。3行書きを採用。551首を〈我を愛する歌〉〈煙〉〈秋風のこころよさに〉〈忘れがたき人人〉〈手套を脱ぐ時〉の5章に分かつ。序:藪野椋十、画:名取春仙。☆未見。
  2. 歌集《悲しき玩具――一握の砂以後》(東雲堂書店、1912年6月20日)〔YDM85810(マイクロフィッシュ)〕
    石川啄木の第二歌集。《一握の砂》以後の194首と2篇の感想を収める。跋は土岐哀果。★未見。
  3. 山本健吉編《日本詩人全集. 第8〔石川啄木〕》(新潮社、1967年1月10日)〔911.56-N688-s〕
    山本健吉が〈石川啄木・人と作品〉と〈解説〉を書いている。

石坂洋次郎(イシザカ, ヨウジロウ、1900-1986)

  1. 《若い人》(改造社、1937年2月★日)《若い人. 続》(改造社、1937年12月★日)〔727-8ロ〕
    石坂洋次郎の長篇小説。★未見。

一色次郎(イッシキ, ジロウ、1916-1988)

  1. 小説《青幻記》(筑摩書房、1967年8月8日)〔913.6-I7223s〕
    一色次郎の小説。〈青幻記〉は第3回太宰治賞受賞作。装丁:栃折久美子。

石田英一郎(イシダ, エイイチロウ、1903-1968)

  1. 比較民族学的論集《桃太郎の母》(法政大学出版局、1956年1月30日)〔389.04-I534m〕
    石田英一郎の論集。〈月と不死〉〈隠された太陽〉〈桑原考〉〈天馬の道〉〈桃太郎の母〉〈穀母と穀神〉を収める。

泉鏡花(イズミ, キョウカ、1873-1939)

  1. 小説《婦系図. 前篇〔岩波文庫〕》(岩波書店、1951年2月10日)〔913.6-I989o〕
    泉鏡花の長篇小説。★未見。
  2. 小説《高野聖・眉かくしの霊〔岩波文庫〕》(岩波書店、1936年1月10日)〔913.6-I989o〕
    泉鏡花の小説。★未見。
  3. 小説《白鷺〔角川文庫〕》(角川書店、1958年★月★日)〔913.6-I989s3〕
    泉鏡花の小説。★未見。

伊藤佐喜雄(イトウ, サキオ、1910-1971)

  1. 《花の宴〔新ぐろりあ叢書〕》(ぐろりあ・そさえて、1939年10月2日)〔786-175〕
    伊藤佐喜雄の長篇小説。表紙画:棟方志功。

伊藤整(イトウ, セイ、1905-1969)

  1. 評論集《新心理主義文学〔現代の芸術と批評叢書〕》(厚生閣書店、1932年4月18日)
    伊藤整の第一評論集。目次が巻末にある。★未見。

猪俣勝人(イノマタ, カツヒト、1911-1979)

  1. 《世界映画名作全史. 戦前篇〔現代教養文庫〕》(社会思想社、1974年11月30日)〔KD651-17〕
    猪俣勝人の映画史。スチル写真多数掲載。

イプセン(Ibsen, Henrik、1828-1906)

  1. 楠山正雄訳《人形の家〔新潮文庫〕》(新潮社、1938年9月1日)〔730-250〕
    イプセンの3幕の戯曲。★未見。
  2. 竹山道雄訳《幽霊〔岩波文庫〕》(岩波書店、1939年11月10日)〔780-384〕
    イプセンの戯曲。★未見。

伊良子清白(イラコ, セイハク、1877-1946)

  1. 詩集《孔雀船〔岩波文庫〕》(岩波書店、1938年4月5日)〔730-111〕
    伊良子清白の詩集。

テネシー・ウィリアムス(Williams, Tennessee、1911-1983)

  1. 菅原卓訳《バラの刺青〔現代海外戯曲〕》(白水社、1956年4月5日)〔932-cW72b-S〕
    テネシー・ウィリアムスの戯曲。三幕十景。

ヴォルテール(Voltaire, Francois Marie Arouet de、1694-1778)

  1. 池田薫訳《カンディード》(白水社、1937年5月1日)〔696-201〕
    ヴォルテールの諷刺小説。

江戸川乱歩(エドガワ, ランポ、1894-1965)

  1. 《一寸法師〔江戸川乱歩全集. 第2巻〕》(平凡社、1931年10月10日)〔613-56〕
    江戸川乱歩の長篇小説。初刊は1927年3月、春陽堂。★未見。
  2. 《パノラマ島奇譚〔江戸川乱歩全集. 第1巻〕》(平凡社、1931年6月10日)〔613-56〕
    〈陰獣〉は江戸川乱歩の中篇小説で初刊は1928年11月、博文館。★未見。
  3. 《黄金仮面〔江戸川乱歩全集. 第10巻〕》(平凡社、1931年9月10日)〔613-56〕
    江戸川乱歩の長篇小説。初刊は本全集。★未見。
  4. 《孤島の鬼〔江戸川乱歩全集. 第5巻〕》(平凡社、1931年7月10日)〔613-56〕
    江戸川乱歩の長篇小説。初刊は1930年5月、改造社。★未見。

マルセル・エーメ(Ayme, Marcel、1902-1967)

  1. 原千代海訳《クレランバール〔現代海外戯曲〕》(白水社、1956年4月5日)〔952-cA98c-H〕
    マルセル・エーメの三作めの戯曲。四幕。
  2. 葉田達治訳《緑の牝馬》(鱒書房、1956年9月20日)〔953-cA98m-H〕
    マルセル・エーメの長篇小説。

大岡信(オオオカ, マコト、1931-2017)

  1. 評論《うたげと孤心. 大和歌篇》(集英社、1978年2月13日)〔KG18-19〕
    大岡信の長篇評論。装丁:竹内宏一。
  2. 《大岡信詩集〔今日の詩人双書〕》(書肆ユリイカ、1960年12月20日)〔911.56-O762o〕
    《記憶と現在》からの抄録を第一部、後年《転調するラヴ・ソング》として独立する部分を第二部とする。編:寺田透、表紙・ジャケット:今井寿恵。
  3. 《大岡信詩集》(思潮社、1968年2月15日)〔911.56-O762o-s〕
    大岡信の当時の全詩集。未刊詩集の《献呈詩集》《わが夜のいきものたち》などを収録。装丁:粟津潔。のち増補新版《大岡信詩集》(思潮社、1977年2月1日)〔KH487-76〕が出ている。
  4. 評伝《岡倉天心〔朝日評伝選〕》(朝日新聞社、1975年10月15日)〔GK113-42〕
    大岡信の書きおろしによる岡倉天心の評伝。装丁:多田進。(〈吉岡実の引用詩(2)――大岡信《岡倉天心》〉参照)
  5. 現代詩訳《小倉百人一首〔CULTURE BOOKS〕》(世界文化社、1980年11月1日)〔KG135-68〕
    大岡信による《小倉百人一首》の現代詩訳、ほか。
  6. 《彼女の薫る肉体〔叢書溶ける魚〕》(湯川書房、1971年5月20日)
    編集:鶴岡善久・政田岑生。大岡信の散文作品。限定300部。本書は叢書の第1回配本。★未見。吉岡は〔叢書溶ける魚〕の第2回配本で詩集《液体》(湯川書房、1971年9月10日)を刊行(再刊)している。
  7. 詩集《記憶と現在》(書肆ユリイカ、1956年7月15日)〔911.56-O763k〕
    大岡信の第一詩集。装丁:長谷川周子。
  8. 大岡信の私家版詩集《地名論》は未刊。詩篇〈地名論〉は詩集《わが夜のいきものたち》(思潮社、1968年★月★日)に収録。
  9. 詩集《転調するラヴ・ソング》
    《転調するラヴ・ソング》は大岡信の第二詩集だが、単行本にはなっていない。詩集《記憶と現在》以後の作品(《大岡信詩集〔今日の詩人双書〕》の第二部に収録)を《大岡信詩集》(思潮社、1968年2月15日)に収めるにあたって、独立した詩集の形に直して新たに標題を付けたもの。
  10. 詩集《透視図法――夏のための》(書肆山田、〔1972年7月3日〕)
    大岡信の詩集。限定600部。特製本28部。★未見。加納光於装丁の縮刷普及版は、書肆山田から1977年11月30日刊。
  11. 詩集《悲歌と祝祷》(青土社、1976年11月1日)〔KH487-81〕
    大岡信の詩集。装丁:大岡信。
  12. 詩集《現代日本詩集. 第9〔わが詩と真実〕》(思潮社、1962年12月1日)〔911.56-G297〕
    大岡信の第三詩集。解説:飯島耕一、装丁:真鍋博。〈大佐とわたし〉など10篇を収めるが、吉岡は題名を〈わたしと大佐〉と書いている。

太田大八(オオタ, ダイハチ、1918-2016)

  1. 吉岡の〈突堤にて〉(初出は《現代詩》1962年1月号)に登場するD(太田大八)の絵による《アラビアンナイト》の児童書は何点か存在するが、昭和30年代の作品には次の丸中数字の5点がある(■以下は太田大八の絵の概要)。
    @森田草平《アラビアンナイト〔小学生全集63〕》(筑摩書房、1955年2月5日)〔児929.76-M855a〕、装丁:庫田叕、口絵・挿絵:太田大八。吉岡は編集者として本全集を担当した。内容:ユーナン王と学者ヅーバンの話、ハサンと馬丁の話、わかいシシと大工の話、アラ・エ・ディーンの話、ひょうきんものハサンの話、賢婦ヅムルッドの話、馬どろぼう、エス・シンジバードの航海の話、アリ・ババと四十人の盗賊。森田草平《アラビアンナイト〔新版小学生全集40〕》(筑摩書房、1962年9月15日)が同じ本文組版で、外装(装丁:山城隆一・三橋陽子)・本扉・奥付を替えて、再刊されている。(〈吉岡実と《アラビアンナイト》〉参照)
    ■カラー口絵:〈アリ・ババと四十人の盗賊〉から〈モルギアナのおどり〉1点。モノクロ挿絵:〈もくじ〉1点、〈ユーナン王と学者ヅーバンの話〉4点、〈ハサンと馬丁の話〉4点、〈わかいシシと大工の話〉5点、〈アラ・エ・ディーンの話〉6点、〈ひょうきんものハサンの話〉6点、〈賢婦ヅムルッドの話〉7点、〈馬どろぼう〉2点、〈エス・シンジバードの航海の話〉10点、〈アリ・ババと四十人の盗賊〉7点。
    A飯島淳秀・光吉夏弥訳《アラビアン・ナイト〔世界童話文学全集12〕》(講談社、1959年10月10日)〔児909-Se1227〕、装本:秋岡芳夫、レイアウト:安野光雅、〔口絵・〕挿絵:太田大八・久米宏一・谷俊彦・山中冬児。内容:アリババと四十人のとうぞく(挿絵:谷俊彦)、ふなのりシンドバッド(谷俊彦)、まほうのうま(太田大八か)、つぼの中の大男(久米宏一)、ダイヤモンドのおとめ(太田大八か)、アラジンとまほうのランプ(久米宏一)、子どものさいばん(山中冬児か)、空とぶじゅうたん(山中冬児)、ものをいう鳥(太田大八)、めくらのこじき(山中冬児)。
    ■〈まほうのうま〉2色挿絵:8点、〈ダイヤモンドのおとめ〉2色挿絵:5点、〈ものをいう鳥〉カラー口絵:1点。モノクロ挿絵:9点。
    B川端康成・野上彰訳《アラビアン・ナイト》(東京創元社、1960-1961年★月★日)〔児929-A648a〕、レーン版の訳、装丁:油野誠一、口絵・挿絵:太田大八。第1巻(1960年12月10日):漁師と魔神の物語(はじめに、商人と魔神の物語、漁師と魔神の物語、荷かつぎ人足とバグダードのむすめたちの物語)、第2巻(1961年1月30日):せむし男の物語(三つのりんごの物語、せむし男の物語)、第3巻(1961年3月20日):ヌール・エド・ディーンの物語(ヌール・エド・ディーンとエネース・エル・ゼレースの物語、ガーニームの物語、アリーシェールとズムルードの物語、イブン・マンスールとブドゥーア姫の物語)、第4巻(1961年5月5日):ドゥーニャ姫の愛の物語(ドゥーニャ姫の愛の物語、アリーとナハールの物語)、第5巻(1961年6月20日):王子と王女の愛の物語(王子と王女の愛の物語)、第6巻(1961年8月5日):おどけものアブーの物語(アラー・エド・ディーンの物語、にせのサルタンの物語、おどけものアブーの物語、なまけものアブー・モハメッドと魔法のさるの物語)本書の奥付裏広告には全13巻の目録として〈第7巻:魔法の馬、第8巻:シンドバッドの七つの航海、第9巻:真鍮の都の物語、第10巻:セイフ王子とジャン王女の物語、第11巻:ハッサンと鳥むすめの物語、第12巻:まずしい靴なおしの物語、第13巻:アラジンとふしぎなランプ〉と各巻の書名が記されているが、これら7巻はいずれも未刊か。太田大八《私のイラストレーション史――紙とエンピツ》(BL出版、2009年7月1日)には「〔……〕まだ駒込に住んでいた頃の仕事で、少年活劇文庫の中の『母をたずねて三千里』の挿絵の依頼に来た、東京創元社の山崎柳子という女性編集者がいました。この人も極めてユニークな人柄で、当時よく私の家に泊まり込んでいた吉岡実と同様、たびたび家に遊びに来ていました。/彼女のおかげで、一九六一年、アラビアンナイト六巻の口絵挿絵を描かせてもらいました」(同書、六七ページ)とあり、《私のイラストレーション史》には躍動する馬が見事な〈おどけものアブーの物語〉のモノクロ挿絵が再録されている。
    ■第1巻=カラー口絵:〈漁師と魔神の物語〉1点。モノクロ挿絵:〈はじめに〉5点、〈商人と魔神の物語〉3点、〈漁師と魔神の物語〉9点、〈荷かつぎ人足とバグダードのむすめたちの物語〉10点。第2巻=カラー口絵:〈せむしの男の物語〉1点。
    モノクロ挿絵:〈三つのりんごの物語〉10点、〈せむし男の物語〉14点。第3巻=カラー口絵:〈アリーシェールとズムルードの物語〉1点。モノクロ挿絵:〈ヌール・エド・ディーンとエネース・エル・ゼレースの物語〉11点、〈ガーニームの物語〉6点、〈アリーシェールとズムルードの物語〉4点、〈イブン・マンスールとブドゥーア姫の物語〉5点。第4巻=カラー口絵:〈ドゥーニャ姫の愛の物語〉1点。モノクロ挿絵:〈ドゥーニャ姫の愛の物語〉22点、〈アリーとナハールの物語〉12点。第5巻=カラー口絵:〈王子と王女の愛の物語〉1点。モノクロ挿絵:〈王子と王女の愛の物語〉25点。第6巻=カラー口絵:〈アラー・エド・ディーンの物語〉1点。モノクロ挿絵:〈アラー・エド・ディーンの物語〉16点、〈にせのサルタンの物語〉3点、〈おどけものアブーの物語〉5点、〈なまけものアブー・モハメッドと魔法のさるの物語〉3点。
    C中川正文訳《アラビアン=ナイト〔世界名作童話全集7〕》(講談社、1962年11月10日)〔児909-Se1229-〔7〕〕、装本:杉田豊、レイアウト:安野光雅、〔口絵・〕挿絵:久米宏一・太田大八。内容:アリババと四十人のとうぞく(挿絵:久米宏一)、ふなのりシンドバッド(太田大八)。
    ■〈ふなのりシンドバッド〉カラー口絵:2点。モノクロ挿絵:61点、2色挿絵:29点。
    D宮脇紀雄《アラビアン・ナイト〔幼年絵童話全集6〕》(偕成社、1962年12月5日)、装丁:沢田重隆、絵:太田大八、解説:佐藤正彰。内容:アリババと四十人のとうぞく、アラジンとまほうのランプ、ふなのりシンドバッド。
    ■カラー口絵:〈アリババと四十人のとうぞく〉1点、〈アラジンとまほうのランプ〉1点、〈ふなのりシンドバッド〉1点。2色挿絵:〈アリババと四十人のとうぞく〉26点、〈アラジンとまほうのランプ〉27点、〈ふなのりシンドバッド〉23点。

岡井隆(オカイ, タカシ、1928-2020)

  1. 《岡井隆歌集》(思潮社、1972年★月★日)〔KH469-50〕
    岡井隆のこの時点での全歌集。《O(オー)》《齋唱》《土地よ、痛みを負え》《朝狩》《木曜便り》《眼底紀行》《〈時〉の峡間にて》《天河庭園集》を収める。
  2. 歌集《齋唱〔未来・歌集シリーズ〕》(白玉書房、1956年10月1日)〔911.168-O467s〕
    岡井隆の第一歌集。装丁:吉田漱。
  3. 歌集《土地よ、痛みを負え》(白玉書房、1961年2月★日)〔911.168-O467t〕
    岡井隆の第二歌集。1957年から1960年秋までの387首を収める。

岡本綺堂(オカモト, キドウ、1872-1939)

  1. 岡本綺堂の《半七捕物帳》は、1917年から1936年にかけて68篇が書かれた。《半七捕物帳》(春陽堂、1929年★月★日)〔522-48ロ〕、同(百万堂、1931年★月★日)〔522-48ハ〕、《半七捕物帳. 10》(春陽堂、1932年★月★日)〔特263-687〕のいずれかだろう。★未見。(〈吉岡実と時代小説〉の註[*4]参照。)

尾崎紅葉(オザキ, コウヨウ、1867-1903)

  1. 小説《金色夜叉. 上巻〔岩波文庫〕》(岩波書店、1939年4月3日)〔780-109〕
    尾崎紅葉の長篇小説。★未見。

小山内龍(オサナイ, リュウ、1904-1946)

  1. 文集《昆虫放談》
    漫画家・小山内龍の文集。《昆虫放談》(大和書店、1941年6月25日)〔769-124〕か同(組合書店、1948年12月15日)〔児48-O-2〕のどちらかだろう。★未見。《昆虫日記》〔486-O779k〕と改題されたオリオン社版は1963年2月22日発行。吉岡が随想で本書に触れたあとでは、《昆虫放談》〔RA531-106〕が築地書館から1978年1月10日に、同書の新装版〔RA531-E134〕が同じく築地書館から1991年7月1日に出ている。

ユージン・オニール(O'Neill, Eugene Gladstone、1888-1953)

  1. 井上宗次・石田英二訳《奇妙な幕間狂言〔岩波文庫〕》(岩波書店、1939年5月2日)〔780-128〕
    ユージン・オニールの戯曲。
  2. 清野暢一郎訳《地平の彼方〔岩波文庫〕》(岩波書店、1935年12月15日)〔569-14〕
    ユージン・オニールの戯曲。★未見。
  3. 清野暢一郎訳《夜への長い旅路〔現代海外戯曲〕》(白水社、1956年7月5日)〔932-cO58y-K〕
    ユージン・オニールの戯曲。四幕五場。

折笠美秋(オリガサ, ビシュウ、1934-1990)

  1. 句集《虎嘯記》(俳句評論社、1984年7月8日)〔KH487-217〕
    折笠美秋の句集。

片山健(カタヤマ, ケン、1940- )

  1. 画集《美しい日々》(幻燈社、1969年12月10日)
    片山健の第一画集。限定1000部。☆未見。高野慎三(筆名:権藤晋)は、在職していた青林堂の出版企画に通らなかった《つげ義春初期短篇集》、林静一の絵物語集《紅犯花》を自身が興した幻燈社から出したあと、「三冊目の片山健画集『美しい日々』は最初から幻燈社での出版を意図して描き下ろされたものだ。そのあとに〔……〕、片山健『エンゼルアワー』〔……〕と続いた。」(高野慎三《神保町「ガロ編集室」界隈〔ちくま文庫〕》、筑摩書房、2021年2月10日、一九四ページ)と書いている。
  2. 画帖《エンゼルアワー》(幻燈社、1971年6月15日)
    片山健の第二画集。限定1000部。★未見。
  3. 画集《迷子の独楽》(北宋社、1978年9月25日)
    片山健の第三画集。

加藤郁乎(カトウ, イクヤ、1929-2012)

  1. 句集《えくとぷらすま》(中村書店、1962年9月20日)
    加藤郁乎の第二句集。★未見。《加藤郁乎詩集〔現代詩文庫45〕》(思潮社、1971年10月20日)〔KH249-51〕に全句収録されている。
  2. 句集《球體感覺》(俳句評論社、1959年5月1日)
    加藤郁乎の第一句集。限定200部。《加藤郁乎詩集〔現代詩文庫45〕》(思潮社、1971年10月20日)〔KH249-51〕に全句収録されている。
  3. 詩集《形而情学》(昭森社、1966年9月30日)〔911.56-Ka622k〕
    加藤郁乎の詩集。限定200部。装画・装丁:野中ユリ。第6回室生犀星詩人賞受賞。《加藤郁乎詩集〔現代詩文庫45〕》(思潮社、1971年10月20日)〔KH249-51〕に全篇収録されている。
  4. 句集《降霊館死学》
    本書《降霊館死学》は池田満寿夫の文章に登場するが、単行句集としては未刊か。ただし作品〈降霊館死学――澁澤龍彦への口寄せ〉30句は加藤郁乎句集《えくとぷらすま》所収。
  5. 詩集《終末領》(思潮社、1965年5月5日)〔911.56-Ka622s〕
    加藤郁乎の詩集。扉絵:池田満寿夫。吉岡は「麻布装の大判の薄い本で、クラフト紙に刷られた、簡素な造りである」と書いている。《加藤郁乎詩集〔現代詩文庫45〕》(思潮社、1971年10月20日)〔KH249-51〕に全篇収録されている。

金井美恵子(カナイ, ミエコ、1947- )

  1. 小説《愛の生活》(筑摩書房、1968年8月20日)〔913.6-Ka348a〕
    金井美恵子の短篇小説集。第3回太宰治賞候補作〈愛の生活〉、〈エオンタ〉、〈自然の子供〉の3篇を収録。装丁:金井久美子。
  2. 詩集《マダム・ジュジュの家》(思潮社、1971年6月15日)〔KH248-26〕
    金井美恵子の第一詩集。装丁:金井久美子。《金井美恵子詩集〔現代詩文庫55〕》(思潮社、1973年7月15日)〔KH248-60〕に全篇収録されている。

金子光晴(カネコ, ミツハル、1895-1975)

  1. 詩集《赤土の家》(麗文社、1919年1月1日)
    金子光晴の第一詩集。金子保和著。★未見。
  2. 詩集《蛾》(北斗書院、1948年9月1日)〔911.56-Ka422g〕
    金子光晴の詩集。35篇収録。題字・挿画:田川憲。
  3. 《金子光晴全集. 第1》(書肆ユリイカ、1960年7月15日)〔918.6-Ka422k〕
    詩集《こがね虫》《大腐爛頌》《水の流浪》《鱶沈む》《路傍の愛人》《老薔薇園》を収録。挿画:著者。限定800部。吉岡は本書の書評〈不逞純潔な詩人――ぜいたくな人生の浪費の輝き〉を執筆している。
  4. 詩集《こがね虫》(新潮社、1923年7月14日)〔522-45〕
    金子光晴初期の詩集。24篇収録。★未見。
  5. 詩集《鮫》(人民社、1937年8月5日)〔複製 : KH8-15(24)〕
    金子光晴の詩集。長詩〈鮫〉など7篇から成る。表紙字:郁達夫、字:吉田一穂、木版:田川憲一。
  6. 詩集《水勢》(東京創元社、1956年5月15日)〔911.56-Ka422s〕
    金子光晴の詩集。
  7. 詩集《人間の悲劇》(創元社、1952年12月20日)〔911.56-Ka422n〕
    金子光晴の詩集。全10章から成る。
  8. 詩集《非情》(新潮社、1955年1月27日)〔911.56-Ka422h〕
    金子光晴の詩集。33篇収録。

唐十郎(カラ, ジュウロウ、1940- )

  1. 少年小説《海星・河童》(大和書房、1978年6月20日)〔KH248-172〕
    唐十郎の短篇小説集。第6回泉鏡花賞受賞。

フランシス・カルコ(Carco, Francis、1886-1958)

  1. 内藤濯訳《追ひつめられる男〔新潮文庫〕》(新潮社、1940年8月1日)〔797-285〕
    フランシス・カルコの小説。吉岡が《追ひつめられる男》を読んだのはこれより前の版か。

川端康成(カワバタ, ヤスナリ、1899-1972)

  1. 《雪国〔岩波文庫〕》(岩波書店、1952年12月5日)
    川端康成の小説。吉岡が《雪国》を読んだのはこれより前の版か。★未見。(〈吉岡実の装丁作品(135)〉参照)

河原枇杷男(カワハラ, ビワオ、1930- )

  1. 句集《烏宙論》(俳句評論社、1968年9月19日)
    河原枇杷男の第一句集。1960年から1964年夏までの200句収録。永田耕衣〈序〉。〈死然科学〉〈存罪論〉〈虚空研究〉〈幻実主義〉〈梨趣経〉〈烏宙論〉から成る。限定350部。拾遺も加えて再編集した《定本 烏宙論》は1981年7月1日、限定120部、序曲社刊。
  2. 句集《閻浮提考》(序曲社、1971年6月)
    河原枇杷男の第三句集。《密》に続く半歳の間の作品99句を収録。★未見。拾遺も加えて再編集した《定本 閻浮提考》は1981年8月20日、限定120部、序曲社刊。
  3. 句集《流灌頂》(俳句評論社、1975年4月)
    河原枇杷男の第四句集。1971年秋から1975年春までの作品を収める。★未見。17句を削除し、新たに16句を拾遺して収録100句とした《定本 流灌頂》は1981年7月1日、限定120部、序曲社刊。
  4. 句集《密》(白桃窟、1970年9月★日)
    河原枇杷男の第二句集。1968年秋から1970年夏までの97句収録。★未見。拾遺も加えて再編集した《定本 密》は1981年8月20日、限定120部、序曲社刊。

藤田徳太郎校註《閑吟集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1932年3月1日)〔569-14〕
中世の歌謡集成。★未見。

北園克衛(キタゾノ, カツエ、1902-1978)

  1. 《圓錐詩集》(ボン書店、1933年10月25日)〔631-312〕
    北園克衛の第三詩集。1932年から1年間に書かれた未発表作品を収録。刷部数は約150部。
  2. 詩集《白のアルバム〔現代の芸術と批評叢書〕》(厚生閣書店、1929年6月30日)〔598-3〕
    北園克衛の第一詩集。1932年に普及版が出ている。

北原白秋(キタハラ, ハクシュウ、1885-1942)

  1. 抒情小曲集《思ひ出》(東雲堂書店、1911年6月5日)
    北原白秋の第二詩集。7章215篇の抒情小曲を収める。☆未見。
  2. 詩集《海豹と雲》(アルス、1929年8月28日)〔553-68〕
    北原白秋の詩集。白秋自装。
  3. 山本太郎編《北原白秋詩歌集〔世界の詩〕》(弥生書房、1964年6月5日)〔911.56-Ki289k5〕
    北原白秋の詩歌集。
  4. 西脇順三郎編《北原白秋詩集〔青春の詩集〕》(白凰社、1965年12月1日)〔911.56-Ki289k-N〕
    北原白秋の選詩集。神保光太郎〈詩人の生涯〉、槇晧志〈鑑賞ノート〉。編者の西脇は文章を書いていない。
  5. 歌集《雲母集》(阿蘭陀書房、1915年8月12日)
    北原白秋の第二歌集。556首を収める。☆未見。
  6. 抒情歌集《桐の花》(東雲堂書店、1913年1月25日)〔YD5-H-特102-343(マイクロフィッシュ)〕
    北原白秋の第一歌集。短歌449首、6篇の小歌論・詩文を収める。☆未見。
  7. 詩集《邪宗門》(易風社、1909年3月15日)
    北原白秋の第一詩集。〈魔睡〉〈朱の伴奏〉〈外光と印象〉〈天艸雅歌〉〈青き花〉〈古酒〉の6章119篇を収める。装丁:石井柏亭。☆未見。
  8. 詩集《水墨集》(アルス、1923年6月18日)〔522-10(マイクロフィッシュ)〕
    北原白秋の第六詩集。14章197篇を収める。
  9. 三部歌集合巻《雀の卵》(アルス、1921年8月23日)
    北原白秋の第三歌集。〈葛飾閑吟集〉〈輪廻三鈔〉〈雀の卵〉から成る。短歌687首、長歌12首、小詩2篇を収める。☆未見。
  10. 歌謡集《白秋小唄集》(アルス、1919年9月1日)
    北原白秋の小唄集。装丁:矢部季。★未見。
  11. 吉田一穂編《白秋詩抄〔岩波文庫〕》(岩波書店、1957年5月6日)〔911.56-Ki289h2-i(t)〕
    北原白秋の詩抄。
  12. 吉田一穂編《白秋抒情詩抄〔岩波文庫〕》(岩波書店、1957年5月25日)〔911.56-Ki289h-(t)〕
    北原白秋の抒情詩抄。
  13. 自選歌集《花樫〔改造文庫〕》(改造社、1930年9月28日)〔569-142〕
    吉岡は「S氏から贈られたのが、一九三八年九月二十九日であるから、実に三十四年の歳月を経ている。わが家にある書物のうち一番古いものであろう。すでに、本でなく物象というべきかもしれない」と書いている。北原白秋の自選歌集である本書は、吉岡の棺に納められた。(〈北原白秋自選歌集《花樫》〉参照)

城戸幡太郎(キド, マンタロウ、1893-1985)

  1. 《民生教育の立場から》(西村書店、1940年3月25日)〔259-799〕
    教育心理学者・城戸幡太郎の著作。吉岡は「朝から、城戸幡太郎『民生教育の立場から』の校正にはげむ。読みながら感銘をおぼえた」と書いている。城戸のほか、安部磯雄・岡潔・沖野岩三郎・乙竹岩造・神近市子・桐生悠々・久布白落実・倉橋惣三・権田保之助・高島平三郎・野口援太郎・羽仁五郎・牧野富太郎・正木ひろし・三木安正・山高しげり・山田わか・吉田熊次の著作集が出ている学術著作集ライブラリーの《城戸幡太郎著作集〔全7巻〕》の第6巻として扉から奥付までを原寸で収録、復刻されている(学術出版会、2008年2月25日)。★原物未見。(〈城戸幡太郎《民生教育の立場から》のこと〉参照)

木下利玄(キノシタ, トシハル、1886-1925)

  1. 歌集《一路》(竹柏会、1924年★月★日)
    木下利玄の第三歌集。1918年から1924年の作358首を収録。★未見。
  2. 《木下利玄全歌集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1951年8月25日)〔911.168-Ki247k-G〕
    五島茂編。歌集《銀》《紅玉》《一路》《みかんの木》を収録。
  3. 歌集《銀》(洛陽堂、1914年★月★日)〔37-289〕
    木下利玄の第一歌集。★未見。
  4. 歌集《紅玉》(玄文社、1919年★月★日)〔YD5-H-特109-124(マイクロフィッシュ)〕
    木下利玄の第二歌集。1914年から1917年の作520首を収録。★未見。
  5. 歌文集《李青集》(福永書店、1926年12月★日)〔544-228〕
    木下利玄の遺稿集。五島茂編。第四歌集《みかんの木》を収める。★未見。

木下夕爾(キノシタ, ユウジ、1914-1965)

  1. 詩集《田舎の食卓》(詩文学研究会、1939年10月20日)〔785-66〕
    木下夕爾の第一詩集。限定100部。〈街の記念樹〉10篇、〈田舎の食卓〉13篇を収める。第6回文芸汎論詩集賞受賞。
  2. 詩集《生れた家》(詩文学研究会、1940年9月20日)〔特221-355〕
    木下夕爾の第二詩集。30篇を収める。
  3. 句集《遠雷〔春燈叢書〕》(春燈社、1959年7月1日)〔911.36-Ki2482e〕
    木下夕爾の句集。208句を収める。
  4. 詩集《笛を吹くひと》(的場書房、1958年1月5日)〔911.56-Ki248h〕
    木下夕爾の最後の詩集。詩42篇、ルポルタージュ詩〈広島〉を収める。

木村三太郎(キムラ, サンタロウ、★)

  1. 歌集《木母集》(武都紀発行所、1935年12月10日)〔696-102〕
    木村三太郎の歌集。昭和4年から10年3月までの250首を収録。序文:浅野梨郷、装丁:福岡青嵐。

ルイス・キャロル(Carroll, Lewis、1832-1898)

  1. 岡田忠軒訳《鏡の国のアリス〔角川文庫〕》(角川書店、1959年10月10日)〔933-cC319k-O〕
    ルイス・キャロルの童話。吉岡は「*ルイス・キャロル〈鏡の国のアリス〉岡田忠軒訳より」と書いている。

木幡藤子・山我哲雄訳《旧約聖書U 出エジプト記 レビ記》(岩波書店、2000年4月17日)〔HP16-G19〕
《レビ記》の訳と解説は山我哲雄。

草野心平(クサノ, シンペイ、1903-1988)

  1. 《草野心平全集〔全12巻〕》(筑摩書房、1978年5月30日-1984年5月25日)〔KH297-362〕
    第1巻:第百階級/明日は天気だ/母岩/蛙/絶景/富士山/大白道/日本砂漠/牡丹圏。第2巻:定本蛙/天/第四の蛙/富士山/マンモスの牙。第3巻:こわれたオルガン/太陽は東からあがる/侏羅紀の果ての昨今/四十八年ジッグザッグの――拾遺詩集/凹凸(〈吉岡実の装丁作品(47)〉参照)。第4巻:全天/植物も動物/原音/乾坤/第百階級以前。第5巻:詩と詩人/わが光太郎。第6巻:わが賢治/わが槐多。第7巻:方々にゐる/真ん中/天に登る/青の門/フウ/ごびらっふの死/運命の人。第8巻:支那点々/点・線・天/止る歩く/印度紀行。第9巻:火の車/火の車随筆/わが青春の記。第10巻:わが生活のうた/わが酒菜のうた/所々方々。第11巻:私の中の流星群/続・私の中の流星群。第12巻:止まらない時間のなかを/ばあばらぶう/アメリカプロレタリヤ詩集/サツコ・ヴアンゼツチの手紙。★未見。

楠山正雄(クスヤマ, マサオ、1884-1950)

  1. 講話《近代劇十二講〔思想・文学講話叢書〕》(新潮社、1922年8月25日)〔595-44〕
    楠山正雄の講話。★未見。

呉建(クレ, ケン、1883-1940)
坂本恒雄(サカモト, ツネオ、1888-1972)

  1. 呉建・坂本恒雄共著《内科書. 上巻,中巻,下巻》(南山堂書店、1937年★月★日)〔53-309ロ〕
    図版(場合によっては部分着色も)・写真多数掲載。横組、仮名はカタカナ書き。吉岡が勤務した南山堂の出版物のなかでもとりわけ名著とされていた本書は、新学説をとりいれ絶えず改訂された。上巻:訂6版、中巻:訂5版、下巻:訂6版あたりが吉岡が校正ゲラを届けた版次か。吉岡は一方の著者を「呉健」と記している。

クロフツ(Crofts, Freeman Wills、1879-1957)

  1. 大久保康雄訳《クロイドン発12時30分〔創元推理文庫〕》(東京創元社、1959年6月5日)〔933-cC94c-O(s)〕
    クロフツの小説。
  2. 大久保康雄訳《樽〔創元推理文庫〕》(東京創元社、1965年★月★日)〔Y81-1580〕
    クロフツの小説。★未見。

ケッセル(Kessel, Joseph、1898-1979)

  1. 堀口大學訳《昼顔》(第一書房、1932年6月15日)
    ケッセルの長篇小説。吉岡は「あれ〔〈感傷〉C・18〕は、ジョゼフ・ケッセルの『昼顔』という小説をぼくは戦前から読んでいるからね。映画の影響ではない」と語っている。大久保久雄編〈第一書房刊行図書目録〉には「(六月二十九日風俗を害する理由により発売禁止)」(《第一書房 長谷川巳之吉》、日本エディタースクール出版部、1984、二七九ページ)とある。「映画」は1967年公開。(〈ケッセルの《昼顔》と詩篇〈感傷〉〉参照)

ゲーテ(Goethe, Johann Wolfgang von、1749-1832)

  1. 澤西健訳《親和力》(白水社、1941年3月7日)〔F43-G56-2イウ〕
    ゲーテの小説。訳者の解説は「ゲーテのこの小説はジイドの『窄き門』の姉か母にも当る作品である」と始まる。
  2. 茅野蕭々訳《若いヹルテルの悩み〔岩波文庫〕》(岩波書店、1928年1月5日)
    ゲーテの書簡体小説。吉岡は「〔上野駅〕八時三十五分発の青森行の汽車に乗った。春さん〔佐藤春陵の姪〕は『童謡集』を読み、こちらは『若いヹルテルの悩み』を読み耽ける」と書いている。

飯田龍太・大岡信・高柳重信・吉岡実編《現代俳句全集〔全6巻〕》(立風書房、1977年9月5日-1978年3月5日)〔KH11-188〕
第1巻:赤尾兜子集/飯田龍太集/石原八束集/上村占魚集/加藤郁乎集/角川源義集
第2巻:桂信子集/金子兜太集/岸田稚魚集/草間時彦集/佐藤鬼房集/澤木欣一集
第3巻:鈴木六林男集/高柳重信集/田川飛旅子集/野澤節子集/野見山朱鳥集/能村登四郎集
第4巻:波多野爽波集/藤田湘子集/古澤太穂集/細見綾子集/三橋敏雄集/森澄雄集
第5巻:阿部完市集/飴山実集/飯島晴子集/宇佐美魚目集/大井雅人集/大岡頌司集/川崎展宏集/河原枇杷男集/後藤比奈夫集/鷹羽狩行集
第6巻:友岡子郷集/中村苑子集/林田紀音夫集/原裕集/広瀬直人集/福田甲子雄集/福永耕二集/宮津昭彦集/森田峠集/鷲谷七菜子集
以上44名の近影・略歴・作品400句(〈高柳重信集〉は219句、第5〜6巻の作品は250句)。作者による書きおろしの〈自作ノート〉。編者ほかによる〈解説〉(吉岡は高柳重信と河原枇杷男を担当)。装丁:前川直。
飯田龍太・大岡信・高柳重信・吉岡実編《現代俳句案内》(立風書房、1985年2月10日)は、本書の〈自作ノート〉を再録したもの――物故のため書きおろしでない角川源義(1917-1975)と野見山朱鳥(1917-1970)は除く――で、一部の文章では省略・加筆が行われた。〈執筆者紹介〉。〈作家別引用句索引〉。装丁:前川直。

古泉千樫(コイズミ, チカシ、1886-1927)

  1. 土屋文明・橋本徳寿編《古泉千樫歌集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1958年4月25日)〔911.168-Ko5422k-T〕
    900首余の作を選び、略年譜(橋本徳寿)・解説(土屋文明)を付す。

講座現代詩編集部編《講座現代詩. 第2巻〔詩の技法〕》(飯塚書店、1956年12月15日)〔908.1-I197k〕
吉岡は「〔飯島耕一は〕それからしばらくして、飯塚書店の《現代詩講座》に〈過去〉の一篇を採り上げ、鑑賞してくれたのだ」と書いている。飯島の文は〈イマアジュと想像力〉。

《講談全集》は全12巻。1928-29年、大日本雄弁会講談社刊。吉岡は「〔市川真間の叔母の〕家の豊富な蔵書類からわたしはいつも『講談全集』をぬきだして、読み耽ける。英雄豪傑から刀匠、忠僕までおもしろい話はつきない。一冊六百頁もある濃緑の布装の本で、二、三十巻位あったと思う」と書いている。第1巻は1928年10月1日発行、〈水戸黄門〉〈梁川庄八〉のほか3つの短篇を収録、全1214ページ、濃緑の布装本。他巻は★未見。(〈吉岡実と時代小説〉参照)

小林一茶(コバヤシ, イッサ、1763-1827)

  1. 荻原井泉水編《新編一茶俳句集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1935年2月15日)〔569-14〕
    小林一茶の俳句集。★未見。

小林多喜二(コバヤシ, タキジ、1903-1933)

  1. 小説《蟹工船〔日本プロレタリア作家叢書〕》(戦旗社、1929年★月★日)〔F13-Ko12-5ウ〕
    小林多喜二の中篇小説。★未見。

ゴーリキイ(Gor'kii, Maksim、1868-1936)

  1. 中村白葉訳《どん底〔岩波文庫〕》(岩波書店、1936年2月10日)〔982-G67ウ〕
    ゴーリキイの4幕の戯曲。★未見。

バンジャマン・コンスタン(Constant de Rebecque, Henri Benjamin、1767-1830)

  1. 大塚幸男訳《アドルフ〔岩波文庫〕》(岩波書店、1935年4月15日)〔569-14〕
    バンジャマン・コンスタンの小説。訳者は「『弟子』の作者ポール・ブールジェ氏がこの小説を殆どそらんじてゐるといふのはいはれなきことではない」と書いている。

西行(サイギョウ、1118-1190)

  1. 佐佐木信綱校訂《新撰山家集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1939年4月25日)〔特265-392〕
    西行の家集。★未見。

西東三鬼(サイトウ, サンキ、1900-1962)

  1. 句集《夜の桃》(七洋社、1948年9月5日)〔YD5-H-a911-193(マイクロフィッシュ)〕
    西東三鬼の戦後初の句集。1936年から1948年まで12年間の297句をほぼ制作順に収録。

斎藤史(サイトウ, フミ、1909-2002)

  1. 歌集《魚歌〔新ぐろりあ叢書〕》(ぐろりあ・そさえて、1940年★月★日)
    斎藤史の第一歌集。装丁:棟方志功。★未見。
    なお、ぐろりあ・そさえて刊行の〔新ぐろりあ叢書〕には、前川佐美雄《くれなゐ》、保田與重郎《ヱルテルは何故死んだか》、蔵原伸二郎《目白師》、伊藤佐喜雄《花の宴》、岩田潔《現代の俳句》、中谷孝雄《むかしの歌》、平林英子《南枝北枝》、小山祐士《魚族》、津村信夫《戸隠の絵本》、田畑修一郎《狐の子》、吉原公平《ボグド・ビダルマサヂ汗物語》、オーマー・カイヤム《ルバイヤット》、田中武彦《瑠璃》、長尾良《地下の島》、堀場正夫《遠征と詩歌》、伊崎浩司《討伐日記》などがある。
  2. 《斎藤史全歌集――昭和3年〜51年》(大和書房、1977年12月25日)〔KH519-118〕
    斎藤史の全歌集。吉岡は本書の内容見本に推薦文〈《魚歌》の好きな歌〉を書いている(随想にその一部を引用)。のち増補改訂版《斎藤史全歌集――1928-1993》(大和書房、1997年5月20日)〔KH519-G252〕が出ており、吉岡の推薦文は同書の別冊に再録されている。
  3. 歌集《ひたくれなゐ〔原型叢書〕》(不識書院、1976年★月★日)〔KH519-95〕
    斎藤史の歌集。迢空賞受賞。★未見。

斎藤茂吉(サイトウ, モキチ、1882-1953)

  1. 歌集《あらたま〔アララギ叢書〕》(春陽堂、1921年1月★日)〔357-139-(10)〕
    斎藤茂吉の第二歌集。1913年から1917年までの作品746首を収める。★未見。
  2. 歌集《赤光〔アララギ叢書〕》(東雲堂書店、1913年10月★日)〔YD5-H-特102-298(マイクロフィッシュ)〕
    斎藤茂吉の第一歌集。1905年から1913年までの作品834首を収める。★未見。

左川ちか(サガワ, チカ、1911-1936)

  1. 《左川ちか詩集》(昭森社、1936年11月20日)〔723-175〕
    歿後、全76篇を収録して刊行。百田宗治〈詩集のあとへ〉、〈左川ちか詩集覚え書〉(刊行者)、〈左川ちか小伝〉。
    挿画・装画:三岸節子。350部限定内50部特装。のち、本詩集に拾遺詩篇ほかを加えた限定550部の《左川ちか全詩集》(森開社、1983年11月27日)が出ている。(〈初期吉岡実詩と北園克衛・左川ちか〉参照)

佐藤春夫(サトウ, ハルオ、1892-1964)

  1. 詩集《春夫詩鈔〔岩波文庫〕》(岩波書店、1936年3月30日)〔569-14〕
    佐藤春夫のほぼ全詩を作者自身が編んだ詩抄。★未見。(〈吉岡実と佐藤春夫〉を参照)

ジョルジュ・サンド(Sand, George、1804-1876)

  1. 宮崎嶺雄訳《笛師のむれ. 上,下巻〔岩波文庫〕》(岩波書店、1937年10月15日・1939年5月2日)〔569-14〕
    ジョルジュ・サンドの田園小説(〈ジョルジュ・サンドの田園小説《笛師のむれ》のこと〉参照)。

ジイド(Gide, Andre、1869-1951)

  1. 三好達治訳《アンドレ・ワルテル――手記及び詩〔新潮文庫〕》(新潮社、1938年6月11日)〔730-174〕
    アンドレ・ジイド処女出版の詩的散文。
  2. 堀口大學訳《女の学校・ロベエル》(第一書房、1937年2月20日)〔725-101〕
    アンドレ・ジイドの小説。
  3. 河盛好蔵訳《コンゴ紀行〔岩波文庫〕》(岩波書店、1938年9月15日)〔730-274〕
    アンドレ・ジイドの日記。★未見。
  4. 山内義雄訳《窄き門》(白水社、1931年★月★日)〔607-410〕
    アンドレ・ジイドの小説。★未見。
  5. 川口篤訳《田園交響楽〔岩波文庫〕》(岩波書店、1933年4月25日)〔569-14〕
    アンドレ・ジイドの小説。★未見。
  6. 山内義雄訳《贋金つくり》(白水社、1935年★月★日)〔568-554〕
    アンドレ・ジイドの長篇小説。★未見。
  7. 川口篤訳《背徳者〔岩波文庫〕》(岩波書店、1936年10月30日)〔F53-G42-3aウ〕
    アンドレ・ジイドの小説。★未見。

志賀直哉(シガ, ナオヤ、1883-1971)

  1. 長篇小説《暗夜行路. 前,後篇〔岩波文庫〕》(岩波書店、1938年3月10日・1938年6月15日)〔730-85〕
    志賀直哉の長篇小説。★未見。
  2. 《志賀直哉集〔現代日本文学全集〕》(改造社、1928年7月1日)〔918.6-G34ウ〕
    吉岡は「今でも印象にあるのは、夜店で買った改造社の『現代日本文学全集』の豪華版背皮の『志賀直哉集』と『山本有三集』の二冊であった」と書いている。通常版はオレンジのクロス装(装丁:杉浦非水)。以下の47篇の作品を収録している。
    暗夜行路/或る朝/網走まで/荒絹/濁つた頭/老人/母の死と新しい母/正義派/出来事/速夫の妹/襖/剃刀/祖母の為に/子供三題/鵠沼行/廿代一面/クローディアスの日記/清兵衛と瓢箪/范の犯罪/冬の往来/黒犬/佐々木の場合/好人物の夫婦/赤西蠣太/流行感冒/十一月三日午後の事/城の崎にて/濠端の住ひ/小僧の神様/焚火/雪の日/真鶴/雨蛙/転生/大津順吉/或る男、其姉の死/和解/矢島柳堂/蘭齋歿後/プラトニック・ラヴ/弟の帰京/山形/過去/山科の記憶/痴情/瑣事/晩秋

篠山紀信(シノヤマ, キシン、1940- )

  1. 篠山紀信写真《四谷シモン 人形愛》(美術出版社、1985年6月10日)〔Y78-7705〕
    監修:澁澤龍彦、写真:篠山紀信による四谷シモン初の作品集。吉岡は詩篇〈薄荷〉(K・6)を寄稿している。

島崎藤村(シマザキ, トウソン、1872-1943)

  1. 感想集《桃の雫》(岩波書店、1936年6月5日)〔708-80〕
    島崎藤村の感想集。(〈吉岡実の装丁作品(134)〉参照)

島田清次郎(シマダ, セイジロウ、1899-1930)

  1. 小説《地上. 第1部――地に潜むもの〔新潮文庫〕》(新潮社、1933年4月10日)〔630-8〕
    島田清次郎の小説。★未見。

フランシス・ジャム(Jammes, Francis、1868-1938)

  1. 三好達治訳《夜の歌〔岩波文庫〕》(1938年12月15日)〔730-412〕
    フランシス・ジャムの散文詩集。★未見。

ジャン・ジュネ(Genet, Jean、1909-1986)

  1. 堀口大學訳《花のノートルダム〔現代フランス文学叢書〕》(新潮社、1953年12月25日)〔953-cG32h-H(マイクロフィッシュ)〕
    ジャン・ジュネの長篇小説。処女作品。

ジェイムズ・ジョイス(Joyce, James、1882-1941)

  1. 伊藤整・松永定・辻野久憲訳《ユリシイズ. 前,後編》(第一書房、1931年12月10日・1934年5月25日)
    ジェイムズ・ジョイスの長篇小説。★未見。第一書房版をはじめ、1930年代の《Ulysses》邦訳書に関しては、川口喬一《昭和初年の『ユリシーズ』》(みすず書房、2005年6月16日)に詳しい。(〈吉岡実とジェイムズ・ジョイス〉参照)

興文社刊の《小学生全集》は、菊池寛編《幼年童話集. 上》(1927年★月★日)〔児乙部全集-S-1〕などから成る小学生向けの叢書。以下に各巻書名を列記する。★未見。
青い鳥/アラビヤ夜話集/アリス物語/アンデルセン童話集/家なき子/家なき娘/イソップ童話集/魚の世界・獣の世界/海へ山へ/海の科学/園芸と小家畜/オモシロヱホン/面白文庫/音楽の話と唱歌集/海軍と海戦の話/外国文芸童話集/外国歴史物語/教育映画物語/極地探検記/ギリシヤ神話/クオレ/黒馬物語・フランダースの犬/グリム童話集/源平盛衰記物語/古今東西乗物絵本/子供技師/子供生理衛生物語/子供電気学/子供動物植物学/算術の話/宗教童話集/修養絵本/小学趣味読本/小公子/小公女/少年探偵譚/少年百科辞典/少年立志伝/児童劇集/児童工業物語/児童スポーツ/児童物理化学物語/児童漫画集/ジャングルブック/人類と生物の歴史/西洋偉人伝/世界一周旅行/世界童話集/太閤記物語/太平記物語/忠臣蔵物語・曽我物語/天文の話・鉱物の話/鳥物語/動植物絵本/日本偉人傳/日本一周旅行/日本剣客伝/日本建国童話集/日本世界偉人画伝/日本童謡集/日本童話集/日本武勇談/日本文芸童話集/日本文芸童話集/日本歴史童話集/乃木将軍と東郷元帥/発明発見物語/飛行機の話/美術と図画/ピーターパン/ホーマー物語/漫画絵物語/虫の絵物語/明治大帝/メンタルテスト集/幼年童話集/世の中への道/陸軍と陸戦の話/ロビンソン漂流記

筑摩書房刊の《小学生全集》(1951年7月10日-1957年11月5日)は全100巻。安倍能成・志賀直哉・中谷宇吉郎監修。装丁は庫田叕。A5判・並製・機械函入。丸山薫著・吉田健男絵《新しい詩の本》〔児911.58-M191a〕などから成る小学生向けの叢書。吉岡は「私は昭和二十六年に、筑摩書房に入って、新企画の《小学生全集》を、先輩の一人と担当した」と書いている。以下に各巻書名を列記する。なお、表紙絵や口絵や挿絵を吉田健男(1951年から1954年にかけて吉岡と同居していた画家)が担当した書名には◆印を、同じく太田大八が担当した書名には■印を付す。一部(刊行年月日を記載した書名)を除き★未見。(〈太田大八さんを偲ぶ〉および〈吉岡実と吉田健男〉〈吉田健男の装丁作品〉参照)
新しい詩の本(1952年1月31日)◆/アラビアンナイト(1955年2月5日)■/アンデルセン童話集/家なき子(1954年8月31日)◆/イソップものがたり/偉大な一生/一年生ものがたり/一茶さん/海の灯・山の灯(1952年11月30日)/海をひらいた人びと/うめの花と貝がら/エヴェレストの頂上へ(1955年6月30日)■/おやゆびこぞう/海底をさぐる/科学むかしばなし/科学をすすめた人びと/風の又三郎/家族(1951年9月10日)/ガリバー旅行記/機械を田や畑に/キャラバン物語/ギリシア神話/ぎんやんま/くふうする人間(上級:1951年12月5日)/くもの糸(1954年1月15日)■/グリム童話集/黒馬ものがたり(1955年9月15日)■/原子の国のアリス/ことばの学校(1951年12月25日)◆/ごんぎつね/こん虫採集ノート/さいゆうき/算数ちえだめし/四季のかんさつノート/十人の音楽家/十人の画家/小公子(1956年1月30日)/じょうぶなからだ/植物は生きている/生物のふしぎ/西洋史ものがたり/世界おとぎばなし/世界首都ものがたり/仙人になった人/空はどれだけ広いか/たあんきぽおんき/タカの子/たのしい音楽/為朝ものがたり/だれもいない町/出る船・はいる船/電気とはどんなものか/動物園/東洋史ものがたり/トム・ソーヤーの冒険/トルストイ童話集/ドン・キホーテー児童劇集(1951年10月15日)/日本おとぎばなし/日本史ものがたり/日本地理ものがたり/日本の神話/日本むかしばなし/ねぎうえごんさん/のりもののはなし/花の魔術師(1954年1月5日)◆/春をつげる鳥(1951年11月30日)/光と影の絵本/微生物のはなし/ピノッキオ(1953年4月15日)/火の鳥/袋かつぎの王子/ふしぎなげた/ふしぎな地球/船のおいたち/捕鯨の旅(1953年5月20日)■/本のはなし/水の科学/水の旅/ミノスケのスキー帽/ものいう魚たち(1951年9月10日)■/ものまねの名人/門番の子ブレーズ(1951年9月10日)/山ではたらく人びと/山のけものたち/山の湖/よしきりものがたり(1952年1月15日)/義経ものがたり/良寛さま/レンズと鏡の実験と工作/私たちの作文(低学年:1951年12月25日、高学年■:1951年11月15日)/私たちのすまい/私たちの人形芝居/わたしの家のアルバム/わらしべ長者

白石かずこ(シライシ, カズコ、1931- )

  1. 詩集《今晩は荒模様》(思潮社、1965年12月15日)〔911.56-Si545k〕
    白石かずこの第四詩集。〈真夏のユリシーズ〉などを収録。装画・エッチング:池田満寿夫。★未見。
  2. 詩集《聖なる淫者の季節》(思潮社、1970年★月★日)〔KH561-35〕
    白石かずこの詩集。★未見。
  3. 詩集《卵のふる街》(恊立書店、1951年9月25日)
    白石かずこの第一詩集。
  4. 詩集《虎の遊戯》(世代社、1960年9月1日)〔911.56-Si545t〕
    白石かずこの第二詩集。装丁・写真:清水俊彦。★未見。
  5. 詩集《もうそれ以上おそくやってきてはいけない》(思潮社、1963年3月1日)〔911.56-Si545m〕
    白石かずこの第三詩集。写真:沢渡朔。レイアウト:園原淳。★未見。

白崎秀雄(シラサキ, ヒデオ、1920-1993)

  1. 評伝《鈍翁・益田孝》(新潮社、1981年8月25日)〔GK79-57〕
    白崎秀雄による一代の茶人・益田孝の評伝。吉岡は「昨年の夏、白崎秀雄『鈍翁・益田孝』が刊行された。渇望久しいものなので、一気に読み感銘した」と書いている。★未見。

沈復(シン, フク、1763-?)

  1. 佐藤春夫・松枝茂夫訳《浮生六記――うき世のさが〔岩波文庫〕》(岩波書店、1938年9月15日)〔730-275〕
    沈復の自伝小説。★未見。
  2. 松枝茂夫訳《浮生六記――浮生夢のごとし〔岩波文庫〕》(岩波書店、1981年10月16日)〔KK271-11〕
    沈復の自伝小説。吉岡は「長いこと絶版の後、つい最近復刻(正確には新訳)された。初版本の副題「うき世のさが」とあったものを、新版では「浮生夢のごとし」と改められていた。共訳者としての佐藤春夫の名が省かれているのは、淋しい気もするが、松枝茂夫の新訳なら当然であろう」と書いている。

鈴木志郎康(スズキ, シロウヤス、1935- )

  1. 詩集《罐製同棲又は陥穽への逃走》(季節社、1967年3月★日)
    鈴木志郎康の第二詩集。《鈴木志郎康詩集〔現代詩文庫22〕》(思潮社、1969年4月15日)〔KH573-5〕に全篇収録されている。なお吉岡が部分引用している「プアプア詩篇」は〈法外に無茶に興奮している処女プアプア〉から。★未見。

スタンダール(Stendhal、1783-1842)

  1. 桑原武夫・生島遼一訳《赤と黒. 上,下巻〔岩波文庫〕》(岩波書店、1933年7月10日・1934年4月30日)〔569-14〕
    スタンダールの小説。★未見。
  2. 前川堅市訳《パルムの僧院. 上,下巻〔岩波文庫〕》(岩波書店、1935年1月25日・1937年6月15日)〔569-14〕
    スタンダールの小説。★未見。

J・スミス(Smith, John、★)

  1. 原笙二訳《トルー・ラヴ》(美和書院、1951年★月★日)〔933-cS65t-H〕
    J・スミスの小説。★未見。

瀬津巖(セツ, イワオ、1937- )

  1. 〔瀬津巖編〕《雅――益田鈍翁》(瀬津雅陶堂、1980年10月1日)
    題字:松永耳庵、益田鈍翁最後の肖像写真、瀬津巖〈ごあいさつ〉、衛藤駿〈益田鈍翁――その茶美の境地〉、原色図版〈1―天人 法隆寺金堂天蓋装飾〉〈2―鳳凰 法隆寺金堂天蓋装飾〉〈3―麻布山水図 正倉院伝来〉〈麻布山水図(部分)〉〈4―過去現在絵因果経断簡〉〈5―伎楽鼓胴 東大寺伝来〉〈6―「何傷」 弘法大師筆崔子玉座右銘〉〈7―聖観音菩薩像 興福寺千体仏の中〉〈8―鍍金宝相華文盤 正倉院伝来〉〈9―螺鈿蜻蛉蝶菊文鞍〉〈10―源氏物語絵巻断簡 「夕霧」〉〈11―紫式部日記絵詞断簡 「紫式部を訪ねる実成と斉信」〉〈12―普賢菩薩十羅刹女図〉〈普賢菩薩十羅刹女図(部分)〉〈普賢菩薩十羅刹女図(部分)〉〈13―宗達下絵鹿図和歌断簡 光悦筆〉〈14―一重切花生 銘 小田原 千利休作〉〈15―黒楽茶碗 銘 鈍太郎 原叟作〉〈16―志野茶碗 銘 広沢〉〈17―松波文蓋物 光琳乾山合作〉〈18―猫図 伝 徽宗皇帝筆〉〈19―一山一寧墨蹟 六祖の偈〉、図版目録、〈益田鈍翁年譜〉。吉岡は「「雅」という茶褐色の表紙の図録一冊が、わが家に届いた。それは、瀬津雅陶堂が、一代の茶人益田孝の鍾愛の旧蔵品を、折々に展示し、その遺徳を偲んでの行事であるらしい。これは第四回目の催の図録である。鈍翁の蒐集品は、天平、平安期の仏教美術、絵巻説話画、茶器、金工品、宗達光琳派の作品、古筆、墨蹟から、大和古墳出土品まで、厖大なものだそうだ」と書いている。(〈吉岡実と骨董書画〉参照)
    〈吉岡実と骨董書画〉で記したように、本書収録の衛藤駿の〈益田鈍翁――その茶美の境地〉は吉岡の引いた「衛藤駿解説」には該当しない。したがって、衛藤の解説とされる「額のまるい斑点と尻尾のみが黒い白猫が、背をまるめ、銀の眼を見ひらいて踊る。ただそれだけの絵であるが、悠揚たる気品がただよい、大自然の神韻を聴く想いがする。」という文章の出典は不詳。

《千夜一夜物語》《アラビアンナイト》は「中世イスラム世界で生まれ、近世ヨーロッパで再発見された」(西尾哲夫)、著者不明の物語集。9世紀に初めてアラビア語で書かれた。吉岡が「まとまって長いものを読んだのは、中央公論社版の『千夜一夜物語』位だろう。×××があって、恐しくエロチックな描写に大変興奮したように思う」と書いているのは、訳者代表・大宅壮一の総合翻訳(底本はリチャード・バートンによる英訳版)《千夜一夜〔全12巻〕》(中央公論社、1929年12月25日-1930年★月★日)であろう(〈吉岡実と《アラビアンナイト》〉参照)。以下に本文の見出しを掲げる。
第1巻〕シャーリアール王兄弟の話/商人と魔神の話/漁師と魔神の話/バグダッドの担夫と三人の女の話/三つの林
檎の話/ヌーラッヂーン・アリーとその子バヅル・アルヂン・ハッサンの話/佝僂の話/ヌーラッヂーン・アリーと娘アニス・アルジャリスの話/アイユーブの子の恋に狂つたガーニムの話
第2巻〕 アルヌウーマンのオーマール王と王子シャールカンとザウ・アルマーカンの話/鳥獣と大工の話/隠者の話/水禽と亀の話/狼と狐の話/廿日鼠と猫鼬の話/猫と鴉の話/狐と鴉の話/猬〔イ〕と斑鳩の話/猿を飼ふ泥棒の話/雀と孔雀の話/バッカールのアリーとシャムス・アルナハールの話
第3巻〕 カマール・アルザーマンの話/アラッヂーン・アブッシャーマートの話/タイー族のハーチムの話/ザイダーの子マーンの話/城市ラブタイトの話/教主ヒシャームとアラビアの若者の話/アルマーヂのアブラハムと理髪師の話/円柱の城市イラムの話/モスールのイサクの話/掃除人と貴婦人の話/偽教主の話/ペルシヤ人アリーの話/ハルン・アルラシッドと女奴隷と回教僧アブー・ユースフの話/自分を盗賊と偽つた恋人の話/バルマーキー家のジャアファールと豆売の話/のらくらアブー・モハメッドの話/寛大なるヤーヤーの話/教主アルマームンと旅の学者の話/アリー・シャールとズムルードの話/ウマイルのユーバイルとブヅール姫の恋の話/アルヤーマンの男とその六人の女奴隷の話/ハルン・アルラシッドとアブー・ノワースの話/犬が使つた金の皿を盗んだ男の話/アレキサンドリヤの詐欺師と警務長の話/アルマリーク・アルナーシールと三人の警務長の話/盗人と両替屋の話/クースの警務長と詐欺師の話
第4巻〕 アルマーヂの子アブラハムと商人の妹の話/貧しき者に施与したゝめに手を切られた女の話/信心深いユダヤ人の話/アブー・ハッサン・アルジャーヂとコーラサーンの男の話/誠実な友を持つた貧乏な男の話/零落した男が夢で金持になつた話/教主アルムタワッキールとその側女マーブーバーの話/肉屋ワルダンの冒険の話/王女と猿の話/黒檀の馬の話/ウンス・アルーユードと薔薇姫の話/アブー・ノワースと三人の美少年の話/マーマールのアブダラーとバッソラーの男の話/バヌー・オズラー族の恋人たちの話/アルヤーマンの大臣とその弟の話/授業中の男生徒と女生徒の恋の話/アルムタラミスとその妻ウマイマーの話/ハルン・アルラシッドと水浴場の王妃ズバイダーの話/ハルン・アルラシッドと三人の詩人の話/アルズバイルのムサーブとタルハーの娘アイーシャーの話/アブー・アラスワードとその女奴隷の話/ハルン・アルラシッドと二人の女奴隷の話/ハルン・アルラシッドと三人の女奴隷の話/粉屋とその妻の話/馬鹿と詐欺師の話/大法官アブー・ユースフとハルン・アルラシッドと王妃ズバイダーの話/教主アルハキームと商人の話/キスラー・アヌーシルワーン王と村の娘の話/水売りと飾屋の妻の話/クースラウ王と王妃シリン及び漁師の話/カーリッドの子ヤーヤーと貧乏な男の話/モハメッド・アラミーンと女奴隷の話/カーリッドの子たちとサーリム・アルバイリのサイードの話/夫を陥れた妻の話/信心深い女と二人の悪い老人の話/バルマーキー家のジャアファールと年老いた漂浪者の話/アルカーターブのオーマールと若い漂浪者の話/アルマームンとエジプトのピラミッドの話/盗人と商人の話/宦官マスルールとイブン・アルカリビーの話/狂信者の王子の話/噂から恋に落ちた馬鹿な先生の話/馬鹿な先生の話/先生になつた文盲の話/王と貞婦の話/マグリビのアブダル・ラーマンが物語つた大鵬の話/ザイドの子アヂーと王女ヒンドの話/ヂービル・アルクーザーイと貴婦人の話/モスールのイサクと商人の話/三人の不幸な恋人の話/アブー・ハッサンが放屁した話/タイー族の恋人の話/恋に狂つた男の話/回教徒になつた僧院長の話/アブー・イサーとクーラート・アラインの恋の話/アラミンとその叔父アルマーヂのアブラハムの話/カーカンのアルファスとアルムタワッキールの話/博学の女と男女の優劣を論じあつた男の話/アブー・スワイドと美しい老婆の話/ターヒールのアリーと娘ムーニスの話/子供を情夫に持つた女と大人を情夫に持つた女の話/カイロの商人アリーとバグダッドの幽霊屋敷の話/巡礼の男と老婆の話/アブール・フースンと奴隷娘タワヅードの話/死神と傲慢な王と信心深い男の話/死神と裕福な王の話/死神とイスラエルの子等の王の話/イスカンダール・ズール・カールナインの話/アヌーシルワーン王の話/ユダヤ人の役僧とその信心深い妻の話/難船に遇つた女とその子供の話/信心深い黒人奴隷の話/信心深い盆つくりとその妻の話/アルハジャージと信心深い男の話/平気で火を掴める鍛冶屋の話/雲を授かつた行者と信心深い王の話/回教徒の勇士と基督教徒の娘の話/基督教徒の王女と回教徒の話/預言者と神の審判の話/ナイルの渡守と隠者の話/島の王と信心深いイスラエル人の話/アブール・フースンの癩病患者アブージャ・アファールの話/大蛇の女王の話
第5巻〕海のシンヂバードと陸のシンヂバードの話/真鍮の城市の話/女の怨恨と奸智の話/ユーダールとその兄弟たちの話/ガーリブとその兄アジーブの話
第6巻〕 オトバーとライヤーの話/アルヌウーマンの娘ヒンドとアルハジャージの話/ビシルの子クーザイマーとイクリマー・アルファイヤーヅの話/律法学者ユーヌスと教主サールのワーリッドの話/ハルン・アルラシッドとアラビア娘の話/アラスマーイとバッソラーの三人娘の話/モスールのアブー・イサクと悪魔の話/ウヅラー族の恋人同士の話/漂浪者とその妻の話/バッソラーの恋人同士の話/モスールのイサクとその情婦と悪魔の話/メヂナの恋人同士の話/アルマリーク・アルナシールとその大臣の話/策略に長けた母ダリーラーと娘ザイナーブとがうつた芝居の話/盗賊の神と呼ばれたアリーの話/アルダシールとハイヤート・アルヌフースの話/海に生れたジュルナールとその子ペルシヤのバヅル・バージム王の話/サーバイクのモハメッド王と商人ハッサンの話/バッソラーのハッサンの話
第7巻〕バグダッドの漁師カーリファーの話/バグダッドの漁師カーリーフの話(ブレスラウ版)/マスルールとザイン・アルマワーシフの話/ヌーラッヂーン・アリーと王女ミリアムの話/北エジプトの商人の話/バグダッドの落ぶれ男と女奴隷の話/印度王ジャリーヤードと大臣シマースの話/染物師アブー・キールと理髪師アブー・シールの話/漁師アブヅラーと人魚アブヅラーの話
第8巻〕 ハルン・アルラシッドとオーマンの商人アブール・ハッサンの話/アブラハムとヤムラーの話/コーラサーンのアブール・ハッサンの話/カマール・アルザーマンと宝石商人の妻の話/ファージルのアブヅラーと二人の兄の話/靴屋マールーフとその妻ファチマーの話/大団円/「千夜一夜」研究(ターミナル・エッセイ)
以下に「増補夜話[サプリメンタル・ナイト]」の見出しを掲げる。
第9巻〕 十人の大臣の話/シャー・バークト王とその大臣アルラーワンの話/ハルン・アルラシッドとナーフィーのアブヅラーの話/ダマスクのヌーラッヂーンとシットアルミラーの話/アルマリーク・アルザーヒル王と十六人の警吏の話/ヤーヤーの子ジャアファールとアッバス家のサリーの子アブダル・マリークの話/アルラシッドとバルマーキー家の話/イブン・アルサマークとアルラシッドの話/アルマームンとズバイダーの話/アルヌウーマンとバヌー・ターイのアラビア人の話/フィールーズとその妻の話/女にも智慧があることを証明した女の話/アリ・ババと四十人の盗賊の話
第10巻〕 アーマッド王子と魔女ベリー・バヌーの話/妹を妬んだ二人の姉の話/ザイン・アラスナームの話/カイスのインス王とその王子とアラジス王の王子の話/シンド王の王子とファチマー姫の話/アリーク・ワージャーとバグダッドの商人の話/シリヤの恋人同士の話/ユースフの子アルハジャージとサーイドの若者の話/教主夜の冒険の話/シヂ・ヌーマンの話/クワージャー・ハッサン・アルハバールの話/ハルン・アルラシッドと若者マンジャーブの話/側女と教主の話/アルマームーンの側女の話/クーダダッドとその兄弟の話/ダルヤバールの王女の話/子供を産んだ大法官の話/アラッヂーンと不思議なランプの話
第11巻〕 法官と麻酔薬を飲む男の話/商人の娘とイラクの王子の話/アルハイファーとユースフとの恋の話/賢者ハイカールの話/モハメッドとその恋人と妻の話/支那の三人の王子の話/カイロの女とその女にいひ寄つた四人の男の話/アラッヂーンの話/アッターフの話/アッターフの話(アレキサンダー・ジェー・コシール氏の稿本に依る)/二人の王と大臣の娘の話(第二の大団円)
第12巻〕「千夜一夜」増補夜話の異聞及び類話の研究/原訳者序文/「千夜一夜」及び「増補夜話」総目次/ほか

ゾラ(Zola, Emile Edouard Charles Antoine、1840-1902)

  1. 宇高伸一訳《ナナ. 上,下巻〔新潮文庫〕》(新潮社、1933年4月10日)〔630-8〕
    ゾラの長篇小説。★未見。

高橋康也(タカハシ, ヤスナリ、1932-2002)

  1. 《サミュエル・ベケット〔今日のイギリス・アメリカ文学〕》(研究社出版、1971年2月25日)〔KR112-8〕
    吉岡は「高橋康也の《S・ベケット》が最良の入門書だとの世評である。私は街でそれを探したが見つからないからと、康也さんに無心した」と書いている。吉岡が触れている《想像力は死んだ想像せよ》はベケットの極小テクストの散文作品。(〈吉岡実とサミュエル・ベケット〉および〈挨拶文のない署名用の栞〔高橋康也宛〕〉を参照)

高柳重信(タカヤナギ, シゲノブ、1923-1983)

  1. 句集《青彌撒》(深夜叢書社、1974年10月15日)
    高柳重信の句集。173句収録。限定500部。
  2. 句集《黒彌撒》(琅玕洞、1956年7月〔日の記載なし〕)〔911.56-Ta452k〕
    高柳重信の句集。138句収録。限定200部。句集《蕗子》《伯爵領》《罪囚植民地》収録。このうち新作は《罪囚植民地》。
  3. 《罪囚植民地》は高柳重信の第四句集。56句収録。句集《黒彌撒》に併載。句集《罪囚植民地》は、のちに例外的に企画された特別限定版35部を除くと、独立した形(単行句集)としては存在しない。
  4. 句文集《山海集》(冥草舎、1976年9月15日)
    高柳重信の第七句集。84句収録。散文〈不思議な川〉を併載。限定600部。造本:山田良夫。
  5. 句集《前略十年》(酩酊社、1954年6月15日)
    高柳重信の第三句集。初期の一行作品251句収録。限定88部。1973年12月20日、限定155部で端渓社から再刊されている。
  6. 《高柳重信全句集》(母岩社、1972年3月7日)〔KH582-137〕
    《黒彌撒》所収の《蕗子》《伯爵領》《罪囚植民地》の3句集に第五句集《蒙塵》と第六句集《遠耳父母》を収録して274句を集成した高柳重信のこの時点での全句集。限定500部。装丁:吉岡実。装画:寺田澄史。別冊〈高柳重信・覚書〉。(〈吉岡実の装丁作品(46)〉参照)
  7. 飯田龍太・大岡信・中村苑子・三橋敏雄・吉岡実編《高柳重信全集. 第1巻》(立風書房、1985年7月8日)〔KH582-1093〕
    《高柳重信全集》は全3巻で第1巻は〈俳句作品〉。《前略十年》《蕗子》《伯爵領》《罪囚植民地》《蒙塵》《遠耳父母》《山海集》《日本海軍》〈日本海軍・補遺〉《山川蝉夫句集》〈山川蝉夫句集以後〉《蕗子(黒彌撒版)》《伯爵領(黒彌撒版)》《山川蝉夫句抄》を収録。限定600部。吉岡は本全集の編集委員にして装丁者。なお〈日本海軍・補遺(その三)〉の初出は《俳句研究》1983年8月号。
  8. 句集《日本海軍》(立風書房、1979年9月30日)〔KH582-457〕
    高柳重信の第八句集。78句収録。装丁:前川直。吉岡は帯に〈現代俳句の一変奏〉を寄せている (〈吉岡実の帯文〉参照)。また「わが家には残念ながら、重信の色紙は一枚もないのだ。私は仕方なく、『日本海軍』特装本から「弟よ」の染筆一葉を、注意深く引き剥した」と随想に書いている。
  9. 句集《伯爵領》(黒彌撒発行所、1952年2月1日)
    高柳重信の第二句集。32句収録。限定100部。カット:山本あつ子。
  10. 句集《蕗子》(東京太陽系社、1950年8月25日)
    高柳重信の第一句集。47句収録。〈逃竄の歌〉〈盗汗の歌〉〈なげき節〉〈子守歌〉〈廃嫡の歌〉から成る。限定120部。装丁:中原史人。製本:池上浩山人。
  11. 句集《山川蝉夫句抄〔叢書水の梔子〕》(湯川書房、1977年3月10日)
    高柳重信の第八句集。100句収録。限定300部。解題:塚本邦雄。増補新訂版《山川蝉夫句集》(俳句研究新社、1980年6月5日)〔KH582-471〕がある。

高柳蕗子(タカヤナギ, フキコ、1953- )

  1. 歌集《ユモレスク》(沖積舎、1985年5月7日)〔KH582-1037〕
    高柳蕗子の第一歌集。〈ピープル・ユモレスク〉〈アニマル・ブルース〉〈スペース・ララバイ〉〈センチメンタル・カノン〉〈ラブ・ソング〉〈ゴースト・マーチ〉〈オールド・スウィング〉の7章129首収録。栞に加藤克巳〈私信――パレオパラドキシヤ〉、井辻朱美〈A型でない歌〉。装丁:藤森省三。吉岡は「今年〔1985年〕の春闌けし頃、高柳蕗子歌集『ユモレスク』という薄い本が届いた」と書いている。

高浜虚子(タカハマ, キョシ、1874-1959)

  1. 高浜虚子編《新歳時記》(三省堂、1934年11月15日)〔647-121〕
    山本三生編《俳諧歳時記. 新年,春,夏,秋,冬》(改造社、1933年★月★日)〔632-24〕の冬の部を担当した高浜虚子が翌年に編んだ俳句歳時記。★未見。改訂版が1942年11月10日に出ている。

高見順(タカミ, ジュン、1907-1965)

  1. 《高見順日記. 第1巻》(勁草書房、1965年★月★日)〔915.6-Ta341t〕から《高見順日記. 続 第8巻》(勁草書房、1977年10月★日)〔915.6-Ta341t〕にいたる高見順日記全8巻と続高見順日記全8巻。
    高見順の日記。★未見。

瀧口修造(タキグチ, シュウゾウ、1903-1979)

  1. 詩画集《PROVERBIOS EN MANO》(ポリグラファ社〔バルセロナ〕、1970年5月★日)
    瀧口修造とジョアン・ミロの詩画集(手づくり諺)。60×80cmのポートフォリオ。★未見。
  2. アポリネール・瀧口修造訳《畧説 虐殺された詩人〔叢書溶ける魚〕》(湯川書房、1972年9月★日)
    初出誌《セルパン》(1935年9月号)掲載時のタイトルは、アポリネエル〈暗殺された詩人〉。300部限定。本書は叢書の第3回配本。★未見。
  3. 《コレクション瀧口修造. 5〔余白に書く. 2〕》(みすず書房、1994年5月25日)〔K21-E30〕
    〈ハンス・ベルメール断章〉の初出は《gq》誌創刊号(1972年9月)。
  4. 《瀧口修造全集》は未刊。吉岡は「瀧口家を私が訪問したのは、確か四、五年前のことだった。筑摩書房編集部の依頼で、瀧口さんとお会いした。それは《瀧口修造全集》出版の承認を頂けるかどうかという、一種の打診であった。「私のような者の全集など有ってはいけません」あるいは「私は全集を出すほどの者ではありません」と答えられたように思う。」と書いている。瀧口の著作は、のちに実質的な瀧口修造全集である《コレクション瀧口修造〔全13巻・別巻1〕》(みすず書房、1991年1月11日-1998年7月24日)としてまとめられた。刊行開始時の月報(第1回第6巻)で予告されたコレクションの構成は〔全13巻・別巻2巻(1:瀧口修造研究/アルバム、2:瀧口修造画帖)〕だったが、実際の〔別巻〕は「補遺・瀧口修造研究」1巻となった。刊行終了時の月報(第14回別巻)の〈編集室より〉には「最終回配本『別巻――補遺・瀧口修造研究』をお届け致します。〔……〕なお、造形作品を集成した巻は、別のかたちで刊行すべく計画しております。御了承下さい。」とあるが、2021年5月時点で、アルバム・画帖を含む瀧口作品はみすず書房から刊行されていない。最晩年の吉岡は、編者(小林)との歓談のおり、瀧口の「全集」がみすず書房から出ることをことのほか歓び、版元として同社が最もふさわしい旨を語った。
  5. 詩集《瀧口修造の詩的実験――1927〜1937》(思潮社、1967年12月1日)〔911.56-Ta613t〕
    瀧口修造の「詩的実験」。限定1500部。同書は1971年に〔縮刷版〕が、2003年12月に〔限定復刻版〕(挟み込み〈瀧口修造頌〉に初出誌面を流用した〈舵手の書〉(G・22)を再録)がそれぞれ刊行されている。
  6. 《手づくり諺集》は未刊。吉岡は「近頃つくられる〈諺〉がとても面白いから、是非《手づくり諺集》を出させて下さいと言ったら、百五十篇ほど出来たら、出してもよいと言われた」と書いている。のち《コレクション瀧口修造. 4〔余白に書く. 1〕》(みすず書房、1993年10月22日)〔K21-E30〕に〈手づくり諺――ジョアン・ミロに〉と〈「手づくり諺」ノート〉が収録されている。★未見。
    なお瀧口修造に関しては、〈吉岡実と瀧口修造(1)〉〈吉岡実と瀧口修造(2)〉〈吉岡実と瀧口修造(3)〉を参照のこと。

竹田出雲〔2世〕(タケダ, イズモ、1691-1756)

  1. 守随憲治校《仮名手本忠臣蔵 : 附・古今いろは評林〔岩波文庫〕》(岩波書店、1937年9月15日)〔569-14〕
    竹田出雲の戯曲。★未見。

田尻春夢(タジリ, シュンム、1893?-1951)

  1. 《田尻春夢全句集》(1977?)
    吉岡は「私の手元に《田尻春夢全句集》一巻がある。それは椿作二郎手づくりの和装本であり、二十数年前のガリ版句集《走馬燈》の増補版といえる」と書いている。★未見。
  2. 句集《走馬燈》(〔発行者・執行新吾〕、1952年9月21日)
    春夢田尻彦二郎の遺句集。149句収録。編集:松江川三郎(俳人・椿作二郎の本名)。口絵に著者肖像写真印画紙一葉貼込。吉岡は「〔《田尻春夢全句集》は〕椿作二郎手づくりの和装本であり、二十数年前のガリ版句集《走馬燈》の増補版といえる」と書いているが、本書は活版印刷本。(〈吉岡実の俳号〉の〔2005年2月28日追記〕参照)

伊達得夫(ダテ, トクオ、1920-1961)

  1. 《詩人たち――ユリイカ抄〔エディター叢書〕》(日本エディタースクール出版部、1971年7月20日)〔KG354-31〕
    伊達得夫遺稿集《ユリイカ抄》を改題して、新たに〈同人雑誌目録〉を付した新版。解説:大岡信。
  2. 遺稿集《ユリイカ抄》(伊達得夫遺稿集刊行会、1962年1月16日)
    書肆ユリイカ社主の伊達得夫が生前に発表したエッセイを収載した遺稿集。別冊に〈ユリイカ総目次〉〈ユリイカ刊行図書目録〉。限定200部、非売品。吉岡は《鰐》同人の一人として、本書の装丁を担当している。なお、吉岡の随想集《「死児」という絵》の標題作は、伊達から詩誌《ユリイカ》に四百行の長篇詩を乞われたときのことを回想したもの。(〈吉岡実の装丁作品(123)〉参照)

田中冬二(タナカ, フユジ、1894-1980)

  1. 詩集《山鴫》(第一書房、1935年7月8日)〔764-26〕
    田中冬二の第三詩集。装丁:長谷川巳之吉。限定1000部。(〈吉岡実と田中冬二もしくは第一書房の詩集〉参照)

谷川俊太郎(タニカワ, シュンタロウ、1931- )

  1. 詩集《日本語のカタログ》(思潮社、1984年11月30日)〔KH591-30〕
    谷川俊太郎の詩集。装丁:菊地信義。

谷口蕪村(タニグチ, ブソン、1716-1783)

  1. 潁原退蔵編註《蕪村俳句集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1932年5月20日)〔569-14〕
    蕪村の俳句集。1989年月3日16日刊の《蕪村俳句集――付 春風馬堤曲 他二篇〔岩波文庫〕》は尾形仂校注。

谷崎潤一郎(タニザキ, ジュンイチロウ、1886-1965)

  1. 《盲目物語・春琴抄〔岩波文庫〕》(岩波書店、1951年5月5日)
    谷崎潤一郎の小説集。吉岡が〈春琴抄〉を読んだのはこれより前の版か。★未見。

《楽しい小鳥の飼方――飼い方と経営》(永田厚平著、泰文館、1968年1月30日)の類の本を指しているのだろう。大野岩男文庫(福井県立図書館)所蔵の《楽しい小鳥の飼方》には、寄贈者である大野岩男/岩夫(?)氏の書き込みが随所に見られる。巻頭のカラー口絵には「牡丹インコ黄襟〔=キエリクロボタンインコ〕」があり、本文にも「牡丹インコ」の項目があるが(「見出しには牡丹インコと書いておいたが、本当はキエリクロボタンインコのことを述べるのである」、同書、二〇八ページ)、吉岡が随想〈飼鳥ダル〉で触れているダルマインコの項目はない。★未詳。(〈吉岡実の飼鳥〉参照)

種村季弘(タネムラ, スエヒロ、1933-2004)

  1. 種村季弘〔ほか〕編《ゾンネンシュターン展》(東京新聞事務局、1974年9月10日)
    リトアニア生まれの画家・ゾンネンシュターン(Schroder-Sonnenstern, Friedrich、1892-1982)の展覧会図録。吉岡は詩篇〈ゾンネンシュターンの船〉(G・24)の註に「*ゾンネンシュターンは「幻視者」といわれる異端の老人画家。引用句は、同展覧会目録より借用した。」と書いている。同展覧会の会場は西武百貨店池袋店7階、会期は1974年9月13日〜25日。

ウージェーヌ・ダビ(Dabit, Eugene、1898-1936)

  1. 《フランス現代小説. 〔第5〕》(第一書房、1936年6月20日)〔699-99〕
    ウージェーヌ・ダビ《北ホテル》(岩田豊雄訳)とラモン・フェルナンデス《青春を賭ける. 続》(菱山修三訳)を収める。

田村隆一(タムラ, リュウイチ、1923-1998)

  1. 詩集《緑の思想》(思潮社、1967年9月1日)〔911.56-Ta674m〕
    田村隆一の第四詩集。15篇を収録。★未見。
  2. 詩集《四千の日と夜――1945-1955》(東京創元社、1956年3月30日)〔911.56-Ta674s〕
    田村隆一の第一詩集。T〜Wのパートから成る。Tは〈幻を見る人〉など6篇、Uは〈腐刻画〉など9篇、Vは〈四千の日と夜〉など8篇、Wは〈一九四〇年代・夏〉など3篇で、詩集はこれらの26篇で構成される。(〈吉岡実詩の詩型――散文詩型〉参照)

塚本邦雄(ツカモト, クニオ、1920-2005)

  1. 歌集《装飾楽句》(作品社、1956年3月20日)〔911.168-Tu696k〕
    塚本邦雄の第二歌集。〈悪について〉〈地の創〉〈聖金曜日〉〈向日葵群島〉〈黙示〉〈装飾楽句〉〈流刑歌章〉〈霊歌〉〈収斂歌章〉の9章270首収録。〈跋〉中の「装飾楽句」に「カデンツア」とルビが振られている。
  2. 歌集《水葬物語》(メトード社、1951年8月7日)
    塚本邦雄の第一歌集。9章245首収録。限定120部。製本:池上浩山人。★未見。2009年1月23日、和綴じの原本を再現した復刻版〔W125-J28〕初刷505部が書肆稲妻屋から刊行された。

つげ義春(ツゲ, ヨシハル、1937- )

  1. 鶴見俊輔・佐藤忠男・北杜夫編《現代漫画〔第1期〕12〔つげ義春集〕》(筑摩書房、1970年2月25日)〔KC16-18〕
    つげ義春の短篇漫画〈ねじ式〉(《ガロ》増刊号〈つげ義春特集〉1968年6月)は発表後、種種の刊本に収録されている。定本は《つげ義春全集6〔ねじ式・夜が掴む〕》(筑摩書房、1994年2月25日)〔Y84-E4694〕。《つげ義春集》は〈沼〉〈チーコ〉〈初茸がり〉〈通夜〉〈山椒魚〉〈李さん一家〉〈峠の犬〉〈海辺の叙景〉〈紅い花〉〈西部田村事件〉〈長八の宿〉〈ほんやら洞のべんさん〉〈ねじ式〉〈ゲンセンカン主人〉〈もっきり屋の少女〉〈蟹〉〈やなぎ屋主人〉の17篇を収録、作家と作品:佐藤忠男〈微笑みについて〉、月報は★未見。(〈吉岡実とつげ義春〉参照)

椿作二郎(ツバキ, サクジロウ、1910- )

  1. 句集《冬鏡〔鶴叢書〕》(東京美術、1974年9月15日)
    椿作二郎の第一句集。生涯の師である田尻春夢に捧げられている。(〈吉岡実の俳号〉の〔追記〕参照)

坪野哲久(ツボノ, テツキュウ、1906-1988)

  1. 歌集《胡蝶夢》(不識書院、1974年9月10日)
    坪野哲久の第九歌集。1971〜73年に作歌・発表した短歌840首(1首重複につき、正確には839首)を全8章に収める。装丁:梶山俊夫。吉岡は「彼は手みやげがわりに、一冊の本を呉れた。それは坪野哲久の歌集《胡蝶夢》であった。発行所名を見ると、不識書院とあり、発行者は、中静勇とある。すなわち私の目の前にいる青年がそうであった」と書いている。

津村信夫(ツムラ, ノブオ、1909-1944)

  1. 散文集《戸隠の絵本〔新ぐろりあ叢書〕》(ぐろりあ・そさえて、1940年10月★日)〔915.6-Ts74ウ〕
    保田与重郎の斡旋で上梓された津村信夫の散文集。★未見。

ツルゲーネフ(Turgenev, Ivan Sergeevich、1818-1883)

  1. 吉岡は吉田一穂の散文詩〈石と魚――猟人日記〉(1920年執筆)に触れて、「たしかツルゲーネフの《猟人日記》から、想を得たというような言葉が、初版本《故園の書》の覚え書きに、あったように記憶している」と書いているが、吉田の散文詩集にそれらしい記述は見あたらない。生田長江訳《猟人日記》(新潮社、1918)〔31-691〕あたりが該当するようだ。★未詳。
    吉岡が1939年に読んだのは、中山省三郎訳《猟人日記. 上〔岩波文庫〕》(岩波文庫、1939年1月10日)〔780-36〕。★未見。

デュマ・フィス(Dumas, Alexandre、1824-1895)

  1. 吉村正一郎訳《椿姫〔岩波文庫〕》(岩波書店、1934年8月15日)〔569-14〕
    デュマの小説。★未見。

土井虎賀寿(ドイ, トラカズ、1902-1971)

  1. 《時間と永遠》(筑摩書房、1974年5月10日)〔H15-48〕
    土井虎賀寿の遺著。吉岡は「土井虎賀寿『時間と永遠』が出来たので、担当者として十冊を持って、生田の土井家に行く。杉野未亡人と娘の佐保嬢は喜び、一冊を霊前に供える。近くに住む装幀者の田中岑も招いて、シャンパンで祝杯をあげる」と書いている。(〈吉岡実の手掛けた本(1)〉参照)

陶潜(トウ, セン、365-427)

  1. 漆山又四郎訳註《陶淵明集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1928年9月10日)〔569-14〕
    陶淵明の作品集。★未見。

漆山又四郎訳註《唐詩選 : 訳註 附・作者略伝. 上,下巻〔岩波文庫〕》(岩波書店、1931年5月5日・1931年5月10日)〔569-14〕
唐詩のアンソロジー。★未見。

澄宮崇仁著・小野賢一郎編著《童謠集》(大阪毎日新聞社、1922年1月15日)
「童謡の宮さま」と呼ばれた澄宮崇仁[たかひと]親王殿下(大正天皇の第四皇子、1935年に三笠宮を創立)が1921
年に作った童謡10篇を収めた集(全篇に挿画つき〔作者名のクレジットなし〕)。著者近影写真のほか、散文〈御作歌について〉(無署名)・〈澄宮殿下の御日常〉(無署名)・〈宮様の御前にて〉(小野賢一郎)を収録。童謡は次のとおり(亀甲内は小林の補記、パーレン内は作曲者名)。〈ツキトガン〔月と雁〕〉(本居長世)・〈キヨウチクトウ〔夾竹桃〕〉(永井幸次)・〈タモザハガハ〔田母沢川〕〉(本居)・〈キンギヨ〔金魚〕〉(本居)・〈サトウ〔砂糖〕〉(永井)・〈リツシウ〔立秋〕〉(永井)・〈ウマ〔馬〕〉(本居)・〈サカ〔坂〕〉(永井)・〈マチノヒ〔街の灯〕〉(永井)・〈ユキ〔雪〕〉(本居)。全曲とも譜面を掲載。著者6歳の誕生日の1921年12月2日に本居長世が弾奏し、長世の娘(10歳の長女みどり?)が唱歌した。吉岡は「春さん〔佐藤春陵の姪〕は『童謡集』を読み、こちらは『若いヹルテルの悩み』を読み耽ける」と書いている。
なお《童謡集》という書名には、ほかに本文が英語のエフ・アーギランダー(棟方寅雄編)《Songs of Boys and Girls〔五色文庫・黄の巻〕》(育英書院、1927年★月★日)〔Y994-J6649〕などがある。また、大正半ばから昭和初年にかけて北原白秋の童謡集がアルス(《白秋全集》)や改造社(〔改造文庫〕)などからいくつも出ているが、「白秋の……」でない以上、除外してかまわないだろう。

ドストエフスキー(Dostoevskii, Fedor Mikhailovich、1821-1881)

  1. 原久一郎訳《貧しき人々〔岩波文庫〕》(岩波書店、1931年2月28日)〔569-14〕
    ドストエフスキーの処女作である書簡体小説。★未見。

土橋鉄彦(ドバシ, テツヒコ、1919?-1938)

  1. 《愛日遺藁》(★、1939?)
    土橋鉄彦の遺稿集。吉岡は「兄の利彦さん〔塩谷賛(1916-1977)の筆名で知られる幸田露伴研究家〕と夭折した友の想い出にふける。画家か小説家を志望していたそうだ」と書いている。★未詳。

富岡鉄斎(トミオカ, テッサイ、1836-1924)

  1. 《生誕一五〇年記念 富岡鉄斎展 目録》(京都新聞社、c1985〔年11月1日〕)〔KC16-E1658〕
    《富岡鉄斎展》図録。展覧会の会場は京都市美術館、会期は1985年11月1日〜12月1日。吉岡は11月27日に書肆山田の鈴木一民と同展を観ている。

富澤赤黄男(トミザワ, カキオ、1902-1962)

  1. 《定本・富沢赤黄男句集》(定本・富沢赤黄男句集刊行会、1965年11月1日)〔911.36-To486t〕
    〈天の狼〉〈蛇の笛〉〈黙示〉は原句集のとおり再録。限定500部。吉岡は高柳重信たちとともに本句集刊行の発起人のひとり。
  2. 句集《天の狼》(旗艦発行所、1941年8月1日)〔911.368-To593ウ〕
    富澤赤黄男の第一句集。★未見。
  3. 句集《天の狼〔増補改訂版〕》(天の狼刊行会、1951年4月25日)
    富澤赤黄男の第一句集の再刊。限定200部。造本:池上浩山人。
  4. 句集《蛇の笛》(三元社、1952年12月25日)〔911.36-To486h〕
    富澤赤黄男の第二句集。〈風景画〉〈蛇の笛〉〈烙印〉〈酔ひどれ雲〉〈黒い卵〉から成る。
  5. 句集《黙示》(俳句評論社、1961年9月20日)〔911.36-To486m〕
    富澤赤黄男の第三句集。吉岡は本句集の感想を執筆していて、そこで引用した高柳重信による作家論〈赤黄男の沖〉は《俳句評論》1960年12月号掲載。★未見。

富田住子(トミタ, スミコ、1905-1987)

  1. 歌集《燔祭〔創作社叢書〕》(新星書房、1957年6月15日)〔911.168-To499h〕
    富田住子の第一歌集。1947年ころから1956年までの438首を収める(題名は旧約聖書から)。序文:若山喜志子、装丁:多賀谷伊徳。

富田木歩(トミタ, モッポ、1897-1923)

  1. 《富田木歩全集〔決定版〕》(世界文庫、1964年11月★日)〔911.36-To4942t〕
    新井声風編著。限定版。木歩の写真集、句集、文集、年譜、著作年表、木歩に関する文献一覧、木歩文献抄などを収める。★未見。
  2. 新井声風編《木歩句集〔現代俳句叢書〕》(素人社書屋、1934年9月29日)〔647-108〕
    富田木歩の句集。(〈吉岡実と吉屋信子〉参照)

トルストイ(Tolstoi, Lev Nikolaevich、1828-1910)

  1. 米川正夫訳《闇の力〔岩波文庫〕》(岩波書店、1938年9月25日)〔特265-431〕
    トルストイの戯曲。★未見。なお1928年に南山堂書店から佐久間政一・宮原晃一郎共訳で独和対訳の《闇の力》〔568-297〕が出ている。

永井荷風(ナガイ, カフウ、1879-1959)

  1. 小説《おかめ笹〔岩波文庫〕》(岩波書店、1938年1月20日)
    永井荷風の滑稽小説。★未見。

中上健次(ナカガミ, ケンジ、1946-1992)

  1. 小説《鳳仙花》(作品社、1980年1月25日)〔KH397-120〕
    中上健次の長篇小説。装丁:菊地信義。

永田耕衣(ナガタ, コウイ、1900-1997)

  1. 句集《悪霊》(俳句評論社、1964年2月21日)
    永田耕衣の第六句集。472句を収める。装丁・題字:著者。
  2. 句集《加古》(鶏頭陣社、1934年11月11日)
    永田耕衣の第一句集。358句を収める。装丁・挿絵:相生垣秋津。★未見。
  3. 吉岡実編《耕衣百句》(コーベブックス、1976年6月21日)〔KH391-119〕
    永田耕衣の選句集。吉岡実〈覚書〉。限定80部の特装版(南柯書局刊)がある。また、本書の耕衣句を底本とした鳴戸奈菜・満谷マーガレット編訳(英文併記)《この世のような夢――永田耕衣の世界》(透土社、2000年2月10日)がある。
  4. 句集《殺祖》(南柯書局、1981年10月31日)
    永田耕衣の一〇句集。396句を収める。
  5. 句集《殺佛》(南柯書局、1978年5月25日)
    永田耕衣の第九句集。335句を収める。
  6. 阿部青鞋編《真風》(瓶の会、1969年7月1日)
    永田耕衣の初期句集。266句を収める。
  7. 句集《吹毛集》(近藤書店、1955年10月1日)〔911.36-N221s〕
    永田耕衣の第四句集。連作〈鯰笑図七句
    を含む460句を収める。四六判・上製・紙装・函入。装丁:棟方志功。
  8. 《永田耕衣句集〔戦後俳句作家シリーズ1〕》(「海程」戦後俳句の会、1967年3月20日)
    永田耕衣の自選句集。200句を収める。装丁:野中ユリ。★未見。
  9. 句文集《梅華》(琴座俳句会、1958年7月15日)〔911.36-N221b〕
    永田耕衣の句文集。父母にちなむ180句と散文3篇を収める。★未見。
  10. 句集《非佛》(冥草舎、1973年6月15日)
    永田耕衣の全句集。《加古・傲霜》《與奪鈔》《驢鳴集》《吹毛集》《悪霊》《闌位》〈種〉〔1985年刊の俳句集成《而今》では、途中〈冷位〉と改題以後の作品66句を補填し、《冷位》の部に吸収されている〕の1235句を収める。
  11. 句集《物質》(湯川書房、1984年1月1日)
    永田耕衣の第一一句集。591句を収める。
  12. 句集《與奪鈔》(琴座俳句会、1960年4月11日)〔911.36-N221y〕
    永田耕衣還暦記念の第五句集。〈與奪鈔〉(225句)と〈驢鳴集〉(375句)を収める。表紙絵:棟方志功、扉筆蹟:永田耕衣。
  13. 句集《闌位》(俳句評論社、1970年10月1日)
    永田耕衣の第七句集。504句を収める。
  14. 句集《冷位》(コーベブックス、1975年7月15日)
    永田耕衣の第八句集。550句を収める。
  15. 句集《驢鳴集》(播磨俳話会、1952年1月13日)
    永田耕衣の第三句集。547句を収める。装丁:棟方志功。★未見。

長塚節(ナガツカ, タカシ、1879-1915)

  1. 斎藤茂吉編《長塚節歌集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1933年8月5日)〔569-14〕
    全作品から819首を選ぶ。★未見。

中原淳一(ナカハラ, ジュンイチ、1913-1983)

  1. 《啄木かるた》は實業之日本社の月刊雑誌《少女の友》1939年1月号付録。当時、同誌の表紙画を担当していた中原淳一が考案し、石川啄木の短歌50首に少女の絵を付けたもの。☆未見。天地寸法1cm伸びで拡大した復刻版(中原蒼二監修《啄木かるた〔淳一文庫〕》、国書刊行会、1985年11月10日〔YN1-14〕)がある。

中原中也(ナカハラ, チュウヤ、1907-1937)

  1. 詩集《山羊の歌》(文圃堂、1934年12月10日)〔複製 : KH8-15(22)〕
    中原中也の第一詩集。〈初期詩篇〉〈少年時〉〈みちこ〉〈秋〉〈羊の歌〉の5章から成り、44篇を収録。四六倍判・上製・紙装・函入。装丁:高村光太郎。限定200部。☆未見。(〈吉岡実愛蔵の稀覯書〉参照)

中村苑子(ナカムラ, ソノコ、1913-2001)

  1. 句集《水妖詞館》(俳句評論社、1975年2月1日)〔KH413-63〕
    中村苑子の第一句集。〈遠景〉〈回帰〉〈父母の景〉〈山河〉〈挽歌〉の5章から成る。序:高屋窓秋。限定250部。
  2. 句集《花狩》(コーベブックス、1976年10月25日)〔KH413-83〕
    中村苑子の第二句集。〈初期句抄〉〈春の鳥〉〈鴉の木〉〈水の絶景〉〈鳥湧く沖〉〈檜山越え〉の6章から成る。跋:高柳重信。吉岡は高柳とともに本書の編集を担当し、本書を《花狩》と名付けている。限定580部。限定37部の特装版(南柯書局刊)があり、外装は外函・四方帙・総紬表紙(〈句集《花狩》解題〉の〔付記〕参照)。

夏石番矢(ナツイシ, バンヤ、1955- )

  1. 句集《猟常記》(静地社、1983年2月28日)
    夏石番矢の第一句集。205句収録。栞:高柳重信・芳賀徹。限定300部。《夏石番矢句集〔現代俳人文庫〕》(砂子屋書房、1995年2月★日)〔KH431-G335〕に全篇収録されている。(〈吉岡実の帯文〉の〔2013年8月31日追記〕参照。)

夏目漱石(ナツメ, ソウセキ、1867-1916)

  1. 《こゝろ〔岩波文庫〕》(岩波書店、1927年7月20日)〔569-14〕
    夏目漱石の小説。★未見。(〈吉岡実の装丁作品(130)〉参照)

ナボコフ(Nabokov, Vladimir Vladimirovich、1899-1977)

  1. 《ボルヘス ナボコフ〔筑摩世界文學大系〕》(筑摩書房、1984年7月5日)
    ウラジーミル・ナボコフの長篇小説《青白い炎》(富士川義之訳)、〈ナボコフ年譜〉ほかを収める。吉岡は〈ムーンドロップ〉(K・10)で「*題名と若干の章句をナボコフ『青白い炎』(富士川義之訳)から借用。」と書いている。吉岡の歿後だが、富士川義之訳《青白い炎〔ちくま文庫〕》(筑摩書房、2003年11月10日)〔KS165-H11〕がある。(〈吉岡実とナボコフ〉参照)

南悦夫訳《南北戦争》(東海書房、1952年5月★日)〔933-N623-M〕
標題紙その他にはカウント・ジョージ著とある。★未見。本書は作者不詳・生田文夫訳《ドリー・モートンの想い出〔富士見ロマン文庫〕》(富士見書房、1980年8月★日)〔Y82-7035〕と同じ小説で、カウント・ジョージはペンネーム。田中義廣訳《ニキーナ――ヴェネチアの娼婦の物語〔フランス世紀末文学叢書〕》(国書刊行会、1985年11月20日)の著者であるユーグ・ルベル(Rebell, Hugues、1867-1905)の作品と推定されている。同書〈訳者後記〉に「晩年のルベル」は「生活のためにポルノグラフィーまがいの作品を書くまでになっていた。『ニキーナ』にもその徴候が見られるが、ルベルにはもともと女性の豊かな尻と鞭打ちに対するオプセッショナルな願望があり、これらの作品では尻への鞭打ち(男が女を打つ、逆に女から打たれる)が中心的テーマになっている。このサディスムとマゾヒスムの入混った心理が、あるいはルベルの作品の秘密を明かす鍵になるかもしれない。」(同書、五〇八ページ)とある。

西脇順三郎(ニシワキ, ジュンザブロウ、1894-1982)

  1. 詩集《Ambarvalia》(椎の木社、1933年9月20日)〔648-57〕
    西脇順三郎の日本語による第一詩集。限定300部。同書の標題の活字表記について。最初の文字の字形は“A”ではなく、「丸の右に縦に接線を付けた形 (single-storey) であり、多く小文字に使われるが、大文字の筆記体でこの字形を使うことがある」(Wikipedia)を使用している。語中の小文字の“a”の字形も同様で、講談社文芸文庫版(1995)などを除いたほとんどの印刷物では“Ambarvalia”が使われており、本索引でも“Ambarvalia”とする。
  2. 詩集《あむばるわりあ》(東京出版、1947年8月20日)〔911.56-N87-2ウ〕
    西脇順三郎の詩集。《Ambarvalia》の改訂再刊本。
  3. 詩集《えてるにたす》(昭森社、1962年12月1日)〔911.56-N843e〕
    西脇順三郎の詩集。
  4. 詩集《近代の寓話》(創元社、1953年10月30日)〔911.56-N843k〕
    西脇順三郎の詩集。限定1000部。編纂:三浦孝之助。
  5. 詩論《詩学》(筑摩書房、1968年2月29日)〔901.1-N843s〕
    西脇順三郎の詩論。吉岡は〈哀歌――追悼・西脇順三郎先生〉(J・13)で「*第二章は西脇順三郎『詩学』より抄出した。」と書いている。(〈吉岡実の装丁作品(50)〉参照)
  6. 随筆集《じゅんさいとすずき》(筑摩書房、1969年11月28日)〔KH437-11〕
    西脇順三郎の随筆集。(〈吉岡実の装丁作品(75)〉参照)
  7. 長篇詩《壌歌》(筑摩書房、1969年12月20日)〔KH437-12〕
    西脇順三郎の長篇詩。2000行の書きおろし。限定1200部。(〈吉岡実の装丁作品(124)〉参照)
  8. 詩集《人類》(筑摩書房、1979年6月20日)〔KH437-205〕
    西脇順三郎の詩集。限定1200部。1979年11月15日に普及版〔KH437-232〕が出ている。両方とも吉岡が装丁を担当している。(〈吉岡実の装丁作品(53)〉参照)
  9. 詩集《旅人かへらず》(東京出版、1947年8月20日)〔911.56-N87ウ〕
    西脇順三郎の詩集。
  10. 《西脇順三郎全詩集》(筑摩書房、1963年3月30日)〔911.56-N843n2〕
    西脇順三郎のこの時点での全詩集。《Ambarvalia》《旅人かえらず》《近代の寓話》《第三の神話》《失われた時》《豊饒の女神》《えてるにたす》《宝石の眠り》〈トリントンの噴水〉〈脳髄の日記〉〈西脇順三郎書誌年譜〉を収める。限定版。普及版は1964年9月30日刊行。
  11. 《定本西脇順三郎全詩集》(筑摩書房、1981年1月20日)〔KH437-303〕
    《Ambarvalia》《あむばるわりあ》《旅人かへらず》《近代の寓話》《第三の神話》《失われた時》《豊饒の女神》《えてるにたす》《宝石の眠り》《禮記》《壌歌》《鹿門》《人類》〈トリトンの噴水〉〈脳髄の日記(あとがき)〉〈書誌・年譜〉を収録。特装版〔KH437-302〕がある。
  12. 《定本西脇順三郎全集. 第3巻》(筑摩書房、1994年2月20日)〔KH437-E616〕
    〈冬のシャンソン〉は〈未刊詩篇(「人類」以後)〉に収録。
  13. 《人間》は《人類》として刊行された西脇順三郎の詩集の初案標題。吉岡は「《人類》という題名はどうかね、と言われて、私はこれこそ、西脇順三郎詩集にぴったりだと思った。実はそれまでは《人間》であったらしいのだが、今朝急に改められたのだった」と書いている。
  14. 《現代日本詩集. 第3〔豊饒の女神〕》(思潮社、1962年8月1日)〔911.56-G297〕
    西脇順三郎の第八詩集。解説:鍵谷幸信。装丁:真鍋博。なお奥付裏広告に本シリーズ「現代日本詩集/A5判本フランス装/各巻三六〇円/第一期三〇巻」として「西脇順三郎」から「谷川俊太郎ほか」まで全29名が挙がっているなかに吉岡実の名前も見えるが、「第一期三〇巻」は完結せず、吉岡実詩集も刊行されなかった。後年の《吉岡実詩集》(思潮社、1967)は、《紡錘形》(草蝉舎、1962)の発売を担当した思潮社がこの〔現代日本詩集〕(1962年★月★日-1964年★月★日)に吉岡実の巻をノミネートしながら実現に至らなかったあと、それがいつかは不明だが、浮上した企画だと思われる。
  15. 詩集《禮記》(筑摩書房、1967年2月15日)〔911.56-N843r〕
    西脇順三郎の詩集。1963年6月から1966年12月までに発表された29篇と書きおろし1篇とから成る。(〈吉岡実の装丁作品(125)〉参照)
  16. 詩集《鹿門》(筑摩書房、1970年7月10日)〔KH437-16〕
    西脇順三郎の詩集。限定1200部。吉岡は本書の装丁を担当している。(〈吉岡実の装丁作品(41)〉参照)

《日本古典文学大系. 第1〔古事記 祝詞〕》(岩波書店、1958年6月5日)〔918-N6852〕
倉野憲司・武田祐吉校注。《古事記》は日本最古の史書・文学書。吉岡は白秋の詩篇〈水上〉について「『古事記』や『万葉集』の蒼古たる世界に通じているようだ」と書いている。

《日本古典文学大系. 第70〔日本霊異記〕》(岩波書店、1967年3月20日)〔918-N6852〕
遠藤嘉基・春日和男校注。日本の仏教説話集の始祖。

ノヴァーリス(Novalis、1772-1801)

  1. 小牧健夫訳《青い花〔岩波文庫〕》(岩波書店、1939年9月5日)〔780-299〕
    ノヴァーリスの小説。★未見。

野坂昭如(ノサカ, アキユキ、1930-2015)

  1. 小説《骨餓身峠死人葛》(中央公論社、1969年9月30日)〔KH447-5〕
    野坂昭如の短篇小説集。装丁:寺田政明。

萩原朔太郎(ハギワラ,サクタロウ、1886-1942)

  1. 詩集《月に吠える》(感情詩社・白日社出版部、1917年2月15日)〔YD5-H-特102-338(マイクロフィッシュ)〕
    萩原朔太郎の第一詩集。54編を収める。序文:北原白秋、跋文:室生犀星、挿画:田中恭吉・恩地孝四郎、装丁:恩地孝四郎。奥付対向ページには「亜鉛凸版/コロタイプ版/同印刷/木版/手摺/機械印刷」をそれぞれ担当した組織名・個人名が挙げられている。一方、奥付には印刷所・印刷者の組織名・個人名はあるが、製本所のそれはない。 ☆未見。日本近代文学館発行の覆刻版〔精選 名著復刻全集 近代文学館〕(1973年)がある。

オクタビオ・パス(Paz, Octavio、1914-1998)

  1. 篠田一士編《世界の文学. 37〔現代詩集〕》(集英社、1979年2月20日)〔KE211-30〕
    オクタビオ・パスの詩篇〈二つのからだ〉は桑名一博訳。パスの長詩〈白〉は鼓直訳。(〈吉岡実とオクタビオ・パス〉参照)
  2. 牛島信明訳《弓と竪琴〔ラテンアメリカ文学叢書〕》(国書刊行会、1980年1月30日)〔KR487-5〕
    オクタビオ・パスの詩論。

パール・バック(Buck, Pearl Sydenstricker、1892-1973)

  1. 深沢正策訳《母》(第一書房、1936年★月★日)〔F33-B82-8ウ〕
    パール・バックの長篇小説。★未見。

埴谷雄高(ハニヤ, ユタカ、1910-1997)

  1. 評論集《闇のなかの思想〔三一新書〕》(三一書房、1962年11月25日)〔914.6-H182y〕
    埴谷雄高の映画評論集。のち《闇のなかの思想――形而上学的映画論》(潮出版社、1978年3月10日)〔KD641-62〕として、ハードカヴァー本で再刊されている。

パニョル(Pagnol, Marcel、1895-1974)

  1. 永戸俊雄・松尾邦之助訳《トパーズ》(新時代社、1931年★月★日)〔596-366〕
    パニョルの小説。★未見。

ジョン・パリス(Paris, John、1889-1976)

  1. 若柳長清訳《きもの(KIMONO)》(京文社、1923年9月5日)〔514-170(マイクロフィッシュ)〕
    ジョン・パリスの小説(訳者によればジョン・パリスは仮名で、著者は永年日本に駐剳したイギリス大使館の少壮外交官)。吉岡は「問題の排日小説」と書いている。

半田良平(ハンダ, リョウヘイ、1891-1945)

  1. 歌集《野づかさ〔国民文学叢書〕》(国民文学社、1919年★月★日)〔YD5-H-特102-301(マイクロフィッシュ)〕
    半田良平の歌集。★未見。

アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ(Pieyre de Mandiargues, Andre、1909-1991)

  1. 生田耕作訳《閉ざされた城の中で語る英吉利人》(奢霸都館、1981年9月★日)〔KR164-103〕
    ピエール・モリオン(Morion, Pierr、1909-1991)著、挿絵:ハンス・ベルメール。
    澁澤龍彦訳《城の中のイギリス人》(白水社、1982年3月★日)〔KR167-50〕
    吉岡は「ピエール・モリオン『城の中のイギリス人』生田耕作訳を、私は五年前に「海」で読んでめくるめく「官能的映像」に陶酔したものだ。その翌年、仮面を脱いだ作者すなわち、ピエール・ド・マンディアルグのポルノ作品が、澁澤龍彦によって訳出された」と書いている。

樋口一葉(ヒグチ, イチヨウ、1872-1896)

  1. 塩田良平・和田芳恵編《一葉全集〔全7巻〕》(筑摩書房、1953年8月10日-1956年6月20日)〔918.6-H448i-S〕
    吉岡は「たまたまその〔図書目録の〕出来あがりがよかったので、初の個人全集《一葉全集》の内容見本をつくるように言われた」と、筑摩書房に入社した当時のことを書いており、本全集の造本装丁も手がけている。

土方巽(ヒジカタ, タツミ、1928-1986)

  1. 鶴岡善久編《犬の静脈に嫉妬することから〔叢書溶ける魚〕》(湯川書房、1976年12月25日)
    土方巽の処女出版。限定300部。本書は叢書の第4回配本。★未見。
  2. 土方巽舞踏写真集《危機に立つ肉体――BODY ON THE EDGE OF CRISIS》(PARCO出版局、1987年1月20日)〔KD374-19〕
    土方巽の舞踏写真集。監修:アスベスト館、表題・献詞:澁澤龍彦、序文:大岡信、解説:合田成男、写真:細江英公・中谷忠雄・小野塚誠・丹野章・吉岡康弘・羽永光利・山崎博・山野和子・長谷川六。吉岡は本書刊行のまえ、「現在企画中と聞いている『土方巽写真集』もちろん仮題のものですが、その中に、「聖あんま語彙篇」を入れることにしましたね。何としても、この本は実現したいものです」と書いているが、〈聖あんま語彙篇〉は収録されなかった。
  3. 遺文集《美貌の青空》(筑摩書房、1987年1月21日)〔KH145-747〕
    土方巽の遺文集。吉岡は本書を、三好豊一郎(1920-1992)・澁澤龍彦(1928-1987)・鶴岡善久(1936- )・種村季弘(1933-2004)・元藤Y子(1928-2003)と共編、装丁も担当している(標題も吉岡の発案)。
  4. 散文集《病める舞姫》(白水社、1983年3月10日)〔KH145-467〕
    土方巽の「心象的自伝」(吉岡実)。吉岡は本書の装丁を担当している。(〈吉岡実の装丁作品(2)〉参照)
    なお、土方が著した《犬の静脈に嫉妬することから》、《病める舞姫》、《美貌の青空》は、種村季弘・鶴岡善久・元藤Y子編《土方巽全集〔T・U〕》(河出書房新社、1998年1月21日〔装画:中西夏之〕)に《慈悲心鳥がバサバサと骨の羽を拡げてくる》(標題は吉岡の発案)などとともに収録された。

平野婦美子(ヒラノ, フミコ、1908-2001)

  1. 記録文集《女教師の記録》(西村書店、1940年4月18日)〔264-69〕
    城戸幡太郎・留岡清男の勧めで出版された平野婦美子の教師としての記録文集。吉岡は「小林梁さんと食事し、大森の平野婦美子先生のお宅へ向う。「婦人公論」掲載の先生の文章を読む。〔……〕『女教師の記録』の見本組みを見ながら「うんと売れるといいわね」と笑う」と書いている。

ポール・ブールジェ(Bourget, Paul、1852-1935)

  1. 山内義雄訳《弟子》(白水社、1937年★月★日)〔F53-B67イウ〕
    ポール・ブールジェの小説。★未見。

藤富保男(フジトミ, ヤスオ、1928-2017)

  1. 詩集《魔法の家》(芸術研究協会、1964年10月)
    藤富保男の詩集。詩篇40、〈この詩集のことにふれて〉。限定230部。装丁:新國誠一。《藤富保男詩集〔現代詩文庫57〕》(思潮社、1973年11月1日)〔KH166-69〕に全篇収録されている。★未見。

アナトール・フランス(France, Anatole、1844-1924)

  1. 水野成夫訳《神々は渇く〔岩波文庫〕》(岩波書店、1937年7月15日)
    アナトール・フランスの歴史小説。★未見。
  2. 水野成夫訳《舞姫タイス》(白水社、1938年★月★日)〔F53-F43-4ウ〕
    アナトール・フランスの小説。★未見。

古井由吉(フルイ, ヨシキチ、1937-2020)

  1. 小説《槿》(福武書店、1983年6月25日)〔KH165-219〕
    古井由吉の長篇小説。装丁:菊地信義。

フレイザー(Frazer, Sir James George、1854-1941)

  1. 永橋卓介訳《金枝篇. 第1〜第5〔岩波文庫〕》(岩波書店、〔初版〕1951年3月5日-1952年10月25日、〔改版〕1966年8月16日-1967年12月16日)〔163-cF84k-N(s)〕
    フレイザー自身が原著の資料を大幅に割愛・編集して広範な読者に向けた簡約版。吉岡は「私のもっとも新しい詩集『薬玉』は、それら〔「神話」や「民間伝承」〕とフレイザー『金枝篇』の結合に依って、成立しているのだ」、また〈甘露〉(J・14)で「*引用句はおもにフレイザー《金枝篇》永橋卓介訳を借用した。」と書いている。吉岡が手にしたのは改版か。(〈吉岡実と《金枝篇》〉参照)

アベ・プレヴォ(Prevost, abbe、1697-1763)

  1. 河盛好蔵訳《マノン・レスコオ〔岩波文庫〕》(岩波書店、1936年5月25日)〔569-14イ〕
    アントワーヌ=フランソワ・プレヴォの恋愛小説。★未見。

フローベール(Flaubert, Gustave、1821-1880)

  1. 中村星湖訳《ボヴァリイ夫人〔新潮文庫〕》(新潮社、1933年7月22日)〔630-8〕
    フローベールの小説。★未見。

フロマンタン(Fromentin, Eugene、1820-1876)

  1. 市原豊太訳《ドミニック〔岩波文庫〕》(岩波書店、1937年11月10日)〔953-cF93d-I〕
    フロマンタンの自伝的小説。★未見。

ベケット(Beckett, Samuel、1906-1989)

  1. 安堂信也訳《ゴドーを待ちながら〔現代海外戯曲〕》(白水社、1956年★月★日)〔952-cB39g-A〕
    ベケットの戯曲。★未見。

スウェン・ヘディン(Hedin, Sven Anders、1865-1952)

  1. 岩村忍訳《中央アジヤ探検記〔創元文庫〕》(創元社、1953年9月30日)〔292.28-cH45t-I〕
    ヘディンの探検記。吉岡は〈波よ永遠に止れ〉(未刊詩篇・10)で「ヘディン〈中央アジア探検記より〉」と書いている。ただし初出詞書は「ヘディン〈中央アジア探検記〉より」で、こちらが正しかろう。(〈〈波よ永遠に止れ〉本文のこと〉参照)

ハンス・ベルメール(Bellmer, Hans、1902-1975)

  1. 人形写真集《Die Puppe》(Gerhardt Verlag, Berlin, 1962年★月★日)
    吉岡は「古本屋で購ったドイツ語の限定本の着色写真集」と書いている。本書はハンス・ベルメールの3冊の著作(〈人形〉〈人形の遊び〉〈イマージュの解剖学〉)のドイツ語版を纏めて集録した限定2000部本で、種村季弘・瀧口修造訳《イマージュの解剖学》(河出書房新社、1975年10月30日)〔KC521-85〕の原典となったもの。吉岡の「着色写真集」に該当するのはその〈人形の遊び〉で、オリジナルの仏語版はモノクロ写真に手彩色をしている。★未見。(〈「紅血の少女」――吉岡実詩集《神秘的な時代の詩》評釈(15)――〈聖少女〉〉参照)

エドガー・アラン・ポオ(Poe, Edgar Allan、1809-1849)

  1. 《貝類学の手引》は《貝類学入門》(未邦訳か)と思われる。吉岡は「人は生活費のために/他人のいやがる仕事をする/われわれの考え及ばぬ奸智さをもって/アラン/『貝類学の手引』をでっちあげる〔……〕」と書いている。(〈詩《異霊祭》解題〉参照)

細江英公(ホソエ, エイコウ、1933- )

  1. 写真集《鎌鼬》(現代思潮社、1969年11月25日)
    細江英公の写真集。舞踏:土方巽、序文:瀧口修造、詩:三好豊一郎、造本:田中一光。限定1000部。《細江英公〔日本の写真家〕》(岩波書店、1998年3月25日)には、《鎌鼬》から18点が収録されている。《鎌鼬》は2005年5月10日、青幻舎から限定500部で復刻版が刊行された(英語版はAperture Foundationから限定500部で同時発売)。限定番号、細江の署名・落款の紙葉貼込。

北海道庁編《北海道の口碑伝説》(日本教育出版社、1940年3月30日)〔764-112〕
吉岡は「持ち込み原稿の『北海道の口碑と伝説』の整理に没頭する。出来ると、天皇陛下に献上するとのこと」と書いている。発行者:北海道連合教育会。印刷者は小坂孟(東京市牛込区市谷加賀町一丁目十二番地)、印刷は大日本印刷株式会社で、翌年刊行の吉岡実詩集《液体》(草蝉舎、1941年12月10日)の印刷者・印刷所と同じである。発売所:富貴堂。(〈《北海道の口碑伝説》のこと〉参照)

堀辰雄(ホリ, タツオ、1904-1953)

  1. 小説《風立ちぬ》(野田書房、1938年4月10日)〔746-141〕
    堀辰雄の小説。★未見。本書より前に《風立ちぬ〔新選純文学叢書〕》(新潮社、1937年6月1日)がある。
  2. 小説《聖家族》(江川書房、1932年2月20日)〔684-224〕
    堀辰雄の小説。★未見。吉岡は「古書目録で注文した、堀辰雄『聖家族』(江川版)が届いていた」と書いている。

堀口大學(ホリグチ, ダイガク、1892-1981)

  1. 歌集《男ごころ》(第一書房、1929年6月10日)〔568-415〕
    堀口大學の第二歌集。貼函・継表紙・天金(本文用紙は淡緑色局紙)の上製本。モジリアニの挿画四葉。同書には函のデザインを変更した改装版(1936年12月25日)があり、吉岡が入手したのは、ことによるとこちらかもしれない。
  2. 訳詩集《月下の一群》(第一書房、1925年9月17日)〔531-30〕
    堀口大學の訳詩集。☆未見。

ウイルヘルム・マイテル(Meiter, Wilhelm〔偽名と見られる〕、★)

  1. 矢野正夫訳《バルカン戦争》(東京書院、1951年6月30日)〔929.5-cM37b-Y〕
    ウイルヘルム・マイテルの小説。★未見。
  2. 松戸淳訳《秘話 バルカン戦争》(紫書房、1951年7月10日)〔929.5-cM37b-M〕
    ウイルヘルム・マイテルの小説。★未見。吉岡は「これ〔『バルカン戦争』〕は二、三種類ほど出版されており、私はそのうち二冊を持っていた。」と書いている。(〈《指揮官夫人と其娘達》あるいは《バルカン・クリーゲ》のこと〉参照)
  3. 《指揮官夫人と其娘達》(三田書院、1932年6月か)
    ウイルヘルム・マイテルの小説。★未見。吉岡は《バルカン戦争》の抄訳〔上掲の2冊か〕に触れたあと「しかしいずれも迫力に欠けて物足りなかった。なぜなら戦前に『バルカン戦争』の完訳本と思われる、秘密出版の『指揮官夫人と其娘達』を、私は読んでいたからである。」と書いている。(〈《指揮官夫人と其娘達》あるいは《バルカン・クリーゲ》のこと〉参照)

マイヤー(Meyer, Conrad Ferdinand、1825-1898)

  1. 伊藤武雄訳《僧の婚礼〔岩波文庫〕》(岩波書店、1936年7月30日)〔569-14〕
    マイエルの小説。★未見。

前川佐美雄(マエカワ, サミオ、1903-1990)

  1. 歌集《くれなゐ〔新ぐろりあ叢書〕》(ぐろりあ・そさえて、1939年9月28日)〔783-91〕
    前川佐美雄の自選歌集。吉岡は「この歌集は、《植物祭》、《白鳳》、《大和》の三歌集から五百首抄出されたものである。私は以上の三歌集を見たこともなければ、探し求めもしなかった。仮フランス装本《くれなゐ》一冊があれば、それで満足していた。戦前からのものはぼろぼろになったので、買換えたものを所持している」と書いている。装丁:棟方志功。(〈吉岡実のフランス装〉参照)
  2. 歌集《植物祭》(素人社、1930年7月★日)
    前川佐美雄の第一歌集。装丁:古賀春江。★未見。
  3. 歌集《白鳳》(ぐろりあ・そさえて、1941)〔911.168-Ma27-11ウ〕
    前川佐美雄の第三歌集。★未見。
  4. 歌集《大和〔昭和歌人叢書〕》(甲鳥書林、1940年★月★日)〔911.168-Ma27-13ウ〕
    前川佐美雄の第二歌集。★未見。

前田夕暮(マエダ, ユウグレ、1883-1951)

  1. 歌集《原生林〔改造文庫〕》(改造社、1929年7月23日)〔569-142〕
    前田夕暮の自選歌集。

益田勝実(マスダ, カツミ、1923-2010)

  1. 古典研究《古事記〔古典を読む〕》(岩波書店、1984年1月19日)〔KG25-36〕
    益田勝実(吉岡は「益田勝美」と書いている)の《古事記》研究書。

松尾芭蕉(マツオ, バショウ、1644-1694)

  1. 萩原蘿月校《俳諧七部集〔改造文庫〕》(改造社、1929年★月★日)〔569-142〕
    松尾芭蕉の俳諧集。★未見。

松本清張(マツモト, セイチョウ、1909-1992)

  1. 小説《黒い福音》(中央公論社、1961年11月30日)〔913.6-M335k17〕
    松本清張の長篇小説。★未見。

ステファヌ・マラルメ(Mallarme, Stephane、1842-1898)

  1. 伊藤裕一郎訳《骰子一擲》
    マラルメ最後の著作。吉岡は「未知の人から贈られた『骰子一擲』で、私は初めて、この難解なる詩篇を読んだというより、見たのだった。いつ頃のことなのか、伊藤裕一郎訳の小冊子には、発行年月も発行所も明記されてないので、わからない」と書いている。★未詳。
    秋山澄夫訳《骰子一擲いかで偶然を廃棄すべき》(思潮社、1972年11月★日)
    星崎孝之助画。特装版、限定100部。★未見。1984年12月1日に思潮社から改訂版《骰子一擲》が出ている。
    江原順訳〈骰子一擲〉(詩誌《阿礼》34号〔阿礼の会、1986年3月25日〕)
    本文ページは〈骸〔ママ〕子の一擲は決して僥倖を排すまじ〉の標題で掲載。吉岡は「私は今、「詳細なノート」の付いた、秋山澄夫訳の『骰子一擲』を読み、詩誌「阿礼」に発表された、江原順訳を読み、なんとか解読の手がかりを掴みたいと思っている」と書いている(〈マラルメ《骰子一擲》のこと〉参照)。

マリアンナ(Alcoforado, Marianna、1640-1723)

  1. 佐藤春夫訳《ぽるとがる文》(竹村書房、1934年★月★日)〔655-62〕
    ポルトガルの尼僧・マリアンナの書簡文学。★未見。

アンドレ・マルション(Marchon, Andre、★)

  1. 原一平訳《蚤の浮かれ噺》(東京書院、1951年2月25日)〔953-cM31n-H〕
    アンドレ・マルションの長篇小説。

マンスフィールド(Mansfield, Katherine、1888-1923)

  1. 崎山正毅訳《マンスフィールド短篇集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1934年8月30日)〔F33-Ma47ウ〕
    マンスフィールドの短篇小説集。★未見。

佐々木信綱編《改訂版 新訓 萬葉集〔岩波文庫〕》(岩波書店、上巻:1939年6月10日、下巻:1939年1月30日)〔569-14イ〕
《万葉集》は昭和初期に限っても版[エディション]が多い。《うまやはし日記》の1939年3月23日「ひねもす万葉集を読む」や、出征時に岩波文庫版《万葉集》を携えたという吉岡の回想、さらには稿本詩集《赤鴉》所収の歌集〈歔欷〉の題辞「あかねさす晝は物思ひ/ぬばたまの夜はすがらに/ねのみし泣かゆ 〔中臣朝臣〕宅守」を踏まえると、佐々木信綱編《新訓 萬葉集〔岩波文庫〕》(岩波書店、上巻:1927年9月5日、下巻:1927年10月10日)か、同文庫の改訂版(同、上巻:1939年6月10日、下巻:1939年1月30日――「三七三二 あかねさす晝は物思[も]ひぬばたまの夜[よる]はすがらに哭[ね]のみし泣かゆ」(同書下巻、一五〇ページ)――と思われる。

三ケ山孝子(ミカヤマ, タカコ、1929?-1955)

  1. 句集《み霊祀り》(精文堂、1955年10月20日)
    三ケ山孝子の遺句集。

三島由紀夫(ミシマ, ユキオ、1925-1970)

  1. 小説《仮面の告白》(河出書房、1949年7月5日)〔YD5-H-a913-922(マイクロフィッシュ)〕
    三島由紀夫の書きおろし長篇小説。
  2. 小説《暁の寺》(新潮社、1970年7月10日)〔KH348-10〕
    三島由紀夫の長篇小説《豊饒の海》の第3巻。装丁:村上芳正。

三橋敏雄(ミツハシ, トシオ、1920-2001)

  1. 句集《長濤》(沖積舎、1993年4月19日)〔KH358-E310〕
    三橋敏雄の第五句集。句集《巡礼》(南柯書局、1979年10月10日)と、《三橋敏雄全句集》(立風書房、1982年3月1日)〔KH353-226〕中に未刊句集として併載した《長濤》とを同じ題のもとに収め、さらに〈附録〉作品を加え、あらためて《長濤》と名づけた句集。題字:三橋敏雄、装丁:戸田ヒロコ。
  2. 句集《まぼろしの鱶》(俳句評論社、1966年4月1日)〔911.36-M458m〕
    三橋敏雄の第一句集。昭和10年から昭和39年までの321句を収録。限定300部。装本:山崎理。

源実朝(ミナモト, サネトモ、1192-1219)

  1. 斎藤茂吉校訂《金槐和歌集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1929年4月25日)〔569-14〕
    源実朝の歌集。★未見。

三宅克己(ミヤケ, コッキ、1874-1954)

  1. 吉岡は「わたしの少年のころ、家には一冊の本もなかった。唯一の例外は兄が函入りうすい本を持っていた。記憶ちがいでなければ、それは三宅やす子『私の写真』という題で、小説なのか随筆なのか私は知らなかった。久しい間、兄はそれを持って務め先へかよっていたから、読むのではなく電車の中での体裁のためだったと思われる」と書いている。しかし、三宅やす子に《私の写真》という著書は見あたらず、三宅克己の《私の写真》(アルス、1923年6月10日)〔513-148〕がそれだと思われる。本書はアマチュア写真家向けの技法書で、口絵に著者三宅克己(近代日本水彩画の第一人者にして写真家)の写真印画を33葉掲載した作品集(ただし技法の説明向き)でもある。四六判・上製・布装・函入。装丁:恩地孝四郎。

宮沢賢治(ミヤザワ, ケンジ、1896-1933)

  1. 《校本 宮澤賢治全集〔全14巻(15冊)〕》(筑摩書房、1973年5月15日-1977年10月30日)〔KH361-2〕
    吉岡は筑摩書房の社員として、本全集の装丁を担当している。(〈吉岡実の装丁作品(1)〉および〈新旧校本宮澤賢治全集と〈銀河鉄道の夜〉のこと〉を参照)

アルフレッド・ド・ミュッセ(Musset, Alfred de、1810-1857)

  1. 吉野春樹訳《ガミアニ》(紫書房、1951年★月★日)〔953-cM98g-Y〕
    アルフレッド・ド・ミュッセの小説。★未見。

三好達治(ミヨシ, タツジ、1900-1964)

  1. 詩集《春の岬〔創元選書〕》(創元社、1939年★月★日)〔911.56-Mi91イウ〕
    三好達治の詩集。★未見。

三好豊一郎(ミヨシ, トヨイチロウ、1920-1992)

  1. 詩集《囚人》(岩谷書店、1949年5月★日)〔YD5-H-a911-433(マイクロフィッシュ)〕
    三好豊一郎の第一詩集。(〈吉岡実と三好豊一郎〉参照)
  2. 詩集《夏の淵》(小沢書店、1983年6月20日)〔KH366-494〕
    三好豊一郎の詩集。第14回高見順賞受賞。

ジョージ・ムア(Moore, George、1852-1933)

  1. 崎山正毅訳《一青年の告白〔岩波文庫〕》(岩波書店、1939年10月5日)〔930.28-cM82i-S〕
    ジョージ・ムアの小説。★未見。

武者小路実篤(ムシャノコウジ, サネアツ、1885-1976)

  1. 小説《その妹〔岩波文庫〕》(岩波書店、1928年4月25日)〔569-14〕
    武者小路実篤の小説。★未見。

村松嘉津(ムラマツ, カズ、1906-1989)

  1. 《プロヷンス随筆》(東京出版、1947年8月20日)〔914.6-Mu48ウ〕
    村松嘉津の随筆集。吉岡が随想で本書に触れたあとでは、《新版 プロヴァンス隨筆》〔KH384-21〕が大東出版社から1970年3月15日に、同書の新装版〔KH384-H184〕が同じく大東出版社から2004年6月30日に出ている。(〈村松嘉津《プロヷンス隨筆》〉参照)

モーパッサン(Maupassant, Guy de、1850-1893)

  1. 水野亮訳《脂肪の塊〔岩波文庫〕》(岩波書店、1938年4月5日)〔730-114〕
    モーパッサンの短篇小説。★未見。
  2. 杉捷夫訳《秋風記 : モントリオル》(白水社、1938年★月★日)〔754-138〕
    モーパッサンの小説。★未見。
  3. 杉捷夫訳《ベラミ. 上巻〔岩波文庫〕》(岩波書店、1939年11月10日)〔YD5-H-a953-258(マイクロフィッシュ)〕
    モーパッサンの小説。★未見。

ポール・モーラン(Morand, Paul、1888-1976)

  1. 堀口大學訳《夜ひらく・夜とざす〔新潮文庫〕》(新潮社、1929年1月1日)〔568-315〕
    ポール・モーランの小説。★未見。

森鴎外(モリ, オウガイ、1862-1922)

  1. 小説《雁〔岩波文庫〕》(岩波書店、1936年2月29日)〔F13-Mo45aウ〕
    森鴎外の中篇小説。★未見。(〈吉岡実と森家の人人〉参照)

森茉莉(モリ, マリ、1903-1987)

  1. 随筆集《記憶の絵》(筑摩書房、1968年11月30日)〔914.6-M773k2〕
    森茉莉の随筆集。吉岡は本書の編集、造本・装丁を担当しており、「統一上、四篇に筆を入れ、書下し十篇を加えて、出版することにした。そして、「日々の憩い」を『記憶の世界』と改題したのである。〔……〕『記憶の絵』は、予定よりも二カ月ほど遅れて、昭和四十三年の初冬のころ、刊行された。また私がこの本の造本・装幀を手がけている。森茉莉と私が考えあげたすえに、このように改題している。とても美しい題名だと、今でも思っている」と書いている。
  2. 随筆集《靴の音》(筑摩書房、1958年10月20日)〔914.6-M773k〕
    森茉莉が鴎外を語った第二随筆集。吉岡は本書の造本・装丁を担当している。
  3. 随筆集《父の帽子》(筑摩書房、1957年2月15日)〔910.28-M778M4t〕
    森茉莉が鴎外の回想を集成した随筆集。処女出版。吉岡は本書の造本・装丁を担当している。

森田誠吾(モリタ, セイゴ、1925-2008)

  1. 長篇小説《魚河岸ものがたり〔新潮書下ろし文芸作品〕》(新潮社、1985年9月25日)〔KH377-246〕
    森田誠吾の長篇小説。第94回直木賞受賞。装画:安野光雅。(〈森田誠吾氏が逝去〉および〈沖建治とは誰〉を参照)

安井浩司(ヤスイ, コウジ、1936- )

  1. 句集《乾坤》(冥草舎、1983年12月30日)
    安井浩司の第八句集。510句収録。★未見。
  2. 句集《青年経》(砂の会、1963年4月20日)
    安井浩司の第一句集。153句収録。★未見。
  3. 句集《氾人》(冥草舎、1984年124月30日)
    安井浩司の第九句集。560句収録。★未見。

柳田国男(ヤナギタ, クニオ、(1875-1962)

  1. 《遠野物語》(柳田国男〔自費出版〕、1910年6月14日)〔YDM27374(マイクロフィッシュ)〕
    佐々木鏡石述・柳田国男著。119話からなる。発売:聚精堂。☆未見。日本近代文学館発行の覆刻版〔秀選 名著複刻全集 近代文学館〕(1984年12月1日)がある。(〈吉岡実の装丁作品(136)〉参照)

山口誓子(ヤマグチ, セイシ、1901-1994)

  1. 句集《遠星》(創元社、1947年6月25日)〔911.368-Y24-8ウ〕
    山口誓子の第六句集。昭和19年から昭和20年までの1039句を収録。
  2. 句集《炎昼》(三省堂、1938年9月20日)〔760-174〕
    山口誓子の第三句集。昭和10年から昭和13年までの430句を収録。
  3. 句集《激浪》(青磁社、1946年7月10日)〔911.368-Y24-2aウ〕
    山口誓子の第五句集。昭和17年から昭和19年までの1254句を収録。
  4. 句集《黄旗》(龍星閣、1935年2月28日)〔KH698-G162〕
    山口誓子の第二句集。〈序〉に「黄旗は新興満洲帝国の国旗である」とある。昭和7年から昭和9年までの401句を収録。
  5. 句集《七曜》(三省堂、1942年9月15日)〔911.368-Y24-10ウ〕
    山口誓子の第四句集。昭和13年から昭和17年までの468句を収録。
  6. 句集《青女》(中部日本新聞社、1950年5月1日)〔911.36-Y2725s〕
    山口誓子の第八句集。昭和22年から昭和23年までの440句を収録。
  7. 句集《凍港》(素人社書屋、1932年5月15日)〔620-134〕
    山口誓子の第一句集。大正13年から昭和7年までの297句を収録。四六判・上製・紙装・継表紙・函入。
  8. 句集《晩刻》(創元社、1947年12月15日)〔911.368-Y24ウ〕
    山口誓子の第七句集。昭和20年から昭和21年までの800句を収録。
  9. 西東三鬼編《山口誓子句集〔角川文庫〕》(角川書店、1952年6月15日)〔911.36-Y2725y〕
    山口誓子の選句集。
  10. 句集《和服》(角川書店、1955年1月20日)〔911.36-Y2725w〕
    山口誓子の第九句集。昭和23年から昭和26年までの559句を収録。

バーバラ・山中ヒラリー(Yamanaka-Hiller, Barbara、★)

  1. バーバラ山中の修士論文〈吉岡実論〉(ドイツ語)。吉岡は「〔一九八一年〕夏、渋谷道玄坂のトップで、スイス人バーバラと初めて会う。『静物』、『僧侶』から選んだ約二十篇に就て、質問を受ける」と書いている。修士論文は〈日本の戦後詩人、吉岡実〉(Yamanaka-Hiller, Barbara: Der japanische Nachkriegslyriker Yoshioka Minoru (Lizentiatsarbeit). 1982. Japanologie. Prof. Dr. Cornelius Ouwehand.)と思われるが、詳細不明。★未見。

山本有三(ヤマモト, ユウゾウ、1887-1974)

  1. 《山本有三集〔現代日本文学全集〕》(改造社、1929年12月25日)〔918.6-G34イウ〕
    〈現代日本文学全集第四十六篇〉は正確には山本有三と倉田百三の二人集だが、吉岡の記述に合わせて《山本有三集》としておく。吉岡は「今でも印象にあるのは、夜店で買った改造社の『現代日本文学全集』の豪華版背皮の『志賀直哉集』と『山本有三集』の二冊であった」と書いている。通常版はオレンジのクロス装(装丁:杉浦非水)。《山本有三集》には長篇小説〈波〉のほか戯曲〈嬰児殺し〉〈女中の病気〉〈津村教授〉〈生命の冠〉〈同志の人々〉〈海彦山彦〉〈熊谷蓮生坊〉〈坂崎出羽守〉〈西郷と大久保〉を収める。

横光利一(ヨコミツ, リイチ、1898-1947)

  1. 小説集《寝園》(新潮社、1939年5月24日)〔782-108〕
    横光利一の小説集。〈昭和名作選集(1)〉。〈自序〉〈寝園〉〈機械〉収録。解説:河上徹太郎。装丁:有島生馬。
  2. 小説《日輪〔改造文庫〕》(改造社、1929年2月3日)〔569-142〕
    横光利一の小説。改造文庫の〈第二部 第四十九篇〉。

吉岡実(ヨシオカ, ミノル、1919-1990)

  1. 佐藤紘彰訳《Lilac Garden――Poems of Minoru Yoshioka〔Floating World Modern Poets Series〕》(Chicago Review Press、1976年[春か])
    吉岡の最初の英訳詩抄。
  2. 詩集《赤鴉》(弧木洞、2002年5月31日)
    歌集〈歔欷〉(短歌旋頭歌計209首)および句集〈奴草〉(俳句124句)と吉岡陽子〈覚書〉を収め、詩篇は収録されていない。(詳細は〈L赤鴉〉参照)
  3. 《うまやはし日記》(書肆山田、1990年4月15日)KH747-E207
    吉岡の日記(昭和13〔1938〕年8月31日〜昭和15〔1940〕年3月6日)。(〈吉岡実〈うまやはし日記〉本文校異〉参照)
  4. 詩集《液体》(草蝉舎、1941年12月10日)
    吉岡の第二詩集。(〈吉岡実詩集《液体》本文校異〉参照)
  5. 詩集《液体〔叢書溶ける魚〕》(湯川書房、1971年9月10日)
    編集:鶴岡善久・政田岑生。吉岡の第二詩集の再刊。限定300部。本書は叢書の第2回配本。
  6. 小冊子《馬・春の絵》(未刊)
    1974、75年ころに、吉岡の馬をテーマにした詩ばかりを収めてつくるはずだった小冊子。(〈「死馬の眼」――吉岡実詩集《神秘的な時代の詩》評釈(14)――〈わが馬ニコルスの思い出〉〉参照)
  7. 歌集《魚藍》(私家版、1959年5月9日)
    吉岡の唯一の歌集。新装版が深夜叢書社から1973年8月28日に出ている。(〈吉岡実歌集《魚藍》本文校異〉参照)
  8. 詩集《薬玉》(書肆山田、1983年10月20日)
    吉岡の第一一詩集。吉岡が引用している金井美恵子の《薬玉》評は、大岡信・谷川俊太郎編集《吉岡実〔現代の詩人.1〕》(中央公論社、1984年1月20日)〔KH13-227〕の肖像〈吉岡実とあう――人・語・物〉から。吉岡は〈白狐〉(未刊詩篇・16)で「*「現代詩手帖」二十五周年記念号に是非とも作品を寄せよ、との小田久郎氏の要請をこばみがたく、十余年前の自動記述的な草稿に、若干の手を加え、『薬玉』の詩篇と同じ形態をととのえ、ここに発表する。 五月九日」と書いている。(〈吉岡実詩集《薬玉》本文校異〉参照)
  9. 詩集《薬玉〔著者別装本〕》(発行所の記載なし、1984年8月5日)
    吉岡の第一一詩集著者別装本。限定18部。吉岡は「芦川羊子と土方巽に会い、私家用本『薬玉』を贈る」と書いている。(〈吉岡実の特装本〉参照)
  10. 詩集《昏睡季節》(草蝉舎、1940年10月10日)
    吉岡の第一詩集。のちの歌集《魚藍》の和歌を含む。〈手紙にかへて〉という一葉が挿入されているというが、吉岡家蔵本には見あたらず、★未見。(〈吉岡実詩歌集《昏睡季節》本文校異〉参照)
  11. 詩集《サフラン摘み》(青土社、1976年9月30日)KH747-126
    吉岡の第八詩集。(〈吉岡実詩集《サフラン摘み》本文校異〉参照)
  12. 随想集《「死児」という絵》(思潮社、1980年7月1日)KH747-189
    吉岡の随想集。59篇収録。
  13. 随想集《「死児」という絵〔増補版〕》(筑摩書房、1988年9月25日)KH747-E37
    吉岡の随想集。86篇収録。〈筑摩叢書328〉。
  14. 詩集《静かな家》(思潮社、1968年7月23日)
    吉岡実の第六詩集。(〈吉岡実詩集《静かな家》本文校異〉参照)
  15. 詩集《神秘的な時代の詩》(湯川書房、1974年10月20日)KH747-J58
    吉岡の第七詩集。書肆山田から1976年8月15日に再刊(正確には「三刊」)されている。(〈吉岡実詩集《神秘的な時代の詩》本文校異〉参照)
  16. 詩集《静物》(私家版、1955年8月20日)
    吉岡の第三詩集。(〈吉岡実詩集《静物》稿本〉〈吉岡実詩集《静物》本文校異〉を参照)
  17. 〈蝉〉は★未詳。吉岡の商業学校時代の作文か。吉岡は「「東桜会誌」をひっぱり出して、向島商業在学中の友だちを偲ぶ。作文「蝉」は良いと思う」と書いている。吉岡の戦前の二著《昏睡季節》《液体》、戦後の《紡錘形》は草蝉舎〔そうせんしゃと読むか〕の刊行。
  18. 詩集《僧侶》(書肆ユリイカ、1958年11月20日)911.56-Y929s:原資料の劣化を防ぐため、版面が電子化(デジタル画像化)されているが、2011年10月時点でネットワークでは提供されていない。〕
    吉岡の第四詩集。(〈吉岡実詩集《僧侶》本文校異〉参照)
  19. 詩集《夏の宴》(青土社、1979年10月30日)
    吉岡の第九詩集。(〈吉岡実詩集《夏の宴》本文校異〉参照)
  20. 評伝《土方巽頌――〈日記〉と〈引用〉に依る》(筑摩書房、1987年9月30日)KH747-E1
    吉岡による土方巽の評伝。なおここで、吉岡が本書中で題名・出典を表示せずに引用している文章の作者名を掲げておく(登場順)。土方巽、加藤郁乎、瀧口修造、細江英公、三好豊一郎、芦川羊子、清水晃、種村季弘、大野一雄、中西夏之、谷川晃一、高橋睦郎、吉増剛造、澁澤龍彦、郡司正勝、笠井叡、鶴岡善久、合田成男、鈴木志郎康、飯島耕一、中村宏、古沢俊美、出口裕弘、市川雅、元藤Y子、大内田圭弥、唐十郎、三島由紀夫、大野慶人、矢川澄子、埴谷雄高、吉村益信、池田満寿夫、田中一光、松山俊太郎、池田龍雄、白石かずこ、中村文昭、木幡和枝、天澤退二郎、鈴木一民、國吉和子、宇野邦一、永田耕衣、田中泯、大岡信、八木忠栄、水谷勇夫、巖谷國士、羽永光利、長尾一雄、麿赤児、ニーチェ。部分的にではあるが、本書の本文校異を〈《土方巽頌》本文校異(抄)〉〈郡司正勝の土方巽評〉〈虚構としての論文あるいは〈変宮の人・笠井叡〉校異〉で行っている。また、本書になかった人名索引を作成してPDFファイル〈土方巽頌・人名索引〉を公開している。
  21. 詩集《紡錘形》(草蝉舎、1962年9月9日)911.56-Y929y2
    吉岡の第五詩集。発売:思潮社。(〈吉岡実詩集《紡錘形》本文校異〉参照)
  22. 拾遺詩集《ポール・クレーの食卓》(書肆山田、1980年5月9日)
    吉岡の第一〇詩集。(〈吉岡実詩集《ポール・クレーの食卓》本文校異〉参照)
  23. 詩集《ムーンドロップ》(書肆山田、1988年11月25日)KH747-E101
    吉岡の第一二詩集。(〈吉岡実詩集《ムーンドロップ》本文校異〉参照)
  24. 句集《奴草》(書肆山田、2003年4月15日)KH747-H65
    吉岡唯一の句集。吉岡は「句作にはげむ。いつか句集『奴草』を編みたいと思う」と書いている。
  25. 《吉岡實詩集〔今日の詩人双書〕》(書肆ユリイカ、1959年8月10日)911.56-Y929y-S
    この時点での吉岡の総合詩集。編集・解説:篠田一士。奥付が初版と同一の増刷(2回か)あり。
  26. 《吉岡実詩集》(思潮社、1967年10月1日)911.56-Y929y-s
    この時点での吉岡の総合詩集。

吉田一穂(ヨシダ, イッスイ、1898-1973)

  1. 詩集《海の聖母》(金星堂、1926年11月15日)〔YD5-H-特114-81(マイクロフィッシュ)〕
    吉田一穂の第一詩集。38篇収録。8年間の詩業を〈薔薇篇〉〈羅甸区〉〈青篇〉の3部に編んだもの。装丁:亀山巌、助纂:春山行夫。四六判・上製・紙装・函入。
  2. 散文詩集《故園の書〔現代の芸術と批評叢書〕》(厚生閣書店、1930年3月15日)〔KH739-E198〕
    吉田一穂の第二詩集。29篇収録。★未見。
  3. 詩集《稗子伝》(ボン書店、1936年12月31日)〔715-141〕
    吉田一穂の第三詩集。11篇収録。俳句5句も収める。★未見。
  4. 《吉田一穂詩集》(創元社、1952年2月29日)〔911.56-Y789y〕
    吉岡が散文〈吉田一穂の詩〉を執筆する際に借覧した版。★未見。
  5. 詩集《羅甸薔薇》(山雅房、1950年6月1日)〔YD5-H-a911-626(マイクロフィッシュ)〕
    吉田一穂の第五詩集。★未見。

レイモン・ラディゲ(Radiguet, Raymond、1903-1923)

  1. 堀口大學訳《ドルヂェル伯の舞踏会》(白水社、1938年★月★日)〔F53-R111aウ〕
    ラディゲの小説。★未見。

ラファイエット夫人(La Fayette, Madame de(Marie-Madeleine Pioche de La Vergne)、1634-1693)

  1. 生島遼一訳《クレーヴの奥方〔岩波文庫〕》(岩波書店、1937年1月15日)〔569-14〕
    ラファイエット夫人の小説。★未見。

ヴァレリー・ラルボオ(Larbaud, Valery、1881-1957)

  1. 堀口大學・青柳瑞穂訳《仇ごころ》(第一書房、1932年★月★日)〔633-23〕
    ヴァレリー・ラルボオの小説。★未見。

ラ・ロシュフコー(La Rochefoucauld, Francois, duc de、1613-1680)

  1. 斎藤磯雄訳《ラ・ロシュフコオ箴言録》(三笠書房、1936年★月★日)〔699-57〕
    ラ・ロシュフコーの箴言集。★未見。

ランボー(Rimbaud, Jean Arthur、1854-1891)

  1. 小林秀雄訳《地獄の季節〔岩波文庫〕》(岩波書店、1938年8月5日)〔730-237〕
    ランボーの散文詩。吉岡は「〔習作的詩歌集『昏睡季節』(昭和15年10月)の〕表題はあきらかに、ランボーの『地獄の季節』を意識した形跡がある。私もそのころすでに、小林秀雄訳の岩波文庫で、それを読んでいたのだろうと思う」と書いている。★未見。

リルケ(Rilke, Rainer Maria、1875-1926)

  1. 望月市恵訳《マルテの手記〔岩波文庫〕》(岩波書店、1946年1月20日)
    リルケの散文作品。
    吉岡実が戦前に読んだ《マルテ》は、堀辰雄が1934年から35年にかけて《四季》創刊号〜3号に訳載したいくつかの断章(筑摩書房版堀辰雄全集第3巻の〈「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から〉)か、わが国で初の完訳、大山定一訳《マルテの手記》(白水社、1939年10月12日)のどちらかだろう。
  2. 茅野蕭々訳《リルケ詩集》(第一書房、1939年6月10日)
    リルケの詩を初めてまとまった形で日本に紹介した《リルケ詩抄》(第一書房、1927年5月7日、第1刷1500部)〔531-97〕の増補版。四六判(《リルケ詩抄》は菊判)、初刷1200部。なお《詩抄》と《詩集》の収録作品の違いは、茅野蕭々訳《リルケ詩抄〔岩波文庫〕》(岩波書店、2008年4月16日)〔KS419-J2〕の〈校注〉に詳しい。吉岡は1939年6月18日の日記に「浅草仲見世の清水屋書店で、渇望の茅野蕭々訳『リルケ詩集』を買う」と書いている。
  3. 高安国世訳《ロダン〔岩波文庫〕》(岩波書店、1941年6月10日)〔712.5-cR69Rr-T〕
    リルケが描いた彫刻家ロダンの評伝。
  4. 高安国世訳《リルケ詩集〔講談社文庫〕》(講談社、1977年6月15日)〔KS419-15〕あるいは同じ訳文の高安国世訳《リルケ詩集〔世界文学ライブラリー〕》(講談社、1972年6月20日)〔KE211-18〕

ル・ニスモア(Le Nismois、★)

  1. 山中美一訳《ジュリヤの青春――愛慾の歓喜 全訳》(東京書院、1951年8月25日)〔953-cL56j-Y〕
    ル・ニスモアの長篇小説。帯(表1)には「本邦初訳、艶笑文学の圧巻!淫蕩女の数奇な愛慾の遍歴、赤裸々な告白、巨匠スタンダール?の性愛描写正に妖艶、空前の秘戯小説!」とある。巻末の訳者〈附記〉によれば、この匿名秘作の作者として、ラシルド(1860-1953)、バルザック(1799-1850)、スタンダール(1783-1842)の三人が取り沙汰されている。

ポーリーヌ・レアージュ(Reage, Pauline〔ポーリーヌ・レアージュはDominique Aury(本名Anne Desclos)の筆名〕、1907-1998)

  1. 澁澤龍彦訳《O嬢の物語〔角川文庫〕》(角川書店、1973年3月20日)〔Y81-9621〕
    ポーリーヌ・レアージュの小説。吉岡が〈O嬢の物語〉を読んだのはこれより前の版か。
  2. 鈴木豊訳《O嬢の物語〔講談社文庫〕》(講談社、1974年3月15日)〔Y82-774〕
    ポーリーヌ・レアージュの小説の完訳版。吉岡は「当時の社会事情から、この訳書〔澁澤龍彦訳〕には、余儀なく削除がほどこされている。それを充たしてくれたのが、だいぶ後で公刊された、鈴木豊訳『O嬢の物語』であった」と書いている。
  3. 長島良三訳《正・続O嬢の物語〔サラ・ブックス〕》(二見書房、1981年11月★日)〔Y82-7616〕
    ポーリーヌ・レアージュの小説。吉岡は「続篇『ロワッシイへ帰る』を収めた、長島良三訳『O嬢の物語』も最近になって読んだが、「続篇」に依って小説の余韻が失われたように思える」と書いている。★未見。

ミシェル・レリス(Leiris, Michel、1901-1990)

  1. 須藤哲生訳《闘牛鑑》(現代思潮社、1971年3月31日)〔KR163-14〕
    ミシェル・レリスの闘牛論。挿画:アンドレ・マッソン。

魯迅(ロジン、1881-1936)

  1. 井上紅梅訳《阿Q正伝〔新潮文庫〕》(新潮社、1938年11月20日)〔780-2〕
    魯迅の小説。★未見。

ワーズワース(Wordsworth, William、1770-1850)

  1. 木内打魚訳《ワーヅワース詩集〔泰西詩人叢書〕》(聚英閣、1926年★月★日)〔389-87-(15)〕
    ワーズワースの詩集。★未見。

ワイルド(Wilde, Oscar、1854-1900)

  1. 西村孝次訳《ドリアン・グレイの画像〔岩波文庫〕》(岩波書店、1936年9月30日)
    ワイルドの長篇小説。★未見。

中村康治訳《わが愛しの妖精フランク〔富士見ロマン文庫〕》(富士見書房、1980年1月20日)〔Y82-6605〕
ビクトリア朝の香り高い鞭撻小説。作者未詳だが《南北戦争》と同じ著者(ユーグ・ルベル)というのが通説。★未詳。

若山牧水(ワカヤマ, ボクスイ、1885-1928)

  1. 歌集《野原の郭公〔改造文庫〕》(改造社、1929年★月★日)〔569-142〕
    若山牧水の自選歌集。★未見。
  2. 歌集《牧水歌集〔改造文庫〕》(改造社、1933年★月★日)〔569-142〕
    若山牧水の歌集。★未見。
  3. 若山喜志子編《若山牧水歌集〔岩波文庫〕》(岩波書店、1936年10月15日)〔569-14〕
    若山牧水の歌集。2000余首を収録。★未見。

和田芳恵(ワダ, ヨシエ、1906-1977)

  1. 伝記《一葉の日記》(筑摩書房、1956年6月30日)〔915.6-H448Wi〕
    和田芳恵の書きおろしによる樋口一葉の伝記。上製丸背布装・貼函(装丁:吉岡実)。第13回日本芸術院賞受賞。函をジャケットに、表紙を紙装に変えて、表紙・本扉のデザインを変更し、見返しを薄紫の用紙にした普及版(1957年4月5日)がある
    (装丁:吉岡実)。のち新潮文庫版で書名を《樋口一葉伝――一葉の日記》と改題、その後《一葉の日記》に戻す。(〈吉岡実の装丁作品(100)〉参照)
  2. 小説《暗い流れ》(河出書房新社、1977年4月25日)〔KH692-162〕
    和田芳恵の長篇小説。第9回日本文学大賞受賞。
  3. 小説《作家達》(泰光堂、1942年5月20日)〔F13-W129-2ウ〕
    和田芳恵の短篇連作小説集。〈水葬〉〈無名〉〈格闘〉〈悲愁〉〈草話〉〈余白〉〈祝煙〉〈転心〉の8篇を収録。装丁:熊谷公。
  4. 自伝《自伝抄W》(読売新聞社、1978年4月15日)〔GK13-427〕
    本書は《読売新聞〔夕刊〕》に1977年8月9日から12月24日まで連載されたもの。和田芳恵の〈七十にして、新人〉を巻頭に、源氏鶏太〈鎮魂サラリーマン〉、花岡大学〈かたすみの道〉、田中千禾夫〈井蛙の辯〉、高橋健二〈万華鏡〉、金子武蔵〈いずれの日か故郷に帰らん〉の全6篇を収める。装丁:代田奨。
    自伝《和田芳惠 自伝抄》(和田静子、1977年11月30日)
    《読売新聞〔夕刊〕》に1977年8月9日から8月31日まで連載された和田芳恵の〈自伝抄「七十にして、新人」〉を一冊にまとめたもの。制作は大西祥治(装丁者のクレジットなし)。本書の仕様は、一八八×一二七ミリメートル・八〇ページ・上製角背布装・貼函。別丁口絵に著者の肖像写真(1975年3月5日、中島八重子撮影)。非売品。別紙挟み込み〈故和田芳惠葬儀 昭和五十二年十月十一日〉に、山本健吉・井上靖・松本清張・高塚千秀・野口冨士男の〈弔辞〉、丹羽文雄の〈葬儀委員長挨拶〉を掲載。
  5. 小説《十和田湖》(泰光堂、1942年9月5日)
    十和田湖の養魚に生涯をかけた和井内貞行(1858-1922)を書いた和田芳恵の伝記小説。装丁:斎藤清。日本近代文学館所蔵本(
    和田静子寄贈)は、表紙に「保存用原本」と朱書してある。
  6. 小説《雪女》(文藝春秋、1978年6月30日)〔KH692-214〕
    和田芳恵の短篇小説集。〈逢いたいひと――お弘・はん子・けい子〉〈雪女〉(第5回川端康成文学賞受賞作品)に〈自伝抄〔七十にして、新人〕〉を併載、和田静子〈星に望をつないで〉。
  7. 小説《離愁記〔新鋭文学選集〕》(今日の問題社、1943年11月20日)〔F13-W129ウ〕
    和田芳恵の書きおろし長篇小説。

吉岡実言及書名・作品名索引〔解題付〕 了

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